RFIDリーダー価格 完全ガイド|種類別の相場と失敗しない選び方

RFIDリーダー価格 完全ガイド|種類別の相場と失敗しない選び方

日本の製造・物流業界は、人口減少と高齢化による人手不足、コスト高騰、サプライチェーンの複雑化など、かつてなく厳しい課題に直面しています。古い商習慣に伴うムリ・ムダ・ムラを解消し、デジタル技術を活用して効率化を進めることが急務になっています。

こうした背景の中で、現場にある「モノ」の動きをリアルタイムに可視化し、作業を自動化できる技術として RFID(Radio Frequency Identification が注目されています。RFID導入は、現場DXの一歩目として効果が見えやすく、現場と経営の両方にメリットをもたらす手段です。

RFIDシステムの導入費用を検討するとき、真っ先に目が行きがちなのは「タグの単価」です。しかし実際には、タグと対になる RFIDリーダー(リーダライタ) の価格が全体コストに与える影響も小さくありません。リーダーは台数が限られる一方で1台あたりの価格が高く、選び方次第で総額が大きく変わります。

本記事では、とくに在庫・工程・入出庫管理などで広く利用されている UHF帯RFIDリーダーに焦点をあてつつ、RFIDリーダーの種類別の価格相場と用途別の選び方を中心に、導入検討時に押さえておきたいポイントを整理します。また、リーダー価格だけでは見えにくいソフトウェア・工事・教育などの関連コストにも触れ、RFIDリーダー導入にかかる費用の全体像をイメージできるようにしています。

HF帯など他の周波数帯を利用したリーダーについては、用途や価格帯が異なる部分もあるため、個別にご相談いただくか、今後の関連記事で順次取り上げていきます。

◎費用を見積もる前に、RFID導入の進め方とPoCの勘所を確認したい方はこちら

RFID導入に必要な費用項目や価格相場、ROIの考え方を詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

RFID リーダーの役割と基本タイプ

RFID リーダーは、RFID タグに電波を送信し、その応答からタグに記録された情報を読み取る装置です。RFID システムにおいては、タグとセットで 「モノのIDを取得する入口」 となる重要な役割を担っています。 用途や設置方法によって、代表的には次のようなタイプがあります。

タイプごとに価格レンジや得意な用途が異なるため、まずは全体像を整理してから、自社の用途に適したリーダーを絞り込んでいくことが重要です。

RFIDリーダーの種類別価格相場

まずは、代表的なRFIDリーダーの種類と価格レンジをざっくり把握しておきましょう。ここではUHF帯を中心とした一般的な目安感です。

種類別・価格レンジの早見表

以下、それぞれの特徴と価格感をもう少し詳しく見ていきます。

ハンディ型リーダーの価格相場と特徴

ハンディ型リーダーは、作業者が手に持って使う携帯タイプのRFIDリーダーです。バーコードハンディターミナル本体にRFIDリーダー部(アンテナやグリップ)が一体になったタイプと、リーダー単体で既存端末と組み合わせて使うタイプがあり、多くのモデルはバーコード読取機能も備えています。倉庫や店舗内を移動しながら検品や棚卸を行う用途で広く利用されており、RFID導入の入口として選ばれることが多いリーダーです。

価格レンジ:おおよそ数万円〜30万円程度が一般的な目安

Android/Windows対応 UHF帯RFID高出力ハンディスキャナSP2
Android対応UHF帯RFID高出力ハンディスキャナ RFD40シリーズ
ロングレンジ UHF帯RFID ハンディターミナル MC3390xR
UHF帯 RFIDハンドリーダー UF-3000
ポケットサイズ Bluetooth対応 UHF帯 RFIDハンドリーダー AT388
ポケットサイズ Bluetooth UHF帯 RFIDハンドリーダー RP902
  • 低出力・小型タイプであれば数万円のモデルも存在します。
  • 一方で、防塵防水・耐衝撃に優れた業務用機や、Wi-Fi/Bluetooth/4Gなど複数の通信方式に対応した高機能モデル、バーコード兼用モデルなどは30万円前後が主流です。

一般的な現場では、作業者が手に持って操作できるため、単品を狙った読み取りはもちろん、読み取りにくい対象物や狭い場所など、さまざまな読み取りシーンに柔軟に対応できます。現場運用に欠かせない必須のアイテムです。

