VOL.108 flags 2014年5月号
先月号は、製造/物流現場の自動制御では欠かせない装置であるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の誕生の必要性と現場からの新たな要望をお知らせいたしました。
今月号は、当社が発売した通信プログラム不要の簡単!PLCリンク機能を搭載したバーコードスキャナのご案内を中心にPLCをさらに掘り下げてご紹介いたします。
複雑化するPLC プログラミング
製造現場における自動化システムの構築には、様々な要望の下で過酷な環境に耐え、システムそのものが常に安定稼働するということが必須条件となります。そうした諸条件を乗り越えてPLC が誕生するまでは、製造ラインの制御に使われていた膨大な数のリレーやタイマー、独立したコントローラーなどをほぼ人手による変更作業で繰り返しており、多くの時間と労力を要していました。
昨今、PLC は現場の声により進化して、今や世界中の製造/物流現場で活用され、その利用価値からも複雑にかつ多様的な利用方法の要求が強まってきています。同時に、製造・物流現場自体も日々進歩しており、現場制御の中心となるPLC も必然的に高度な処理や様々なデバイスの制御が要求されています。
単なるリレー回路図の延長線上の進化であればPLC開発者も対応は容易ですが、今まで接続したこともないデバイスとの通信や、デバイスの独自制御をプログラミングするとなると、接続するデバイスの個々のコマンドを調査し、通信するための手続きやプロトコルの調査が必要となりPLC 開発者の負担が一気に増加します。
また、負担はプログラミングだけに留まらず、作成したプログラムの動作検証を実際の現場で確認する時間が必要となり、さらに負担を大きくしています。
例えば、当社が販売するバーコードリーダ製品でさえも、現場のプログラマにとっては未知のデバイスであり、接続するために開発の時間と費用の負担が増えます。加えて正常作動の障害になる可能性も含まれます。
こうした現場の声に応えるために、当社は、PLCとシームレスな接続を可能にした「PLCリンク」機能を開発し、通信プログラム不要の2次元コードリーダを販売しています。
PLC の特長
PLC の代表的な特長として以下の3点が挙げられます。
その特長のひとつとして豊富な入出力(I/O)機能が挙げられます。自動化システムでは数百、数千のI/Oが制御されており、入力側はリミットスイッチ、センサ、温度計、重量計などに接続され、出力側はモーター、エアシリンダー、油圧シリンダー、開閉弁などへ接続され、機器を駆動させています。
続いての特長は容易な拡張性が挙げられます。大規模な制御をする場合はPLC同士をネットワークでつなぐ事ができ、I/Oを拡張する場合には、パソコンのようにドライバをインストールする必要は無く、玩具ブロックのようなイメージでI/Oモジュールを増設できるので拡張が容易です。
3つ目の特徴はPLCを動かすためのラダープログラムです。
ラダー図(表面図A参照)はPLCのプログラム方式で、リレー回路を記号化したもので梯子のような図形でプログラミングしていきます。
初期のPLCプログラミングは情報処理技術の分野というよりは、どちらかというと電気工事士や電機技術者が使用することを想定して設計されていました。
電機技術者は日々の業務で接している回路図を解き明かすようにPLCのプログラム図面を同様に解読することが可能です。この方法が広く普及したのは現場の装置や設備を安全かつ確実に動作させる事を重視した理由からです。
最近では、BASICやC言語を使ってプログラムすることもありますが、高級言語であまり複雑なプログラムを組むとエラーロジックを内在させる可能性が高くなります。国際標準規格の5種類(FBD・LD・ST・IL・SFC など)のプログラミング言語が普及していますが、ラダー図でのプログラムが一般的に多く使用されています。
通信プログラム不要なバーコードスキャナ
PLC同様に製造・物流現場では必須アイテムとなっているバーコードスキャナですが、バーコードスキャナもパソコン経由ではなくPLCに直に接続して現場を制御することが多くなってきています。
前述のとおり、バーコードスキャナもPLC開発者にとっては未知のデバイスに属し、開発の負担増であり障害の原因にもなっていると言う現場の声がありました。
当社の開発した『PLCリンク』機能をバーコードスキャナに搭載することにより、デバイスの独自の制御や通信プロトコルを意識することなく、バーコードデータが簡単に取り込めPLC開発者の負担軽減が実現できました。
現場制御の対応は大抵納期が短いので、初めて手にするスキャナの取説を睨みながら接続のシーケンスや動作コマンドを理解してプログラミングをするのは非常に大変なうえ、現場のラインで動作確認するチャンスは現実として限られています。
当社が開発したPLCリンク機能は、PLC内のバーコードデータ書込みメモリ番地をスキャナに事前に設定しておくだけで、読込んだバーコードデータを自動的に指定のメモリに書き込みます。
PLCのプログラミングは普段から開発に慣れている、メモリ監視ロジックだけです。
もちろん、データ読み書きのハンドシェイクもPLCメモリのフラグを利用します。
この様に、PLC開発者様がいつも開発しているPLC知識だけで、スキャナのコマンドを知る必要もなく、RS-232CやLAN環境であっても、簡単に複数のデバイス接続が可能になります。
PLCリンク搭載のバーコードスキャナについては、お気軽に当社営業担当までお声掛けください。
通信プログラム不要!! PLCリンク対応 2次元コードリーダ&RFIDリーダー
当社のPLCリンク対応スキャナをご利用いただけば…PLC内のバーコードデータ書込みメモリ番地をスキャナに設定しておくと、読込んだバーコードデータを自動的に指定のメモリに書き込みます。PLCのプログラミングは普段から開発に慣れている、メモリ監視ロジックだけです。もちろん、データ読み書きもPLCメモリを利用してハンドシェイクを行います。
固定式、ハンディ、ゲート型、トンネル型など各種取り揃え
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