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『はじめてのRFID導入(3)』

Vol.191

春になり、緊急事態宣言も解除されました。コロナ禍も1年以上続いておりますが、新年度で新規一転、新しいことにチャレンジしてはいかがかと思います。今月もRFIDの導入について解説いたします。

RFIDシステム導入の流れ

先月号まではRFID導入の必要なポイントである【事前検討】のうち、以下の事項を解説しました。
1.現状の業務分析(現場課題の把握)
2.現場課題を定量的に把握する
3.RFID機器選定・動作検証
 ①現場環境の確認チェックポイント
 ②ICタグ・カードの選定チェックポイント

今号は、これまでの続きで、
4.機器構成(リーダライタ・アンテナ)チェックポイント
5.運用チェックポイント

を解説します。

機器構成

表1.機器構成(リーダライタ・アンテナ)チェックポイント
リーダライタ各種

【1】リーダライタの種類(固定式、モバイルハンディ、アンテナ一体型など)
【2】価格
【3】リーダライタの耐環境性能(温度、湿度、衝撃など)
【4】リーダライタの送信出力 / 外部装置との連携の有無
【5】同時に動作させるリーダライタの台数
【6】アンテナ台数・利得・種別(円偏波/直線偏波)
【7】アンテナの高さ・向き、ゲート間距離
【8】アンテナケーブル長

表1に機器構成(リーダライタ・アンテナ)チェックポイントを示します。当社がリーダライタを販売しておりますので機器についてが一番お問い合わせをいただくところです。
 「1」の種類ですが、大きく分けてRFIDのリーダライタはバッテリを持ち運びできるハンディタイプと、据えて使用する固定式があります。固定式は使用形態によってゲートやトンネル、卓上といった形に分けられます。ハンディタイプは作業者が手で持って動かしますので、読取に関しては一番融通無碍に行うことができますが、人手なしでの自動化を求めるニーズにはマッチしません。
「3」の環境性能ですが、寒冷地の屋外で使用したい、冷凍倉庫で使いたいという声をいただきます。低温に関してはMRUシリーズであればマイナス20℃まで動作いたしますし、保温ボックスに入れてもよいでしょう。ただ昨今の日本の夏の暑さは相当ですから、窓ガラス越
しであっても直射日光にあたるとかなりの高温になってしまいますので、ここは何らかのケース・日除けをお願いしております。またUHF帯ではよく屋外で長距離の読み取りをしたいというにニーズがありますが、雨水等を考慮し防水のアンテナを選ぶ必要があります。
「4」から「8」ですが、これは複合的にリーダライタを選択するポイントとなります。図1に簡単なUHF帯の反射の影響に示します。
UHF帯の反射の影響送信出力が大きいほうが遠くまで読み取ることができますが、そうすると読みたくないものを読んでしまう可能性が出てきます。ですので、既存の工場内などではむやみと強い電波を出さず、比較的弱めにして、その分、アンテナの向きや高さや、台数を考慮して設置する必要があります。また対象のICタグとの距離や人・物による電波の阻害を考慮してUHF帯でゲート状に設置する場合は、アンテナ2台以上の複数で読み取りエリアをカバーすることが普通です。場合によっては高所にアンテナを取り付けることもありますが、その場合は長いアンテナケーブルが必要になります。ケーブルが長いほど電波が減衰してしまうので、きちんと読み取りできるか検証し、アンテナも減衰分を考慮した選択が必要です。アンテナの台数が多くなってくると、1台のリーダライタのアンテナポートでは足りなくなることもあります。この場合はリーダライタ自体を増やす必要があります。
 ICタグの読み取り時には、何らかの音や光による報知や、逆に読み取り開始をキックするためのセンサーとの連携が必要になってくることがあります。上位のパソコンに、デジタル入力・出力を入れてシステムを構築することも可能ですが、リーダライタがデジタル入力・出力ポートを備えているとシステム構築上、何かと楽に進めることができます。例えば出力であれば、
 ICタグ検知時:パトライト点灯
 対象外ICタグ検知:ブザー鳴動

といったことを行う場合、リーダライタからデジタル出力が可能であれば配線や処理が簡便で済みます。また、むやみと読み取りをしないようにするために、読み取り開始を人や物がセンサーに反応した時に行うようにリーダライタ自体に接続して、読み取り開始のキックを行うことができれば上位に負担をかけることなく簡便なシステムで配線も少なくすみます。
 システム構築の際、当社MRU/FRUシリーズのように、自律的に動作し、上位からのコントロールが不要な機器も一部あり、またMRU/FRUシリーズであればセンサーからの信号
で読み取りを開始したり、ICタグを発見したらデジタル出力を行う機能も搭載されています。

運用チェックポイント

表2.運用チェックポイント

【9】ICタグの発行をどこでどのように行うか?
【10】データの読み書きをいつ、どのように行うか?
【11】移動しながらの読取の場合、その移動速度は?
【12】物の動き(想定されるものの動きと向き)
【13】人の動き(業務中の人の動き・導線)
【14】タグを正確に読めなかった場合の対応策やリカバリ方法
【15】法規制対応

表2に運用チェックポイントを示します。「9」から「13」はRFID導入の際によく考えなければならないポイントです。表1の機器選定や前号のICタグ選定とも密接に関わってきます。導入するシーンによって千差万別ですが、ICタグの書き込みについて補足しておきますと、基本的に書き込みは落ち着いた状態で行う方がよいので、ラベルタイプであれば、ICタグプリンタで発行して、それを貼付して使用することをお勧めします。また生産治具などで、ICタグ貼付後に書き換えが度々あるような使用法の場合、対象を停止させた状態で行うことをお勧めします。特にUHF帯は読み取りできる距離より安定して書き込みできる距離の差がありますし、周辺の反射の影響でヌルポイントができていることもありますので、対象を移動させながらの書き込みはお勧めできません。
「14」の読めなかった場合の対応策も重要です。読めなかった理由には様々なことが考えられ、ここで全部語ることはとてもできませんが、読み取りができなかった場合は、もう一度戻して読み取りを行う、あるいはICタグが壊れていないか確認するといった作業が必要になります。「12」「13」の人と物の動きもUHF帯の場合は、周辺環境の変化を導きますので大きな問題です。たまたま対象の近傍に人や物が近づいてきて電波の反射や遮蔽をおこしてしまって、対象となっているICタグが読めない、あるいは対象外のものが読めてしまったということもあり得ます。こういった運用上の問題は、机上のテストでは分からないことですので、実際の現場でのテストが重要です。

おわりに

機器の選定、ICタグの選定、運用は複雑にからみあっており、同時に検討しなければなりません。なかなか大変ですが、チェックポイントを使いながら検討を行い、時には元に戻ることも必要です。作業やツールや、治具の変更など本来の目的の達成ためには必要になろうかと思います。どんなICタグ・機器があり、どんな使い方をするのか、まずは知っていただきたいと思いますので、当社までご相談ください。皆様のDXをご支援させていただきます。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) 2021年4月号(523.98 KB)
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