拡大一途!UHF帯RFID活用事例のご紹介

ICタグ

VOL.146 flags 2017年7月号

「2025年ICタグ1,000億枚宣言!」先日、経済産業省の発表があってから、国内外で大きな話題となっています。大手コンビニ5社が取り扱う全商品でICタグを活用しサプライチェーン全体の効率化を目指すものです。ICタグへの期待と注目度は、IoT、インダストリー4.0、そして2020年東京オリンピックと高まる一方です。
今号では、業務効率の改善に少しでもお役に立つようRFIDの中でも最も注目されているUHF帯の導入事例についてお知らせいたします。

RFIDのおさらい

 現在、一般的に利用されているRFIDは「NFC」と「UHF」の2種類です。
◎NFCは社員証ICカードや交通系カード、ポイントカードなど個人を特定認証する1対1の識別ソリューションで主に採用されており、読取り機との通信距離は短く、接触から数10cmとなっており、まさしくNear Field Communication の為のRFIDです。電波帯は13.56MHz帯を使用しています。
◎UHFはパレットやコンテナ、商品タグなど、距離の離れた物の管理や一括して内容物を読み取りたいなどのソリューションで採用されています。UHFは電波の出力が大きく、数メートルと離れた距離から読み取りが可能となっており、電波帯は920MHz帯を使用しています。

(1)自動搬送ラインでの一括検品採用例

対象業界:[運輸業]倉庫
要望:自動搬送ラインで梱包されたままの商品を一括検品したい

事例の現場では、荷物の搬入の都度、全ての内容物と納品明細書との照合を行うため、一度開梱してから作業者がペアになり読み上げによるリストの消込検品を実施していました。長時間、単純な同一作業によるポカミスが起きたり、入荷量の多い日は検品で滞留が発生する上、作業員の確保も困難でした。UHF帯ICタグの採用で、梱包されたままの状態で一括読取が可能となり、受け入れ検品の作業負担が大幅に軽減し、検品スピードも劇的に改善しました。


(2)自動仕分けラインでの採用例

対象業界:[運輸業]倉庫
要望:自動搬送ラインでICタグを読み取って、自動仕分け制御をしたい

これまでは、ソーターラインの投入時に荷物に貼られた配送バーコードを作業者がハンドスキャナで読み取らせてから荷物を投入していましたが、ICタグ付きの配送ラベルを採用する事により、作業者はソーターラインへただ無作為に投入すれば良くなりました。


 投入された荷物は、搬送ラインに設置されたゲート型UHFリーダを通過すると自動的に配送コードが読み取られ、配送方面毎にソーターで指示できるようになり、出荷のスピードが向上しました。また、搬送ラインへの投入口も減らすことが出来ました。

(3)日々大量の在庫をさばく倉庫での採用

対象業界:[運輸業]倉庫
要望:工場や倉庫内の大量のモノや人の所在をリアルタイムに把握したい

日々大量の在庫をさばく倉庫での採用

UHF帯RFIDを導入し、モノや人のロケーションをリアルタイムに記録する事が可能となり、現場の「見える化」が実現しました。また、ロケーション管理をしたい各エリアに据置型のRFIDリーダを設置し、目まぐるしく移動する物流現場を集中管理する事が可能になりました。


(4)棚卸業務の効率化での採用

対象業界:[運輸業]倉庫・[卸売・小売業]小売業
要望:アパレル・小売業での棚卸の時間を短縮したい

棚卸業務の効率化での採用

これまでは閉店後の深夜に、一点一点商品タグのバーコードを読み取り製品在庫を確認していたので、棚卸し時には本社からも総出で店舗の棚卸し作業を実施していました。UHF帯商品タグを採用する事により、陳列、棚商品にUHF帯ハンディリーダをかざすだけで商品の在庫状況が収集可能になりました。店舗での棚卸もハンディリーダをかざしながら巡回するだけの一括読み取りなので、作業時間を大幅に短縮し、店舗スタッフだけで棚卸しが完了できます。また、日常のバックヤードで目的の商品を簡単に検索することも可能です。


(5)製造現場の工具、冶具管理での採用

対象業界:[製造]電機業界・[製造]自動車業界・[製造]機械・装置メーカー業界・[建設業]建築現場
要望:工具の持ち出しや現場への置き忘れを防止したい

製造現場の工具、冶具管理

製造現場では5Sの徹底などで現場の事故やトラブルなどを未然に防ぐ工夫をしていますが、どうしても製造が忙しくなると工具類の扱いが煩雑になりがちです。特に、航空機の整備場では、持ち出した工具が作業完了時に全て元の場所に返却されていないと、整備が完了していても工具の所在が明らかになるまで飛行機は整備場から動かすことができません。

そこで、ドライバやスパナなどの工具に“UHF帯RFIDの超小型金属対応ICタグ” を装着し、持出し/返却の際にタグを読み取ることで簡単、確実に数量チェックが行えます。UHF帯RFIDの特徴は一括読み取りが可能なので、棚卸、検品作業の効率が格段に向上します。また、工具を探索する時にも、離れた位置から工具のUHF帯RFIDの電波をとらえる事ができるので紛失場所を特定する用途でも活用できます。


(6)多種多様な現場の資産管理での採用

対象業界:オフィス全般、レンタル業者
要望:煩雑な固定資産管理を効率化したい。棚卸の作業時間を減らしたい。

多種多様な現場の資産管理

UHF帯RFIDによる棚卸作業の省力化として、今まで手が届かなかった場所や、密集した物品の棚卸も一括読取りで時間短縮が可能です。面倒だった資産台帳管理を全て電子化して資産管理の効率化を実現します。

(7)カゴ車やパレットの在庫管理での採用

対象業界:[運輸業]倉庫
要望:カゴ車の紛失や返却忘れを防止したい。正確な所在管理を行ないたい。

各地の倉庫や配送センターに日々移動してまうカゴ車やパレット。一ヶ所のセンターでは滞留が起こり、別のセンターでは不足が起きたり、正確な所有数が把握しきれず、毎年不要な補充をしてしまい無駄なコストの発生に悩まされていました。

カゴ車やパレットにUHF帯RFIDタグを装着する事で、一台一台のカゴ車番号やバーコードを検品しなくても、UHF帯ハンディリーダーで一括で検品が可能となり、いつどこのセンターにどれだけ保有されているかが一目瞭然となりました。棚卸し作業では、高出力ハンディターミナルを利用すると、作業効率は劇的に改善します。

(8)リターナブル容器のロスコスト削減での採用

対象業界:[ 運輸業]倉庫・[ 製造]食品・薬品業界・[ 製造]化学・プラント業界
要望:リターナブル容器の紛失や未返却によるロスコストを削減したい

未返却や各拠点の所在数、容器の洗浄・利用履歴をリアルタイムに把握し、ロスコストを削減します。UHF帯RFIDによる一括読取りで入出庫の効率的な管理を実現しています。

さいごに

 UHF帯RFIDは、既に様々な業種業態で利用が進んでいる事がお分かり頂けましたでしょうか?
 メリットばかりを特筆致しましたが、RFIDは電波であり、電波は目で確認する事ができないなどデメリットもあります。読みたい距離が読めない、読みたくない物まで読んでしまう、一括で読める精度が低い等々、RFID導入前に正しくサーベイ評価をしておかないとシステム構築が上手くいきません。
 当社は長年の現場ノウハウと経験で、単なる機器の提供だけでなく『現場が動くまで』の最善のトータル・ソリューションをご提案させて頂いておりますので、RFID、バーコード、2次元コードの導入をご検討の際には、是非、お気軽にお問合せください。

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