Vol.189 flags 2022年2月号
RFIDとは?

ICチップにデータを記憶し、電波や電磁波で読取り機(リーダ)と交信する事で、人や物を識別・管理する無線通信による認証技術です。 RFIDシステムが機能するためにはリーダ、アンテナ、およびICタグが必要となります。タグは、ICタグ、RFタグ、ICカード、非接触ICタグ、RFIDラベル等々、さまざまな呼ばれ方をされていますが、ここでは同じものとして取り扱います。
RFIDの便利な特長
RFIDは電波でICタグと通信するために、従来バーコードなど他の読み取りシステムでは実現できなかった数々の特色があります。
- 非接触でデータの読み出しと書換えが可能(~10メートル)
- タグが見えなくなるような障害物があってもデータの交信が可能
- 複数タグとの同時アクセスが可能
- 汚れやホコリなどの影響を受けにくく、表面印字がカスレていても問題ない
- ICタグの再利用によりランニングコストを軽減

RFIDは、使用する周波数によっていくつか種類がありますが、現在の日本では特にUHF帯(920MHz)、HF帯(13.56MHz)の二つの周波数帯が多く利用されています。
UHF(Ultra High Frequency)帯は離れた距離から一括でICタグを読み取ることができる特長があり、アパレル(衣料品)や医療機器、その他さまざまなものの製造、物流など、「モノ」にICタグをつけて管理する用途に利用されています。
ここ数年、大手衣料品メーカーで商品の管理に使われているのがUHF帯のICタグです。HF(High Frequency)帯では、リーダにかざして読み取るICカードなど、「人」の管理に多く利用されています。交通機関で使われるSuicaやICOCAもHF帯のICカードですし、スマートフォンに搭載されているNFCも、HF帯RFIDの一つです。
RFIDシステムの構成
一般的なシステム構成は図3のようになります。活用にはリーダやICタグだけでなく、制御し、運用するアプリケーションソフトウエアや、データを集約するサーバといったシステム部分も必要になります。 ICタグとリーダに注目してみてみましょう。ICタグからのデータを読取処理は次のような流れで行われています。
1.RFIDリーダから電波を照射
2.RFIDタグは、受信した電波によってICチップを起動させ、ICチップ内のデータを読出し、再びRFIDリーダー(アンテナ)に対して電波を送信。
3.RFIDリーダのアンテナがICチップのデータを含んだ電波を受信し、ICチップのデータを認識。
また、システムとしてはICタグにどういったフォーマットで、どんな内容をICタグに書き込みして活用するかということが需要なポイントです。ICチップのメモリ量や特性を踏まえて決定する必要があります。

RFIDシステム導入の流れ
RFIDシステムを導入するために必要なポイントを順を追ってご紹介いたします。まず、RFIDシステムの導入が本当に必要かどうかを検証しましょう。全てのシステムにRFIDが適しているわけではありません。場合によっては、業務フローの変更や、バーコードが解決策になるかもしれません。ここでは、現場環境に応じた動作検証が最も重要となるUHF帯でのチェックポイントに重点を置いてご紹介いたします。
まずは【事前検討】です。

■事前検討
1.現状の業務分析(現場課題の把握)
最初のステップとして、現状の業務で解決するべき課題を整理します。
課題の根本となる部分と、関連している範囲を見極め、RFID導入の目的を明確にしていきます。
例1)量が多くてバーコードで入荷出荷検品では手間がかかってしょうがない。ミスが発生している。
例2)工場内で仕掛品がどれがどこまでいっているかわからない。進捗やムラの把握をしたい。
2.現場課題を定量的に把握する
次に、現在の課題とそれによるコストを算出し、解決によって得られる費用対効果を検討します。
3.RFID機器選定・動作検証
RFIDシステムの稼働には様々な環境要因が影響し、それは全ての現場で異なります。現場の環境を確認し、個別のテストを通じて適切な機器、ICタグの選定を行います。
選定ポイントの確認を行った上で、実運用と同じ環境での検証を行い、採用するICタグ、RFID機器が想定する役割を果たすことを確認します。
おわりに
次回は機器選定や動作検証についてご説明いたします。機器選定時に必要なテスト・事前検証など当社では豊富な経験をもとにお手伝いさせていただきます。RFIDは便利なツールではありますが、どんな問題でも解決できる万能な道具ではありません。多くの場合はバーコードシステムと補完しあってうまく動作します。 当社は40年以上バーコード、RFIDといった自動認識技術で皆様の業務のお手伝いをさせていただいております。タグやアンテナ選定など不安なことも多いかと思いますが、是非、当社の担当営業までお気軽にお問合せください。

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