据え置き・卓上型リーダーの価格相場と特徴

据え置き卓上型リーダーは、デスクや生産ライン、検査台の上などに固定して使用します。商品をリーダーの上や近くにかざして読み取る方式です。

価格レンジ:ハンディ型と同程度で、数万円〜30万円前後が目安特徴

  • AC電源給電のため出力が安定しており、読み取り精度を高めやすい
  • 図書館の貸出・返却カウンター、小売店舗のバックヤード、レジ、部品の出庫台などでよく使われる

決まった場所にモノが通る業務(貸出カウンター、出荷検査台など)では、据え置き型リーダーを設置し、作業者が両手で対象物をかざして読み取らせたり、ライン上に据え付けて対象を流しながら自動で読み取らせたりといった使い方ができます。

ゲート型リーダーの価格相場と特徴

ゲート型リーダーの価格相場と特徴

ゲート型リーダーは、倉庫の出入口や工場ラインの途中に「門」のように設置し、その下を通過するだけで複数のタグを一括読み取るタイプです。内部には複数のアンテナを内蔵し、高出力で広範囲の読み取りを行います。

価格レンジ:1ゲートあたり数百万円規模が一般的なイメージ

特徴

  • 入出庫や通過検品を完全自動化できる
  • 物量の多い物流センターや、店舗の防犯ゲート兼用RFIDリーダーなどで活用されている

初期投資は高めですが、入出庫検品の完全自動化による省力化効果が極めて大きいため、物量や人件費単価によってはROIが十分に見合うケースがほとんどです。

車両搭載型・その他特殊リーダーの価格相場と特徴

車両搭載型・その他特殊リーダー

フォークリフトや台車に後付けする車両搭載型リーダーなど、特殊用途向けのリーダーも増えています。

価格レンジ:構成やカスタマイズ量によって変動しますが、数十万円〜が一つの目安

特徴

  • ほとんどが個別案件対応で、専用開発やカスタマイズを伴う
    (フォークリフトについてはソリューションパッケージ「UHFフォークシステム」がございます)
  • 目的によっては「固定ゲートを多数設置する代わりに、車両搭載型でカバーする」といったコスト最適化にもつながる

この領域は、RFID機器メーカーやSIerに相談しながら、「固定型+車両搭載」「ハンディ+ゲート」など組み合わせで検討することが多くなります。

同じタイプでも仕様で価格差が生まれる

なお、同じハンディ型や固定型でも、対応周波数やアンテナ数、防塵防水などの仕様によって価格は大きく変わります。細かな要素まですべて盛り込むのではなく、自社の使用環境に本当に必要な機能に絞って選ぶことが、リーダー価格を最適化するポイントです。

用途別に見るRFIDリーダーの選び方

ここからは、代表的な用途ごとにどのタイプのリーダーが向いているかを整理します。

棚卸・在庫確認が中心の用途

棚卸・在庫確認が中心の用途

倉庫や店舗、部品庫などで棚卸や在庫確認を効率化したい場合は、ハンディ型リーダーが第一候補になります。

  • 棚を歩きながら一括読み取りできるため、従来のバーコード棚卸と比べて大幅な時間短縮が可能
  • 既存の棚やレイアウトを大きく変えずに導入できる
  • 初期投資が比較的コンパクトで、トライアル導入もしやすい

一方、特定の棚やエリアを通過するだけで自動的に在庫確認をしたい場合には、固定型リーダー+アンテナを設置する構成も検討の余地があります。

入出庫・通過検品を自動化したい用途

入出庫・通過検品を自動化したい用途

物流センターや工場の入出庫検品、通過検査を自動化したい場合は、ゲート型リーダートンネル型リーダーが有力な選択肢です。

  • パレットやカゴ車を通過させるだけで箱・ケース単位の一括読み取りが可能
  • 入出庫作業の省人化・スピードアップに直結する
  • 誤出荷・誤発送の防止にも効果的

ゲート型は1ゲートあたりの投資額が大きいため、物量・人件費・ミスの削減効果などを踏まえてROIを試算したうえで導入するのが望ましいでしょう。

工具・治具・パレットなどの所在管理

工具・治具・パレットなどの所在管理

工場内や工事現場などで、工具・生産治具・カゴ車・パレットの所在管理を行う場合には、ハンディ型+固定型の組み合わせ車両搭載型リーダーが有効です。

  • 定期棚卸やスポット確認はハンディ型で実施
  • 工程間や出入口には固定リーダーを設置して、自動的に通過履歴を取得
  • フォークリフトによる搬送が多い現場では、フォークリフトにリーダーを搭載することで、移動と読み取りを同時に行う構成も可能

