『電波帯移行で揺れる、UHF帯RFIDの動向』 (後編)

VOL.079 2011年12月号

前号ではスマートフォンなどの急速な普及と通信量の増加に伴いUHF帯RFIDが使用していた電波帯の再編についてお知らせしました。 今号ではこうした電波帯移行に伴う環境の中でも広がるUHF帯RFIDの導入事例を紹介します。

電波再編に伴う影響

携帯端末の普及に伴い電波帯領域の移動を迫られているUHF帯RFIDは、その移動よって受ける影響が採用企業の懸念事項となっていることを先月号で取り上げました。
電波帯移行で、現在利用しているリーダ/ライタでは、残念ながら新UHF帯用のRFタグを読み書きすることはできない、既存の使用しているRFタグについては、新旧両方のリーダ/ライタで読み書きは可能だが新タイプのリーダ/ライタでは電波の特性などで性能が落ち実運用で問題ないか新たな確認期間が必要など、買替や改造対応などの新たな費用負担と実運用までの時間が必要となることで影響があるとされています。
しかし、実質来年から移行するとしても再編完了の期間は4年8ヶ月後という猶予が設けられているし、新UHF帯に移行する為の費用は総務省から助成金が出る予定となっていますので、導入を躊躇う必要はないと言えるでしょう。そこでUHF帯RFIDの魅力についてお知らせいたします。

迫られるUHF帯RFID の電波帯移行

RFIDには、タグとリーダとの間を電磁界や電波を利用して無線通信による情報のやり取りをする技術のことを表します。

乗車カードで有名なSuica、PASMOや電子マネーのEdyやiD、その他の認証目的に利用される非接触ICカード全般もFeliCaに代表される同様の技術を用いることから広義のRFIDといわれています。無線通信技術のRFIDは、電波の伝達方式の違いで次の2つに分類することができます。

1.電磁誘導方式

タグのコイルとリーダのアンテナコイルを磁束結合させて、エネルギー・信号に伝達する方式で、電波方式に比べてエネルギーを効率的に伝達できるものです。日本ではFeliCa方式が有名ですが、通信可能距離は一番安価なパッシブタグという電池を内蔵する必要がないタグでは、一般的に10数センチとなります。

2.電波方式

タグのアンテナとリーダのアンテナを電波で結びエネルギー・信号を伝達する方式を言い、前述の電磁誘導方式に比べてより遠い距離間での通信を可能にしたものです。電池を内蔵したアクティブタグで出力電波に十分な許容があれば数キロ程度の通信も可能です。そのため将来的な用途はかなり広範囲に渡りその活用の期待が高まっています。この電波方式の中でも900MHz帯のUHF電波は、波長の特性で、多少の障害物を避けて通信することが可能です。

運用用途に合せての加工技術

UHF帯ICタグ

パッシブタグでも2~3m程度の通信距離が保持できて最良になれば5m程度も期待できます。一般的にUHF帯ICタグの「ICチップ」と「無線アンテナ」の裸の状態をインレットと呼びます。インレットを運用用途に合せてラベルシール、プラスティックカードなどに組み込み加工されて使用されており、特殊な運用で利用される場合でも様々な進化した加工技術で対応できるようになっています。

UHF帯RFIDの普及

UHF帯RFIDの魅力はなんと言っても“長距離からデータが読める。”、“非接触で複数の対象物を一括で読み取れる。”のが一番の特徴です。 
最近では金属に弱いRFIDも、加工技術により金属対応タグで解決できており、運用に合せて衝撃対応、耐熱対応、クリーニング対応など様々な現場で利用できるRFIDタグが選択できる環境が整ってきています。
採用するに当たり一番躊躇されたのが導入コストの不透明さと割高感でしたが、UHF帯RFIDの普及に伴い、導入効果に対して十分採算取れる価格となってきております。
さらに、UHF帯RFIDは早くから国際標準規格「EPCglobal」が制定され、利用者が一定の基準を認識して機器やタグを選定できる環境が整っていたのと、世界中でUHF帯RFIDを利用した様々なソリューションが展開されております。
国内でも大手アパレル業界やパレット管理などを中心にUHF帯の利用が広がっております。(上記:UHF帯RFIDの導入事例参照)
zebra社のUHF帯RFID対応ハンディ(RFD-8500)は、RFIDタグのみならずバーコード、2次元コードも読める機能があるため現場の様々な要求にお応えできる製品です。
無線通信、RFID、バーコード等々についてのご質問・ご不明な点は、当社営業担当までお気軽にお問い合わせください。
フラッグス70号にもUHF情報が掲載してありますのでご参照ください。

当社UHF帯RFID製品・ソリューションのご案内

UHF帯RFIDの主な導入事例

【国内】
日本レンタルパレット パレット管理
アサヒビール 生ビール用ガスボンベ管理
東洋合成工業 トラック入退場管理
三菱電機 数千に及ぶ計測器の管理(貸出・返却・棚卸)
JR貨物 構内のコンテナ位置把握システム
元気寿司 50分以上回っている皿の自動廃棄システム
富里市立図書館 貸出・返却や棚卸作業の省力化/盗難防止
夢展望 通販業務の効率化
フランドル 在庫管理など物流業務の効率化
阪急百貨店 婦人靴売場で在庫管理
丸井 商品情報提供やコーディネート提案で活用
青山商事 靴の在庫検索、商品情報/物流倉庫の自動化
【海外】
ラスベガス空港 旅客から預かる手荷物をICタグで追跡
ウォルマート 在庫検索及び欠品補充のスピード化による機会損失の回避
Macy’s 品切れにともなう機会損失防止
メトロ 輸送用パレットや梱包商品を管理
テスコ 盗難防止
American Apparel 店舗管理システム/盗難防止