DXを加速するAI画像処理システムを手軽に導入 part2

2024年6月号

 

前号に続き画像検査を手軽に導入可能な当社のAIビジョンシステム「VisAI (ビズアイ)」について、さらに多様な活用例や便利な機能をご紹介します。前号ではVisAIの基本ラインナップや機能を紹介しておりますのでよろしければそちらもご覧ください。

様々な検査手法に対応(ルールベース&ディープラーニング)

  VisAIは、基本機能として以下のような複数の検査手法を搭載しており、お客様のニーズに応じて様々な検査に対応可能です(前号及び今号掲載の活用例参照)。従来のルールベースでの検査に加え、ディープラーニングを用いたAI比較検査に対応しています。

ルールベース検査

●色合い検査

検査領域(ROI)内の色合いが登録した色合いと似ているかを検査します。

●ブロブ解析

検査領域内に登録した色やサイズのブロブ(白と黒に二値化した画像の中の白い塊)が何個あるかをしきい値を設定して合否判定する手法です。

●パターンマッチング

検査領域内に、登録した内容に一致するパターンが何個あるかをしきい値を設定して合否判定します。

自動認識検査

●OCR(文字認識)

画像から文字を読み取り、テキストデータを取得します。指定した文字列や他の処理領域のOCRやシンボルのデコードデータとも照合できます。

●シンボル読取り

1次元コード、2次元コードを読み取り、デコードしたデータを取得します。指定したデータとの照合を行うこともできます。

ディープラーニング

●AI画像比較

検査領域の画像と、AIモデルを用いて指定した画像との比較を行い、より精度の高い検査が可能です。

簡単GUIで検査設定が可能

 VisAIの大きな特長は、どなたでもすぐにお使いいただけることです。プログラムやディープラーニングの専門知識が無くても、GUI (Graphical UserInterface)で直感的にお使いいただける点は、多くのお客様からご好評をいただいております。基本的な設定は下記の3ステップで行えます。

  1. カメラで対象を撮影し、検査したい領域(ROI)を画面上でドラッグ指定
  2. 適宜検査手法を上記の中から選択
  3. それぞれの手法に応じて合否判定のしきい値を設定 or 読み取ったデータの処理を設定
カメラで対象を撮影し、検査したい領域(ROI)を画面上でドラッグ指定

 さらに、設定完了した上記検査内容を「シナリオ」として複数登録することができ、必要に応じてワンタッチで呼び出すことができます。

 AI画像比較(ディープラーニング)のためのAIモデルはプリインストールされていますが、より精度の高い検査を可能とするために専用のAIモデルを作成するAIトレーニングツールも提供いたします。(近日リリース予定)。こちらも、専門知識が無い方でもわかりやすいGUIでお使いいただけますので、自社内でのスムーズなAIモデルの作成をサポートします。

活用例紹介

 以下に、先月号ではお伝えしきれなかった様々な検査事例をご紹介します。検査を行う環境や、検査したい内容に応じて、各製品の特長をふまえた活用例がございます

「MoMaVi」の特長

 スマートフォン版「MoMaVi (モマビ)」は読取距離の調整がほぼ不要で広画角での検査を可能とし、すばやく導入が可能です。Wi-Fiでシステムに組み込むことも容易で、Bluetooth IOBOXによってセンサーやスイッチなどDIO連携もできます。

MoMaVi構成例

「VisAI-Edge」の特長

固定式エッジA Iカメラ版「V i -sAI-Edge」も画像検査専用システムや専用カメラと比較して導入コスト面でメリットを発揮します。しかも、産業用のインターフェースを標準装備しており、すぐに既存のシステムに組み込むことができます。

VisAI-Edge構成例

Cマウントレンズによって広域の検査や、精密な検査も可能であるため、専用機器によるシステム導入にコスト面で障壁を感じているお客様にお薦めです。検査結果データや画像は、適宜必要なインターフェースを通じて外部機器と連携でき様々なパターンに対応可能です。

電気・電子部品、EMSなどでのエッジAI画像検査活用例

対象を検出して位置(座標)を出力

電気・電子部品、EMSなどでのエッジAI画像検査活用例

プリント基板がどの程度基準位置からズレているかを検知するために、アライメントマークの中心位置を検出し上位システムへ出力。有線LANを経由してPLCに位置補正のための座標データを送信します。

化学、研究機関 などでのスマートフォン画像検査活用例

目視での測定・記録を自動化

化学、研究機関 などでのスマートフォン画像検査活用例

測定者が目視で行なっていた粘度計の測定を半自動化。監視ボタンを押すだけで液面の監視、時間計測(小数点以下3桁)をアプリ化し、計測、計算、入力の手間を削減。読取りデータと画像はWi-Fiでファイル転送。

常時監視へのスマートフォン画像検査活用例

変化が生じたら自動でアラート通知

常時監視へのスマートフォン画像検査活用例

 警報集中表示板の変化を無人でもキャッチするためにMoMaViを集中表示板の前に設置しモニタリング。どこかが赤ランプになれば変化を検知して画像と共にアラートメールで通知します。

物流分野でのエッジAI画像検査活用例

画角内の必要な文字を取得したい

 VisAI-Edgeを運転キャビン内に取り付け、ボタンを押下し読取りを開始。コンテナに印字されているISO番号のみを探して読取り表示。所在管理のためのコンテナ番号照合の手間を削減します。OCRで読みとったテキストデータと画像はWi-Fi経由でFTP/Sambaサーバーに転送されます。Ethernet経由でTCP/IPコマンド制御も可能です。

おわりに

 今号では、当社の画像処理ソリューション「VisAIシリーズ」による様々な業務のDX推進例を紹介しました。目視に頼っていたり、人手のかかる業務に課題を感じている企業様は、是非お気軽にお問合せください。
 次回はさらに多様なVisAIの機能&活用法をご紹介します。

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