『電波帯移行で揺れる、UHF帯RFIDの最新動向』 (前編)

VOL.079 flags 2011年12月号

国内でスマートフォンを代表とした携帯端末の急速な普及と、利用者の通信量の増加に伴って従来RFIDが使用していた電波帯を譲り渡さなければならなくなりました。 今号ではこうした電波帯移行に伴う事態の背景とUHF帯RFIDへの影響を中心にお知らせします。

周波数再編アクションプラン

周波数再編のイメージ

UHF帯RFIDが利用している現在の電波帯域から新たな帯域へ移動させようという総務省の目論みに対して、「何で携帯電話関連に明け渡さなければならないのか?」、「移行の詳しい内容は?」、「移行によってどんな影響があるのか?」、「移行期間は?」など、ようやくUHF帯RFIDが市場に認められその利用を検討していた様々な企業が移行に当たっての正確な情報不足を理由に新規採用を見合わせている状況になっています。
この電波帯移行は、総務省が平成15年以降の「電波政策ビジョン」と「電波開放戦略」の施策をベースとした有限希少な電波資源の有効利用の促進を目的とする「周波数再編アクションプラン」という方針が背景にあります。昨今の電波利用の需要拡大に対抗しながら世界最先端のワイヤレスブロードバンド環境構築の実現で経済の活性化を図ることを目指しているというコンセプトです。
今年の7月24日から東北地方の3県を除く全国で地上テレビ放送が完全デジタル化に移行したことに加え800MHz帯の携帯無線通信の周波数再編が織り込まれ、その結果700/900MHz帯に空き周波数が生じる予定とのことです。
そこで携帯電話用周波数確保の在り方等についての検討が行われ「3.9世代移動通信システムの普及等に向けた制度整備」と銘打って現在関係業界からの意見が集められることになっています。

迫られるUHF帯RFIDの 電波帯移行

携帯電話の世帯別普及率をみると、平成23年3月末時点で単身世帯と外国人世帯を除く一般世帯で92.9%という数字が内閣府「消費者動向調査」に掲載されています。また年間のインターネット利用での世帯利用率は2010年の末で93.8%に達しているとされています。

UHF帯RFIDの普及

UHF帯RFIDの魅力はなんと言っても“長距離からデータが読める。”、“非接触で複数の対象物を一括で読み取れる。”のが一番の特徴です。最近では金属に弱いRFIDも、加工技術により金属対応タグで解決できており、運用に合せて衝撃対応、耐熱対応、クリーニング対応など様々な現場で利用できるRFIDタグが選択できる環境が整ってきています。
採用するに当たり一番躊躇されたのが導入コストの不透明さと割高感でしたが、UHF帯RFIDの普及に伴い、導入効果に対して十分採算取れる価格となってきております。さらに、UHF帯RFIDは早くから国際標準規格「EPCglobal」が制定され、利用者が一定の基準を認識して機器やタグを選定できる環境が整っていたのと、世界中でUHF帯RFIDを利用した様々なソリューションが展開されております。
国内でも大手アパレル業界やパレット管理などを中心にUHF帯の利用が広がっております。
そこで発想の転換から生まれたのが、貼って剥すための台紙ラベル「貼っ取り君(はっとりくん)」です。貼っ取り君は物流用のコンテナやパレットのラベル貼り位置に予め貼っ取り君を貼り付けて置き、貼っ取り君の上に貼られたラベルは、 ラベル本来の粘着性を保ちながら、ラベルが不要になったときは簡単に手でキレイに剥すことができる画期的なアイデア商品なのです。
当社のiPhone/Android端末対応 UHF帯RFIDハンディリーダライタ RFD8500は、iPhoneやAndroidスマートフォンとBluetoothで簡単接続。 携帯電話網でのリアルタイム通信可能なモバイルRFIDハンディターミナルとして活躍します。
加えてRFIDタグのみならずバーコード、2次元コードも読める機能があるため現場の様々な要求にお応えできる製品です。無線通信、RFID、バーコード等々についてのご質問・ご不明な点は、当社営業担当までお気軽にお問い合わせください。

固定式リーダライタ MRU-F7100JP
UHF帯RFIDリーダライタ

固定式、ハンディ、ゲート型、トンネル型など各種取り揃え

HF帯RFIDリーダライタ

卓上タイプ、タッチパネル端末など各種取り揃え

パッケージシステム

RFIDシステムのスモールスタートをサポート

ICタグ・ICカード

金属対応タグ、リネンタグ、耐熱タグなど各種取り揃え


RFID所在/通過管理スタートアップ
RFID持ち出し管理スタートアップ
RFID通過方向検知装置