令和7年10月 労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止規則の改正について

2025年(令和7年)10月29日 官報号外第240号及び、厚生労働省労働基準局より期発1029第1号が発行され、労働安全衛生規則及び電離放射線障害防止規則の改正(令和7年厚生労働省令第108号)と透過写真撮影業務特別教育既定の一部改正(令和7年厚生労働省告示第287号)が公布、告示され、公布日である2025年(令和7年)10月29日以降順次施行、適用されることとなりました。

なお、本公示、告示の詳細の内容は厚生労働省ホームページを参照してください。

改正の要点と当社X線製品の対応について

1.特別教育の実施対象業務拡大とボックス型エックス線装置に対する特別教育実施の明確化

エックス線装置、ガンマ線照射装置を扱う業界全体に特別教育を実施。

従来は「透過写真撮影業務」に限定されていましたが、エックス線装置またはガンマ線照射装置を扱う「全業務」に対し、特別教育を実施するように拡大されています。

今回の改正により、エックス線及びガンマ線照射中に身体の全部または一部がその内部に入ることがないように遮蔽された構造を備えた装置、すなわち当社が製造販売をしておりますボックス型エックス線装置はこの特別教育の対象から除くと明記されています。ただし、安全に装置を使用していただくための安全教育は装置納入時やご依頼をいただいた際に実施をいたします。

2.工業用等の特定エックス線装置の自動警報装置の設置の義務の拡大

工業用の特定エックス線装置(波高値による定格管電圧10kV以上の装置)すべてにおいて、自動警報装置の設置が義務化されます。

従来は管電圧150kV超の装置に自動警報装置の設置の義務がありましたが、施行後は管電圧10kV以上の装置が設置義務の対象となります。なお、医療用のエックス線は除外され、また、自動警報装置を含む周知の措置は関係者が確実に認識できる方法でなければなりません。

当社の製造販売しているX線装置においてはX線出力が管電圧20kV以上のものとなり、今回の改定により特定エックス線装置の対象となりますが、自動警報装置として、エックス線照射中の表示灯の設置及び操作画面内におけるエックス線照射中の表示によって既に対応をしています。

※今回の改正において電離則における「医療用」の範囲が明確化されています。

3.工業用等の特定エックス線装置の安全装置設置の義務化

工業用の特定エックス線装置(波高値による定格管電圧10kV以上の装置)すべてにおいて、インターロックや安全ロックキー、リミットスイッチ連動の照射停止装置等のような、意図しない偶発的な被ばくを防ぐフールプルーフのための安全装置設置が義務化されます。

当該「安全装置」は、安衛則第28条および第29条による。有効保持や無効化時の事業者の許可などの義務についても適用されます。なお、医療用エックス線装置は除外されます。

事業者は工業用等の特定エックス線装置のフールプルーフのための安全装置を無効化、取り外しを行う場合はその代替措置を必要とします。

当社の製造販売しているX線装置においてはボックス型エックス線装置であることから、当該、安全装置を既に有しております。但し、メンテナンスなどにより安全装置を無効化して作業を行う場合は、X線装置の主電源をOFFにする、非常停止ボタンによるロックアウトなどの代替措置を行い、作業者の安全を確保する必要があります。

4.エックス線作業主任者の職務拡大 (改正電離則第47条及び第52条の3関係)

段階的に職務が拡大されます。

2026年(令和8年)4月1日施行

自動警報装置の異常時の措置/作業方法の決定と放射線業務従事者の指揮

自動警報装置(X線照射中表示灯やインターロックなど)の異常時に事業者は使用をやめさせるなどの措置を講じる必要があります。また放射線業務従事者への被ばくを軽減するため作業の方法を定め、作業者の指揮をすることが求められます。

2027年(令和9年)10月1日施行

安全装置の有効法事のための点検、その異常時の措置/安全装置を無効化する際の代替措置の確認。

エックス線装置のフールプルーフの安全装置が有効に動作していることを確認すること。それらが異常時には事業者に装置本体の使用をやめさせるなどの措置を講じる必要があります。また、点検の際に安全装置の無効化等を行った場合の代替措置が的確に行われているかを確認する必要があります。

回収が著しく困難な装置に関する経過措置の確認

既に設置をされている工業用などの特定エックス線装置のうち①すでにメーカーが現存しない装置、②回収に必要な図面がないもしくは部材が手に入らない装置、③回収により装置の機能や安全性に問題がかかる装置については、自動警報装置や安全装置の設置に代わる措置の対応をする必要があります。

本件についての詳細につきまして、当社営業担当までお問い合わせください。

問合せ先

株式会社マーストーケンソリューション

X線開発部・X線営業部

TEL:042-484-6155(直通)