固定ゲートを多数設置するより、車両搭載型でカバーした方が初期投資を抑えられるケースもあります。

文書・試薬・危険物などの厳格なトレーサビリティ管理

文書・試薬・危険物などの厳格なトレーサビリティ管理

文書や重要資料、試薬・危険物など、トレーサビリティとセキュリティが重要な対象については、

  • 貸出・返却カウンターや出入口に据え置き型・ゲート型リーダーを配置
  • 日常の棚卸や探索にはハンディ型リーダーを活用

といった組み合わせが効果的です。

リーダー価格「だけ」で見積もらない

ここまで見てきたように、RFIDリーダー本体の価格は数万円〜数百万円と幅がありますが、実際の導入費用のうちリーダーが占めるのはあくまで一部です。現場でRFIDシステムを動かすためには、たとえば次のような費用もあわせて発生します。

  • RFIDタグプリンタなど「タグ側」の費用
  • 在庫管理・資産管理などに使うソフトウェアやクラウドサービスの費用
  • リーダー設置に伴う電源・ネットワーク工事などインフラ整備の費用
  • 業務設計・機器レイアウト設計などの導入設計・構築費用
  • 操作教育や運用トレーニング、保守・サポートといったランニング費用

本記事ではリーダーの価格相場と選び方に焦点を当てていますが、導入予算を検討する際は、こうした周辺コストも含めて 「システム全体でいくらかかるか」 を見ることが重要です。ないコスト」も含めて総費用を把握しておくことが、予算超過を防ぐうえで重要です。

◎RFID導入に必要な費用項目と価格帯を一覧で整理した内容は、別記事RFID導入費用完全ガイド|価格相場とROI早わかり(最新版)で詳しく解説しています。リーダー価格の検討とあわせて、費用全体のイメージをつかみたい方は、ぜひそちらもご覧ください。

RFIDタグの価格相場や選び方についてはこちらの記事をご覧ください。

MTSが提供するRFIDリーダー&ソリューション

MTSが提供するRFIDリーダー&ソリューション

マーストーケンソリューション(MTS)は、バーコード黎明期から自動認識技術に取り組んできたメーカーであり、RFIDリーダライタと読み取りソフトウェアを自社開発しています。

といった強みを活かし、現場の制約や効果を踏まえてRFIDリーダーの設置位置と台数を最適化し、バーコードや画像認識など他の自動認識技術も組み合わせた構成をご提案します。

また、RFIDタグ価格システム全体の費用構成についても、シリーズ記事や個別のご相談を通じて情報提供しています。

まとめ:RFIDリーダー価格を正しく理解し、賢く投資する

RFIDリーダーは、RFIDシステムの中核を担う機器であり、その価格は数万円から数百万円まで幅があります。本記事で見てきたように、

  • 種類ごとの価格レンジ(ハンディ・固定・ゲート・特殊型)
  • 価格に影響する要素(周波数帯、アンテナ数、耐環境性能など)
  • 用途別の向き・不向き
  • リーダー本体以外にかかるソフト・工事・教育などの関連コスト

を整理しておくことで、過不足ない投資判断がしやすくなります。

RFIDリーダーの価格だけに目を奪われるのではなく、自社の業務に本当に必要な機能と構成は何かを見極め、段階的導入や既存資産の活用、補助金の利用なども含めて賢く投資していくことが重要です。

MTSでは、RFIDリーダーの選定や構成検討、導入コスト試算について、個別のヒアリングにもとづくご相談にも対応しております。ご希望の際は、お問い合わせフォームからその旨をお知らせください。

RFID導入に必要な費用項目や価格相場、ROIの考え方を詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

RFID導入の進め方とPoCの勘所を確認したい方はこちら


RFID関連リンク

株式会社マーストーケンソリューション(MTS)は、UHF/HF帯RFIDリーダライタやICタグ等の製品提供に加え、要件整理・PoC・設計・システム連携・運用設計まで支援するRFIDメーカー/ソリューションベンダーです。RFID導入のご相談や、製品ラインナップはRFID関連製品・サービス目次をご覧ください。


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