長距離通信R F I Dを活用した『不適切駐輪管理システム』導入事例 ~国立大学法人 筑波大学様~

VOL.101 flags 2013年10月号

 迷惑行為の代表例と化した駅前などでの自転車やバイクの不適切駐輪や違法駐車は大きな社会問題として自治体や商店街などを巻き込んで頭を抱える難問になっています。そんな中同じ悩みを抱えていた筑波大学様は、今年当社のシステムを導入してキャンパス内の駐輪マナー改善に取り組まれました。今号ではUHF帯RFIDを活用した駐輪管理システムをご紹介いたします。

国立筑波大学様のご紹介

施設ないでの迷惑な駐輪によるデメリット

 茨城県つくば市に設立された筑波大学様は今年で開学40周年を迎え、単一キャンパスとしては国内2位の広大な敷地面積を有しております。
 大学のブランドアイデンティティーは、「未来を構想し、その実現に挑むフロントランナー」を掲げ、未来構想大学と自ら位置づけ、文系・理系から体育・芸術までに及ぶ学問を探求し、最先端研究拠点TSUKUBAの中核を担う大学として運営されております。

駐輪管理の問題

 筑波大学様のキャンパス内では常時20,000台近い自転車やバイクが利用されておりましたが、正確な台数に関しては大学側も把握できていない状況にありました。
 駐輪状況に関しても駐輪禁止エリアや建物入口周辺、点字ブロック上などへの不適切で迷惑な車両も散見され、発見次第、職員が随時移動させており非常に手間がかかっている状況にありました。
 また、自転車の紛失の問題や、毎年卒業生が置いたままにしていく放置自転車も少なくなく、正規の学生が駐輪する場所が無くなってしまう問題も慢性的に発生しておりました。

課題1 不適切駐輪の注意喚起を学生に訴える有効な手段がなかった。
課題2 キャンパス内で自転車紛失に対する対応策がなかった。
課題3 正規の駐輪車両、不適切駐輪車両の区別がつかなかった。

長距離通信可能なUHF タグの活用

 キャンパス内での駐輪マナーに関する悩みを長年にわたって抱えていましたが、今回、有志の教員方が「離れた距離から一括で認識できる」UHF帯RFIDの特性に注目され、自転車やバイクに貼り付けての管理が現実となりました。
 今回はパッシブ方式のタグを採用しており、タグ自体には電池を必要とせず、RFID読取機から受けた電波を電力に変えてデータ通信を行います。電池交換を必要としないので、外的要因が無い限り半永久的にメンテナンス無しで利用できるのも大きな特徴の一つです。
 さらに、UHFタグが不得意としていた金属上での通信も、特殊加工を施した金属対応タグにより良好なデータ通信が可能になりました。
 その上複数のUHFタグを一括で読み取ることができる特徴を最大限に有効利用しています。
 これらの特徴が、駐輪管理の課題に対する最良の解決手段として着目されたのです。

ICタグ駐輪管理システム

UHFハンディターミナルによる巡回作業

 当社が手掛けた駐輪管理システムは、キャンパス内の自転車利用者全員に、フレームへの貼り付けを想定した金属対応UHFタグの配布・貼り付けを義務付けしたものです。
 職員は、屋外で2m程度の距離で読み取りが可能な「高出力ハンディターミナル」を携帯して、離れた距離から自転車のタグ情報を一括で読み取れるので、一台づつ駐輪許可ラベルを目視確認する必要が無くなりました。
 また、キャンパスを巡回するだけで不適切駐輪車両の情報が収集できるので、該当の所有者へは“ 不適切駐輪警告メール” を自動配信して自浄的なマナー向上効果を促します。
 さらに、紛失届が提出されている自転車のタグを読み取った場合には、ハンディターミナルの画面に“紛失該当車”の警告が表示され、正規の所有者へ返却する事も可能になりました。

効果1 不適切駐輪の所有者への即時警告による不適切駐輪の減少
効果2 紛失した自転車の発見率が高まり、盗難の抑制にも効果
効果3 管理者(学校生活課)の駐輪管理に対する手間が大幅に削減
効果4 期限切れ車両は警告表示されるので放置自転車の判別が容易

UHF 帯システムへの今後の期待

 筑波大学様では、当システムはペナルティによる抑制ではなく、学生自身の意識に働きかけ自浄的なマナー向上の広がりを期待されており、今後は指定区域などにはゲート型読取機を設置して、入退場の履歴管理などUHFタグの応用も積極的に検討していくとのことです。

UHF帯RFIDゲートタイプ一括読取装置
運用に合わせて選べるUHF帯RFIDハンディリーダライタ
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