2024年4月号
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、業務の効率化、生産性の向上、ひいては企業の競争力強化をもたらします。多くの企業がDX推進に取り組む中、その第一歩となるデジタル化(デジタライゼーション)のための有効なツールとして導入されるケースが増えているのが、RFID(Radio-Frequency Identification)です。今号では、RFIDがDX推進にあたってどのようなメリットをもたらすのかを、その特性や、具体的な利用例とともにご紹介いたします。
製造現場における課題
アナログな運用が生み出す弊害
製造・物流現場でよくある課題として、手書きによる実績記録や、バーコードの一つ一つのスキャンなど、人手による多大な作業時間、それに伴うヒューマンエラーの発生があります。 さらに、実績がシステムに反映されるまでにタイムロスが発生していたり、物品の所在管理が不完全でモノ探しに時間をとられているなどのケースもあり、デジタル化によって改善が期待される場面が多く残されています。これらを解決するツールの一つとして、RFIDを導入する企業が増えているのです。
RFIDとは?
RFIDは、ICチップにデータを記憶し、電波で読取り機(リーダ)と交信する事で、人や物を識別・管理する無線通信による認証技術です。 バーコードシステムと比較して、以下のような特長があります。
離れていても、隠れていても電波が届けば情報を読みとれる
電波で情報を読み取るRFIDは、ICタグが貼付された物品が入っている箱を開けずに検品も可能。見えない物や手が届かない物も、電波が届く範囲であれば読み取ることができます。
一括大量読取りが可能
RFIDは電波が届く範囲にある大量のICタグをすばやく読み取ることが可能です。ハンディリーダをかざして読みとったり、トンネル型のアンテナを通過させることで開梱せずに一括で読み取ることが可能です。
表面の汚れやこすれに強い
光学的に読み取るバーコードと違い、電波で読み取るRFIDの性質上の強みとして、表面の汚れに強いということがあります。屋外利用や耐水、耐熱など環境に応じたタグも選択可能です。
アンテナに近づけば読める
広い範囲を読める特性から、アンテナ
の近くを通過するだけで読み取ることが
できます。センサー連携しての読み取りタイミング設定も可能で、必要な場所で必要な情報を自動取得することができます。
RFID導入がもたらすメリット
上述のようなRFIDの特長を生かし、製造業の現場でRFIDがメリットを生み出すポイントを以下に紹介します。
モノの動き、進捗をキャッチ
ICタグを物品に取り付け製造情報と物品のヒモづけを行ない、工程毎に情報を読み書きすることで、リアルタイムで所在位置や進捗を管理します。これによって、管理のための作業効率や正確性を大きく向上させることができます。
棚卸を効率化
物品に取り付けたICタグの一括読み取りが可能となり、棚卸に要する人数と作業時間を大幅に削減できます。
検品を効率化
開梱せずに一括で読取りを行うことで、検品にかかる人手と時間を大幅に削減することができます。UHF帯RFIDトンネルタイプ一括読取装置
情報登録を自動化
物品に取り付けたICタグを自動読取り。従来の、目視や手書きでの記録やバーコード読取りにかかっていた手間と時間を削減することが可能です。物品IDを取得して上位に送信、効率的な管理を実現します。
実績登録をデジタル化
ICカードタッチパネル端末で、作業者を認証し実績登録。誰が、いつ、何の作業を行なったかをリアルタイムで把握することができます。手書きの日報作成や集計時間が不要になります。
人の動きをキャッチ
施設内各所にアンテナを設置してお
けば、ハンズフリーで人の動きをキャッ
チすることも可能です。当社製UHFリー
ダライタ「MRU-F5100JP」は制御パソ
コンなしで自律動作し、簡単な設定で
多くの動作を実行できるので、上位シス
テム開発負担を軽減します。イラストは、通過した方向を検知し記録する通過検知装置ゲートです。
貸出管理の効率化
管理対象の物品をRFIDリーダにかざすだけで簡単登録。ICカード認証を組み合わせることで「誰が」「いつ」「何を」というように、人とモノの情報をひもづけることができます。
おわりに
当社にはRFID導入に際して数々の現場を確認し蓄積してきた豊富な情報・ノウハウがあります。 お客様にとって最適なご提案と共に、万全のテクニカルサポート体制を構築します。 RFIDシステムの手軽な導入をサポートするスタートアップシステムも各種取り揃えておりますので、RFID導入を検討の際は、是非、当社営業までお気軽にご相談ください。
製造業DX推進カタログ
RFID/バーコード/画像処理で工場内の状況を可視化
RFID/バーコード/画像処理で、工場内でのモノと人の動きをリアルタイムでデータ化し、製造業DXを加速させる機器・システムを工程毎に紹介しております。是非ダウンロードしてご覧ください。
- 画像処理で目視による検査判別を自動化
- ICカードタッチパネル端末で実績登録
- 制御PC不要で動作するRFIDリーダライタ
- 誤投入防止と生産実績収集
- UHFフォークで荷物とロケーション情報の登録を自動化
- トラック入退場管理
- RFID一括入荷検品
- Android端末でモバイル検品
- バーコードが無い荷物をOCRで検品&バーコードラベルを発行して個体管理 …他 掲載