2024年10月号
当社は、2024年9月11日(水)~13日(金)までの3日間、東京ビッグサイトにて開催された『第26回自動認識総合展』の企業ブースに出展いたしました。製造DX/物流DXをテーマにしたブース展示で、新しいビジョンシステムや、工場・倉庫などの施設内で物品の所在を管理するRFID所在管理システムのデモ展示を行いました。今号では展示したデモを一部ご紹介いたします。
目視検査を半自動化するビジョンシステム
品質管理において、目視検査は重要な役割を担っていますが、多くの場合、人手に依存しているため、効率化が課題となっています。こういった課題を解決するために外観検査の自動化が求められますが、システム導入のためのコストや技術的な障壁を理由に躊躇している企業が、多数存在します。そのようなニーズにお応えするため、当社では、目視での検査を手軽に半自動化するソリューションとして「VisAI(ビズアイ)」シリーズを開発しました。今回のメイン展示では「VisAI」の様々なデモンストレーションを展示いたしました。
微細な部品の形状の違いを簡単に判別
VisAIシリーズから、スマートフォン版の「MoMaVi(モマビ)」と、エッジAIカメラ「VisAI-Edge」の2製品をご紹介しました。MoMaViはスマートフォンで手軽に導入可能な画像検査システムです。
画像のように、微妙に形状が異なる2種類のギアが混在する状態を判別し、異物混入判定や、品種毎の個数カウントを行うデモを展示しました。ご覧のように微妙な違いなので、人の目だと時間がかかりますが、スマホで撮影するだけで瞬時に判別・個数カウントが行えます。異なる形状の物品の判別や計数に課題をお持ちの様々な来場者様からご興味をいただきました。
バーコードと画像の複合検査による正誤判定
VisAIシリーズの特長は様々な画像検査とバーコード読取やOCR(文字認識)を組み合わせての複合検査が可能な点です。これを生かして、封筒の中身が正しく封入されているかを検査するデモを行いました。物流や製造現場での入出荷検品など従来バーコードリーダーやOCR読み取り機に加えて目視での検査に人手をかけ、ヒューマンエラーのリスクも抱えていた現場課題の解決を期待いただいております。
特殊フォント読取り(AI OCR)
ここではVisAIシリーズのOCR(文字認識)機能の高い性能をご覧いただきました。金属などにドット刻印された特殊フォントは光の反射などで読取りづらい性質がありますが、VisAIはディープラーニングにより、高精度な読取を可能とします。また、画角内の文字を一括で読取り、必要な部分だけを高速に抽出して読み取ることも可能な事例などを紹介いたしました。
AIモデルを用いた画像比較
VisAIはブロブ解析やパターンマッチングといった検査方法に加えて、AIモデル(ディープラーニング)を用いて、登録した画像と検査対象の類似度をチェックする機能「VisAI画像比較」があります。これによってブロブ解析やパターンマッチングで対応できない、曖昧な画像のチェックができます。デモでは、VisAI-Edgeを用いて、位置によって見え方の異なるコネクタの正誤判定を行いました。
AIモデル作成ツール
VisAIはデフォルトで搭載しているAIモデルによって画像比較を行うことができますが、より精度の高い検査を行うために、検査対象に特化したAIモデルを作成することができるWindows用ツール「VisAI-Training」のご用意があります(オプション)。あらかじめ撮影した画像を読み込んで、ラベリング(画像内のオブジェクトを囲み種類を指定する)を行い、どなたでも簡単にAIをトレーニングすることができます。リリース予定の「VisAI外観検査」は、VisAI-Trainingを用いて、ブロブ解析などでは検知できないワーク表面の傷や汚れなどをとらえることが可能です。
RFID所在/通過管理「RUN POINT」
物品にICタグをとりつけ、施設内の各所に設置したアンテナで所在を検知するRFIDソリューションパッケージ「RUN POINT」のデモコーナーでは、新しく対応した「通過管理」のデモンストレーションをご覧いただきました。作業指示書とICタグを紐づけることで、タグを読み取った場所から現在の進捗状況を把握することができます。以下に運用イメージをご説明します。
STEP1 指示書とICタグを紐づけ
指示書とクリアファイルのタグを紐づける。入力は各々のバーコードを読み取る。クリアファイルには事前にタグを発行、貼付しておく
STEP2 作業開始時と終了時にICタグを読取り進捗を登録
各工程にRFIDリーダーを配置。作業開始時および終了時に指示書タグをRFIDリーダーで読み取ることで進捗を登録
STEP3 作業完了後、指示書とICタグの紐づけを解除
すべての工程が終了したら作業完了を登録し、指示書とクリアファイルのタグの紐づけを解除する
新製品RFIDリーダライタ
当社は国産のRFIDリーダライタを自社シリーズ化して製造しております。制御PC不要で自律動作することができ、DIOなども装備しているRFIDリーダライタとして、様々な現場のRFIDシステムにご採用いただき、開発コストの低減に貢献しています。この度、新RFチップを採用することでより読取性能が向上した新製品「MRU-F7100JP」を発表し、出展させていただきました。読取性能向上とともに、無線LANにも対応し、より広い現場ニーズに対応可能となりました。
おわりに
今回は、自動認識総合展での当社出展内容をレポートさせていただきました。弊社WEBサイトでは、VisAIシリーズやRFIDの活用事例を多数掲載していますので是非ご覧いただければ幸いです。目視での検査や、物品の所在管理・通過管理に課題をお持ちの企業様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談ください。
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