VOL.198 flags 2021年11月号
10月6日(水)~8日(金)に東京ビッグサイトで開催された「第23回自動認識総合展」に今年も出展いたしました。自動認識総合展は国内唯一の自動認識技術&ソリューションの専門展示会で、今年は「未来をつなぐAUTO-ID SDGsとDXに貢献」とのテーマで開催されました。今月号は同展示会の出展レポートをお届けします。
今年の自動認識総合展
今回の自動認識総合展は、緊急事態宣言解除直後の開催となり、会場内ではSDGsへの貢献を通じて「未来をつなぐAUTO-ID」の現在、そしてこれからの活用例を紹介するテーマ展示コーナーも設けられ、多くの来場者の注目を集めていました。
自動認識総合展はもともと省人化・自動化につながる技術が多く出展されていますが、今年は特にAGVやロボット、また従来、人間の注意力頼りであった形状チェックなどを画像認識技術で解決するといったより現場の人間の密を避けるようなテクノロジーが多く出展されていて、Withコロナ時代を感じました。
今年のMTSブース

今回の当社ブースでは、『わかる。みわける。ビジネスの現場にマースのちから。』とのテーマを掲げ、各種最新自動認識技術製品の展示を行いました。以下、各展示内容をご紹介します。
UHF帯RFID
当社ブースで最も注目を集めたのは、株式会社ギークプラス社製AGVによる棚搬送とUHFゲート一括読取りを組み合わせたデモンストレーションでした。AGVが運ぶ棚にはそれぞれICタグを貼付した96個の箱が積まれており、倉庫や工場内での自動搬送時にゲートで読み取りを行うシーンを想定しました。ギークプラス社のAGVは通過する際にゲート内で一旦停止して、くるりと棚を360度回転させることができ、高い読み取り率が求められる倉庫業界でより確実な読み取りも可能となることをアピールしました。

当社ゲートの大きな特長として、ゲート近辺の不要なタグを読み取らない遮蔽性能の高さがあります。デモでは、ゲートに入るギリギリ手前でAGVが一時停止するように設定し、ゲート外のタグを読み取らないこともご覧いただきました。AGVが大きな棚を持ち上げたり、回転させたりしながら自動で走行する様子は目を引くこともあり、AGVに興味を持たれるお客様も多かったです。
DPM対応コードスキャナ製品

バーコード関連製品では、用途に応じてそれぞれ異なる特長を備えた各種DPM対応コードリーダの製品ラインナップを紹介しました。
DPM(ダイレクトパーツマーキング)はワークの素材や角度、距離によって細やかな調整が必要となり、確実に読み取るための設定がかなり面倒であることが、多くの現場での負担となっています。当社製品は、どなたでも迷わずに適切な設定ができるように様々なサポート機能の開発に力を入れています。

まず、今回の展示会でお披露目となる開発中の新製品として、バリフォーカルシステムを採用しオートフォーカス、3倍ズームを搭載した固定式コードスキャナを出品しました。本製品は、機械式フォーカス・ズーム機能により、様々な距離と倍率で読み取りが可能となります。デモでは、異なる距離の極小DPMシンボルを同じ画角(同じサイズ)で読み取ったり、角度のある取り付け時でも「台形補正機能」で正確な読み取りができることや、5MピクセルグローバルシャッタCMOS搭載により、画角内にある5つのコードを一度に読み取るなどの性能をご紹介しました。

その他、移動するコードの読み取りに強い固定式コードスキャナ「MCR-F180」シリーズからミドルレンジに対応した新モデルや、DPM読み取りに強いハンディスキャナ「MCR-H700/710シリーズ」を紹介しました。
スマートフォンでOCR

業務用のスマートフォン活用が広がりを見せております。当社では、スマートフォンを用いたバーコードとOCR(文字読み取り)ソリューションをご紹介しました。
スマホでOCRもバーコードも高速認識できるソリューションですので、例えばバーコードが付いていない文字印字しかない対象物もポカヨケや検品などだれでも間違えずに行えるシステム構築が可能になります。
もともと高いバーコード読取能力を提供できるソリューションでしたが、文字が認識できることでさらに活用の幅が広がり、現場活用の可能性を感じていただいたお客様が多数いらっしゃいました。
医療・医薬業界向けGS1印字検証
薬機法改正に伴うGS1コード表示義務に関わる機器の提案として、バーコードの品質検査を行うための検証器の展示をいたしました。今回、近日発売予定の医療機器/体外診断用医薬品向けコードチェッカー「GS1 Checker for MD」を参考出品しました。これによってGS1-128、GS1 Data-Matrix印字データフォーマットのチェックがどなたでも簡単に行えます。
企業の感染予防対策

今年2月に予定されていた自動認識総合展は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止となりましたが、今回は緊急事態宣言も明け、感染者数も大きく減少した状況での開催となりました。
会場では引き続き徹底した感染予防対策が実施され、入場時の検温や、手指の消毒、会場の換気などが実施されていました。
企業内でも同様に感染予防対策の徹底の継続は求められており、複数の事業所をまたいだ従業員の検温状況の管理など、手間のかかる部分を効率化できるパッケージ製品「らくちん検温」にも多数のお客様からご興味をいただくことができました。
おわりに
コロナ禍でありがなら当社ブースにご来場頂きました皆様にはこの場を借りて御礼申し上げます。説明が足りないと感じられているお客様や、また、残念ながら展示会にご来場頂けなかった皆様には、お電話や訪問させていただいての説明はもちろん、オンラインでのご相談・お打ち合わせや、皆様の会社でのプライベート展示会のご相談も承っておりますので、いつでもお気軽に、当社営業担当までお申し付けください。

固定式、ハンディ、ゲート型、トンネル型など各種取り揃え

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