導入までの経緯
使用済み家電のリサイクルを手掛ける同社では、解体作業に電動工具を使用されていますが、解体した家電品を破砕処理する大型破砕機に、電動工具が混入した結果、バッテリーが破砕され、破砕機内部で発火してしまう事例が発生しました。事故発生当初は発火原因が不明であり、消火後に現場確認を実施した結果、その火元は破砕されたバッテリーであることが発覚したため、バッテリー混入の再発防止策を検討していました。
導入前の課題
①混入を未然に防ぐのは困難
しかし… 多くの作業者が電動工具を使用して大量の使用済み家電品を解体しており、工具、特にバッテリーの混入防止のための対策に頭を悩ませていました。手で持って作業する電動工具を置き忘れる作業者の「うっかり」をなくすことは困難です。
一度事故が発生しているため、同社としては再発防止策を練る必要があり、加えて、消防へ再発対策に関する実施報告をする必要が出てきました。
②混入の発見が困難
しかしながら、電動工具・バッテリ程度のサイズのものは解体されたエアコンや洗濯機等に混入すると発見することは事実上困難で、作業者が見つけることができず、コンベヤで大型粉砕機に運ばれてしまいます。
システムの機能・特長
異品混入防止運用フロー
対象物には、ICタグを貼付します。UHF帯リーダはICタグの検知処理を実行し、対象のICタグを検知したらデジタル出力でコンベアを制御するPLCに報知します。PLCコンベア制御装置が報知をうけ、大型破砕機につながるコンベアを停止させます。
導入のポイント
リーダー単体動作で特定のICタグを検知
当社UHF帯リーダ(MRU-F5100JP)は、上位コンピュータからの制御なしで、本体の設定だけで読取動作及び、検知時のデジタルOUT出力が可能です。
通常、リーダーは、UHF帯ICタグならなんでも検知してしまいます。ですので、対象物のICタグか、非対象物のICタグか、区別するために、あらかじめICタグの番号(EPC)の先頭には対象であることを示す識別フラグ(例:”MARS”(16進数で4D 41 52 53))をいれています。 当社UHF帯リーダのフィルタ機能でこの識別フラグがあるICタグのみを検知対象することができますので、これで対象となるICタグのみの検知が可能となります。
このようにリーダー単体で済みますので、システムがシンプルになり、導入コスト、運用コストを下げることができ、システム障害の発生も削減できます。
導入後の効果
安心・安全に
バッテリーを誤ってコンベヤに落としてしまっても、大型破砕機に運ばれる前に検知してコンベヤを停止させることができるようになりました。
それにより、電動工具に使用されているバッテリなどが、破砕機に混入してしまうリスクを軽減しました。
バッテリの誤投入を未然に防ぐことにより、発火などの事故発生リスクを大幅に低減し、より安全に操業を行うことが可能となりました。
実際に、導入後は数件、電動工具のバッテリーが混入してコンベアに流れてしまったのを検知して、大型破砕機に流入する前にライン停止することができており、対策として有効なものになっております。
また、ICタグの表面に管理番号も印字して貼付していますので、それまで十分ではなかったバッテリの個品管理でもできるようになっています。
こちらの某家電リサイクルプラント企業様におかれましては、今後、さらなる安全に向けて、作業員の名札にICタグを付け、ラインへ作業員が落ちた際の検知なども検討されています。
導入までの流れ
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当社には数々の現場を確認し蓄積してきた豊富な情報・ノウハウがあります。
それをもとにお客様にとって最適なご提案と共に、万全のテクニカルサポート体制を構築します。どんな些細なことでも不明点があればお気軽にご相談ください。
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