食品製造DX推進をサポートする画像処理/バーコード/RFIDソリューション

食品製造DX

2024年3月号

 日本の食品製造業界は、慢性的な人手不足、円安や原材料高騰、食品ロスの増加など、様々な課題に直面しています。また、2021年HACCPの制度化に伴い高度な食品安全管理が求められる中、これらの課題を解決し、競争力を維持するために、デジタル技術を活用したDXの推進が強く求められています。今号では、食品製造プロセスにおけるDX推進をサポートする当社ソリューション事例を紹介いたします。

HACCPとDX:食品安全管理のための新たなアプローチ

 日本では、食品衛生法の改正に伴い、2021年からHACCP(ハサップ)による衛生管理の実施が義務付けられました。HACCPとは「Hazard AnalysisCritical Control Point」の頭文字をとった言葉で、「危害要因分析重要管理点」と訳されます。食品安全管理の国際基準であり、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。

(厚生労働省「HACCPに沿った衛生管理の制度化について」)

 安全管理に関する情報のデータ化を高い精度で行うことが必要となるHACCPへの対応を契機に、食品製造業界でのDX推進への取り組みが加速しています。

安全と生産性の向上

 食品安全管理のために作業者の行動を管理する新たなソリューション例をご紹介します。

安全に関わる作業者の行動をAI画像処理で把握

安全に関わる作業者の行動をAI画像処理で把握

 AIによるトラッキング技術を活用して、作業者の手洗い・消毒などの行動パターンを分析し、衛生管理の徹底を図ります。また、同システムにより、作業者に応じた入場制限エリアの設定も可能となり、工場内の衛生レベルを向上させます。作業者の導線を見える化することで作業動線の最適化にも寄与します。(本システムは開発中新製品です。)

トレーサビリティの重要性

 HACCPの実施に伴い、いつ、どこから入荷した原材料を、どのように加工し、いつ、どこへどれだけ出荷したかといったトレーサビリティの重要性が高まっています。 原材料の入荷から製造、包装、出荷までの工程において、ロットNo.と紐付けた情報管理が必要です。これにより、万が一の食品安全問題が発生した際に、迅速に原因を特定し、対応することができます。 当社は長年の実績があるライン組み込み用の固定式スキャナから、スマホを用いたモバイル照合アプリまで幅広くラインナップしてトレーサビリティを支えます。

原材料受入~出荷までの製造記録でのモバイルバーコード照合アプリ活用

モバイル照合アプリ活用

 ハンディターミナルを用いることで、原材料の受け入れ時、工程投入時、包装など各工程での製造指示との照合を正確に管理します。

バーコードの無い作業指示書の読み取りや、銘板ラベルの文字を読みとっての照合(OCR)

 Android端末で利用可能なOCR読取パッケージ「MC Lens」は、手作業によるデータ入力ミスを減らし、管理精度を高めます。

作業指示書OCR読取例
銘板ラベルOCR読取例

検品プロセスの自動化と効率化

 従来、手入力や目視で行っていた作業には少なからずヒューマンエラーや検査精度のばらつきが生じていました。バーコード、OCR(文字認識)や画像処理を利用したシステムの導入によって効率と検査品質の向上を実現できます。

OCR検品&ラベル発行システム

OCR検品&ラベル発行システム

 MC Labeはバーコードのない荷物をOCRで検品し、その場でラベル発行を行なうことで、個品管理を効率的に行なえます。

画像認識技術による日付表示チェックシステム

画像認識技術による日付表示チェックシステム

 ビジョンシステムを使用して、製品の製造日や消費期限の表示が正確であることを自動で確認し、消費者への信頼性を保ちます

画像認識技術による製品の箱詰めの正誤判定

画像認識技術による製品の箱詰めの正誤判定

同じく当社のビジョンシステムを用いることで、箱詰めされた製品が正しい仕様であるかを自動でチェックし、品質保証の精度を向上させます。

資機材管理の最適化

 食品安全管理プログラムが効果的に運用されるためには、無駄の無い資材管理が求められます。

RFIDによる物流資材・容器などの所在管理システム

RFIDによる物流資材・容器などの所在管理システム

 RFIDリーダライタとアンテナを活用し、台車、パレット、各種容器などにICタグを取り付け、所在をリアルタイムで把握し、無駄な探索時間を削減します。当社では、所在管理DXのスモールスタートを可能にするRFID所在管理スタートアップシステム「Run Point」をご用意しています。まずは効果を試されたいお客様にお薦めいたします。

保守パーツ部品、工具類の持ち出し管理

保守パーツ部品、工具類の持ち出し管理

 RFIDを活用することで、必要な部品や工具などの持ち出しを厳密に管理し、運用コストの削減と生産性の向上を図ります。 RFID持ち出し管理スタートアップシステム「MCHDS」でRFIDの効果をお試しください。

コールドチェーンでの画像処理システム活用

コールドチェーンでの画像処理システム活用

 冷凍倉庫内でも正確な商品管理と検品を実現するために、常温と-35度の環境を行き来してもレンズが曇らない特殊な冷凍倉庫対応カメラと画像処理技術を組み合わせたシステムを開発し近日リリースを予定しています。これにより厳しい環境下でもバーコード、OCR、画像処理を利用した検査システムが構築可能となります。

おわりに

 食品製造業におけるDXは、様々な課題を解決し、競争力を維持するために不可欠です。当社では、バーコード、画像処理、RFID技術を駆使してお客様のDX推進をサポートいたします。 是非お気軽にお問合せください。


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  • 画像処理で目視による検査判別を自動化
  • ICカードタッチパネル端末で実績登録
  • 制御PC不要で動作するRFIDリーダライタ
  • 誤投入防止と生産実績収集
  • UHFフォークで荷物とロケーション情報の登録を自動化 
  • トラック入退場管理   
  • RFID一括入荷検品
  • Android端末でモバイル検品
  • バーコードが無い荷物をOCRで検品&バーコードラベルを発行して個体管理 …他 掲載