新しい健康管理のカタチを造るクラウドサービス「macmo」とは?

2023年ヘルスケア特別号

 当社では、健診業界に向けて、クラウドを活用した健診プラットフォームサービス「macmo」を開発・提供しています。今号はflags特別号として、本サービスを共同開発した一般財団法人近畿健康管理センター様での導入経緯や、DXやSDGs推進にもつながる「新しい健診スタイル」への取り組みについてご紹介いたします。

近畿健康管理センターの紹介

 一般財団法人近畿健康管理センター(以下KKC)は、滋賀県大津市に本部を置く健診機関です。

一般財団法人近畿健康管理センター

1973年に設立され、現在では直営の健診クリニックが9施設、巡回健診は最大約50班で、近畿圏のみならず全国を対象として職域から特殊健診、住民健診等幅広く各種健診業務を展開しています。 年間の総受診者数は約100万人と、日本有数の健診機関です。常に健診の質向上に努めており、日本品質保証機構(JQA)の審査を受け、最高レベル「プレミアム・ステージ」を取得しています。 

クラウドサービス「macmo」開発・導入の背景

 KKCは、2019年頃から、「新しい健診スタイル」を目指し、「健診結果のWeb化」や「巡回のデータ収集」などDXに向けたデジタル化の検討が始まりました。その背景には、以下のようなテーマがありました。

  • 「生涯健康づくり」「健康経営」のサポート
  • 健診業務の効率化・省力化の必要性
  • SDGsへの取り組み

KKCは、DX推進によって、これらの課題を解決し、健診の質を向上させ、より多くの人々に「新しい健診スタイル」を提供したいと考えていました。

macmo(MIRAI+)が実現する「新しい健診スタイル」

 KKCは、2020年4月に、株式会社マーストーケンソリューション(以下MTS)と開発した健診業務支援クラウドサービス「m a c m o(マクモ)」を「MIRAI+(ミライプラス)」として提供開始しました。

 同サービスは健診業務の予約・問診・データ収集・結果閲覧をクラウド上で一元管理できるサービスです。導入により、健診業務の効率化と省力化を実現し、より質の高い健診体験を提供することが可能となりました。

macmo導入効果

macmo(MIRAI+)の導入により得られた効果をいくつか紹介します。

WEB予約システム(いつでも予約)により、受診者からの予約変更が容易になり、同時にご担当者の予約受付業務も自動化されました。

WEB問診(どこでも問診)の導入により、問診の入力作業が省力化され、事務スタッフの負担が軽減されました。さらに検査の精度も向上しました。

検査コーナーのセルフ化により感染リスクが少ない非接触での検査が可能となりました。同時に、データ収集が効率化され、健診結果処理が迅速化されました。

●WEB報告により結果の閲覧が容易になり、契約企業、受診者の満足度が向上しました。

●受診票等の紙類の削減によるCO2の削減(SDGs推進)

DXが描く健康管理の未来―共同開発二社特別対談―

 新型クラウドサービス「MIRAI+」をリリースされた近畿健康管理センターの代表理事副理事長小西徹也氏と株式会社マーストーケンソリューション代表取締役社長小平尚が、その可能性と期待について対談しました。

ニューノーマル時代に新しい価値のサービスを

小西氏:withコロナ、afterコロナといわれる昨今、より安心安全に受診できる「新しい健診スタイル」構築のために、KKCではクラウドサービス導入に踏み切りました。これはニューノーマルとSDGs推進、そしてDX推進の3つのテーマを実現に導くものだと信じています。

小平:MTSは『健診ステーション』という健診現場でのデータ収集を目的としたサービスを展開してきましたが、新しい生活様式と働き方改革の流れの中、健診のバックオフィス的な役割も果たす新サービスが求められていることを感じていました。クラウドサービスの導入により、よりスムーズで快適な健診が実現できると考えています。

小西氏:従来はオリジナルシステムを開発し自社で維持管理していましたが、「健診ステーション」でご縁のあったMTSとのパートナーシップにより本サービスの開発に至りました。それぞれの得意分野を持ち寄り、システムをシェアするという当センターにとって新しい考え方です。

小平:開発の重要なポイントは、健診機関の視点での生産性の向上です。弊社事業の自動認識(バーコード、RFID、画像処理)を利用し、長年生産現場での効率化、生産性向上に貢献してきた経験・ノウハウを生かし、健診機関には導入効果を実感いただき、その先の企業内で健康管理を担う担当者の方々、受診者の皆様には、その利用価値を実感いただく、三方よしが開発理念です。

小西氏:三方よしの概念は事業継続に欠かせませんね。お客様、社会、そして私どもです。クラウドサービスの展開で拠点集約の必要が無くなるので、社内の働き方改革や構造改革にも期待しています。

クラウドサービスに期待が高まる

小平:KKC様が長年にわたって蓄積されてきたノウハウを提供いただき、開発したクラウドサービス「macmo」は、おかげさまで社会ニーズ、市場ニーズにタイムリーに応えるプラットフォームになりました。

小西氏:MIRAI+(macmo)は健診プロセス全体を一貫してサポートするクラウドサービスであり、健康診断に必要な各種サービスをシームレスに提供します。これにより、顧客の健康管理業務を大幅に軽減し、コスト削減にもつながると信じています。MIRAI+を導入すれば、全国のお客様やテレワークを推進しているお客様でもスムーズに健康管理が可能になります。業界標準のサービスに育て上げることが目標です。

今後の展望

小西氏:MIRAI+(macmo)を通じて受診者が健康を維持し、元気になることが最終的な目指すところです。今後も健診機関として社会や皆様から求められる存在であり続けられるよう、チャレンジ精神を忘れず、常に新しい挑戦を続けます。

小平:弊社としましても、macmoを中心に今後はより受診者向けサービスに力点を置き、健診機関と受診者との接点を強化してまいります。また、AIやディープラーニングの導入により、新たな健康管理の形を模索していきたいと考えております。本日はありがとうございました。

健診プラットフォームサービス
「macmo(マクモ)」