簡単設定の自律動作型RFIDリーダーの特長と活用ポイント/導入メリット

2024年11月号

 製造や物流現場での業務デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、効率化とトレーサビリティ強化のためRFIDシステムの導入を検討される企業が増えています。今号では、MRU-F7100JPの特長と、RFIDシステム導入時に現場担当者が実感できるメリットを詳述します。

制御PC不要でシンプルな運用が可能な自律動作型RFIDリーダライタ

 RFIDを現場で活用する際、導入・運用の簡便さは極めて重要です。MRU-F7100JPは、システム開発者をRFIDリーダライタの制御から解放し、業務システムの構築に専念できるよう設計されています。自律動作(オートモード)では、電源を入れるだけで自動的に稼働し、ICタグの情報を即座に取得・送信します。

制御PC不要の自律動作

 自律動作では制御パソコンを使用せずに動作するため、制御プログラム開発を行うことなく、本来の業務システム構築に専念できます。また各種設定はWebブラウザを通して行えるため、システム開発や機器設置時に特別な設定ツールを用意することなくスムーズに作業を進められます。

制御PC不要の自律動作

4つの自律モードで多様な運用ニーズに対応

 MRU-F7100JPは、4つの自律モードに対応し、用途に応じたデータ収集・送信を自律的に行います。これにより、RFIDシステムを柔軟に運用し、現場の特性に合わせた効率的なデータ管理が可能です。

連続モード

連続してICタグ検知を実行し、検知したらホスト側にデータを送信します。

トリガモード

センサーやスイッチなどのデジタル入力をトリガにICタグの検知を実行します。必要なタイミングでのみデータを取得します。これは、特定工程でのデータ収集や個別管理が求められる場合に便利です。

イベントモード

連続してICタグの検知を実行し、新規に発見したICタグや、検出できなくなったICタグの情報をホスト側に送信します。あまり変化がない場面で大量のデータをホスト側に送信し続けることがなくなりますので、ホスト側の処理を軽減できます。特定エリア内での資材や作業者の動向を確認するといった用途に使用できます。

PLCモード

検知したICタグのデータをリーダライタからPLC内のメモリーに書き込みを行います。読み取りの指示はトリガモードのようなデジタル入力で行うか、PLC内の特定データレジスタの変化をトリガにして行うことができます。生産ライン等でのPLCを活用されている現場で活躍するモードです。

DIO入出力機能による外部機器との連携

MRU-F7100JPには、各4ポートのDIO(デジタル入出力)機能が搭載されており、外部機器と連動して業務効率や安全性を高めることが可能です。

表示灯やブザーとの連携

特定タグの検知に合わせて表示灯やブザーを作動させることで、異常や工程進捗を即座に通知します。これにより、現場の状況把握が容易になり、作業ミスやトラブルの防止につながります。

ドアやセキュリティゲートとの連携

人や車両のICタグの読み取りに基づき、セキュリティゲート開閉などの特定エリアのアクセス制御が可能です。HF帯のICカードより、読み取り距離を伸ばせますので広い範囲での検知が可能です。

現場ニーズに応じた多種多様なアンテナに対応

MRU-F7100JPは、日本国内で無線機器を安全かつ合法的に使用するために必要な工事設計認証(技適)を取得しています。これにより、電波法に基づいた安全な運用が可能です。多種多様なアンテナに対応しており、現場のニーズや既存インフラに合わせた柔軟なシステム構築をサポートします。

多種多様なアンテナに対応

 さらに、当社製のトンネル型やゲート型アンテナシステムもご用意しており、次のような利点を提供します。

大量商品の一括検品

トンネル型アンテナ

トンネル型アンテナと連携することで、大量の出荷品を一度に読み取り、一括検品が可能です。出荷業務の効率化と正確性向上に貢献します。

入退場や在庫の効率的な管理

ゲート型アンテナ

ゲート型アンテナを活用すれば、倉庫や工場の入退場ゲートに設置して在庫や作業者の動向を自動で管理できます。タグを装着した資材やパレットがゲートを通過する際に情報を即時取得できるため、在庫状況や入退場記録が自動的に更新され、管理の負担が軽減されます。

データ送信の柔軟性:各送信先に応じたプロトコル対応

 インターフェースは、有線/無線LAN接続(Socket通信、HTTP/HTTPS通信)、シリアル接続(RS-232C)を備え、様々な現場をサポートします。収集したデータの送信先を、管理パソコン、クラウド上のサーバー、PLCといった用途に応じて柔軟に設定可能です。これにより、現場で必要とされる遠隔監視やリアルタイム制御など、多様な運用形態に適応します。

クラウドでの集中管理

ルーターを越えて、クラウドサーバにデータを送信することで、異なる拠点からもリアルタイムでデータを管理できます。複数拠点での人やモノの動きや進捗管理が容易になります。

PLC連携による生産ラインへの組み込み

PLCへのデータ書き込みにより、製造ラインや工程ごとの管理がシームレスに行えます。生産システムへのビルトインを可能にし、作業効率が向上します。

RS232C接続での機器組込

各種装置への組み込み時に多いRS232Cニーズにも対応しています。

活用ソリューションパッケージ

MRU-F7100JPを活用してRFID所在/通過管理システムのスモールスタートを実現する「RunPoint」をご用意しています。

RFID所在/通過管理スタートアップシステムRun Point

RFID所在/通過管理スタートアップシステム『Run Point』

UHF帯RFIDリーダーが監視します。
管理対象を検知した最新の場所/工程をマップ表示で確認。

おわりに

今号ではMRU-F7100JPの機能と利点をご紹介しました。次号では、MRU-F7100JPを用いた様々なソリューション事例を紹介いたします。

固定式リーダライタ MRU-F7100JP
UHF帯RFIDリーダライタ

固定式、ハンディ、ゲート型、トンネル型など各種取り揃え

HF帯RFIDリーダライタ

卓上タイプ、タッチパネル端末など各種取り揃え

パッケージシステム

RFIDシステムのスモールスタートをサポート

ICタグ・ICカード

金属対応タグ、リネンタグ、耐熱タグなど各種取り揃え


RFID所在/通過管理スタートアップ
RFID持ち出し管理スタートアップ
RFID通過方向検知装置

製造業DX推進カタログ

RFID/バーコード/画像処理で工場内の状況を可視化

RFID/バーコード/画像処理で、工場内でのモノと人の動きをリアルタイムでデータ化し、製造業DXを加速させる機器・システムを工程毎に紹介しております。是非ダウンロードしてご覧ください。

  • 画像処理で目視による検査判別を自動化
  • ICカードタッチパネル端末で実績登録
  • 制御PC不要で動作するRFIDリーダライタ
  • 誤投入防止と生産実績収集
  • UHFフォークで荷物とロケーション情報の登録を自動化 
  • トラック入退場管理   
  • RFID一括入荷検品
  • Android端末でモバイル検品
  • バーコードが無い荷物をOCRで検品&バーコードラベルを発行して個体管理 …他 掲載