VOL.093 flags 2013年2月号
昨年7月に総務省の指導で施行されたUHF帯RFIDの利用周波数帯が変更されてからようやく市場の落ち着きも感じられる様になりました。新周波数帯対応のリーダライタやRFIDタグも整い始め、今後の活用場面の広がりが増々期待されてきています。 今号では実際の活用ソリューションを交えてUHF帯RFIDの魅力をご紹介いたします。
UHF帯RFIDの特長

総務省による周波数再編計画によりUHF帯RFIDの利用周波数帯が950MHzから920MHzに変更となってから半年が経過しました。
当初採用を見送っていた多くのユーザも、出揃い始めた新周波数対応のシステム導入に活発な関心を寄せてきています。
UHF帯RFIDの魅力はなんと言っても『遠く離れていたり、複数の対象物であっても、非接触で一括データの読み取り可能』が一番の特長です。
現在では金属製品に対しても十分運用可能な金属対応タグや、作業環境に合わせて“衝撃”、“耐熱”、“耐薬”、“クリーニング(洗浄)”など様々な現場で利用可能なRFIDタグが選択できる環境が整い、その魅力をさらに大きく引き出しています。
UHF帯RFIDは「EPCglobal」のデータフォーマットとして早くから規格化された電子商品コードで、全世界共通利用ができるため、流通業界(国内ではアパレル業界)を中心に製品特長を活かした利用が広く浸透してきています。
活用事例ソリューションの紹介
今号の活用事例として、≪UHF帯金属タグを活用した「リターナブル容器管理」≫をご紹介します。
導入前の課題

リターナブル容器管理とは、専用容器を市場に出して回収し再利用をすることを繰返して行う業務で、無事に容器の回収ができて初めて作業のプロセスが成り立ちます。しかし、現実は、まともに回収や運用ができない状況が多く、企業運営の足かせにもなる問題にもなっています。
容器の滞留や紛失という問題の原因を探ると、早期に次の課題解決が必要でした。
課題1:容器の個体管理の不備
現時点で、どれが、どこに、何個貸し出されているのかという個体管理・所在管理が出来ておらずそのまま紛失となる事態や、また、使用限度を満たしていない容器の廃棄や本来廃棄するべき容器を再利用してしまうなどのミスが起こりました。
課題2:作業者任せの運用
前述ミスの原因がほとんどヒューマンエラーに起因していました。作業者任せで容器の数え間違いや出荷時のチェック漏れ、貸出容器の収集漏れ等個体ID管理の不備や容器自体の使用限度も人の勘に頼る状況で作業記録が必ずしも正確ではありませんでした。
問題解決のシステム概要

リターナブル容器それぞれに個体IDを入れたUHF帯タグを貼付し、出荷/返却時、製造の各工程でUHF帯リーダにて読み取って容器の状態をリアルタイムに管理するシステムの導入で前述の問題は改善されました。
容器の使用状態は現場だけでなく、本社はもとより各拠点のPCからも確認が可能です。
<導入機器>
・高出力UHF帯ハンディターミナル
・金属対応UHF帯タグ
特長1:容器の一括読み取り
出荷・返却の際に高出力のUHF帯ハンディターミナルにて、容器を一括で読み取れるので、出荷・返却の作業負担が短縮します。
棚卸し作業をイメージしてみてください。劇的に作業効率が短縮されることは容易に想像が付くと思います。
もちろん、現品のUHF帯タグを読み取って出荷・返却の実績データとしているので、在庫精度も向上します。
特長2:容器のステータス管理
容器の個体IDで管理することにより、その容器がどのような状態なのか(洗浄済・充填済・在庫/出荷済等)がPCにて一目で確認可能。
また、容器の回転率も明確となり、滞留期間の実態把握や、適正時期でのメンテ・廃棄の管理が可能です。
特長3:受渡書・受領書の発行
出荷時には、客先に渡す受渡書に“容器の個体ID”も記載されるので、後に客先に対して容器返却請求の証明として使用する事が可能。
毎年、紛失による補充購入の費用負担が大きく減少しました。
応用可能な業務

「カゴ車管理」「コンテナ管理」「パレット管理」「資産管理」など、リターナブル容器と同じような課題を抱えている業務に広く応用が可能です。
「所在管理を明確にしたい。」「棚卸を効率化したい。」「在庫精度を上げたい。」など、お客様の課題は何でもお気軽に当社までご相談ください。

固定式、ハンディ、ゲート型、トンネル型など各種取り揃え

卓上タイプ、タッチパネル端末など各種取り揃え

RFIDシステムのスモールスタートをサポート

金属対応タグ、リネンタグ、耐熱タグなど各種取り揃え