健康診断のIT化  ~どこでも問診~

Vol.185 2020年10月号

テレワークをすることで通勤がなくなって体調が悪くなった、太ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。年に1度は必ず受診されている健康診断もIT化が進んでいます。

IT 化すすむメディカル分野

 医療分野のIT化はなかなか進まない分野だと言われていましたが、IT化の波は徐々に押し寄せてきています。人間ドック、健康診断をIT化して、高速化、精度アップするシステムとしては、当社の『健診ステーションシリーズ』があります。過去10数年着々と機能をアップ、新システムを追加して、健康診断現場での困りごとをフォローする範囲を広げてきました。
 50~60代の方であれば、40歳頃から毎年人間ドックを受診されてきていると思いますが、ここ10年ぐらい、人間ドックが早く終わるようになったなと感じられることも多いのではないでしょうか。昔は検査と検査の間に結構待たされる時間があって、もっと時間がかかったなぁ、と感じていた方もいらっしゃると思います。これは、空いている検査にスムーズに受診者をまわすようなシステムが入ったり、検査データの集計や検査漏れチェックなどがスムーズに自動化できるような仕組みの健診現場への導入が進んだからです。当社の「健診ステーションシリーズ」も、そういった健康診断のIT化を担わせていただいております

健康診断のさらなるIT 化

 先に説明した「健診ステーションシリーズ」からさらに現場を助けるのが新しいクラウドタイプWEB問診システム「どこでも問診」です。皆さんも健康診断の前には、いつも問診票を記入されているかと思います。紙の用紙に手書きでそのまま文字で記入したり、マークシートを塗りつぶしたりといったやり方が一般的です。
 このやり方だと、記入する受診者側も毎年同じような記入項目を繰り返し書かないといけませんし、うっかりミスも出てきます。またそれを集めて、データをコンピュータに入力する健診機関でも、データ入力時の見間違いやマークシートの読み取りミスの修正、チェックなど、神経を使う大変な作業です。例えば、タバコを「吸う・吸わない」という設問がありますが、ここを「吸わない」としているのに、そのあとの「1日の喫煙本数は?」に、20本と記載がある、といったような矛盾のある回答がされていることがあります。また、手書きだと「1」と「7」、「6」と「8」といった文字が悪筆癖字で見間違えることもあります。紙に手書きだと、こんな問題点があります。

・紙の問診票は記入も管理も煩わしい
・記入/入力漏れ、整合性のチェックが大変
・毎回同じ設問の回答内容が違うので一人ひとり確認しないといけない
・外国の方向けの問診対応がスムーズにできない
・重要な個人情報である紙の「問診票」の管理に神経を使う

ITの力でこれを解決するのが、「どこでも問診」です。


導入イメージ

 受診者が自分のスマホや自宅のパソコンから、事前に送られてきたURLのWEBページを開き、画面に従って問診に回答します。データはクラウド上のサーバに保存されます。健診機関はそのデータを取得し、健診システムに入力します。従来、運用上負担となっていた「記入内容の確認」や、「整合性の確認」、「記入漏れのチェック作業」等が大幅に軽減されます。同時に問診票に使用していた用紙を削減できる効果も期待できます。
 また、クラウド上で稼働するシステムであるため、自社で保有・管理するサーバとは違い、各健診機関にてサーバの運用管理をすることなく使用でき、IT担当者の負担を大きく軽減することができます。

<特長>
・スマホ、タブレット、パソコンといった様々な機器から、どこからでも問診に回答
・入力内容の整合性チェック・入力漏れチェック
・前回回答結果反映
・多言語対応


 上記に加えて、労働衛生対策上特に有害であるといわれている業務に従事する労働者等を対象として実施する特殊健診にも対応しています。動作するクラウドサーバは、厚労省、経産省、総務省がそれぞれ策定する3省3ガイドラインに準拠した構成となっており、セキュリティー性を担保しております。
 「どこでも問診」に続いて、健康診断の予約のための「WEB予約」等のアプリケーションを追加予定です。

健診/人間ドック向けクラウド問診システム「どこでも問診」特設ページ

おわりに

 今回、スマホやクラウドを使った効率化の例をご紹介させていただきました。iPhone、Androidスマホが出てからまだ12~3年しか経っていませんが、世の中はずいぶんと変わりました。朝、通勤電車に乗れば新聞を車内で読んでいる人はずいぶん減ったように感じます。20代から60代の現役世代でみれば、今やスマホを自分も家族も持っていないという人はかなり少ないでしょう。
 個人の生活や、仕事のIT化にスマホやクラウドが果たす役割というのはますます広がります。当社はDX(デジタルトランスフォーメーション)で皆様のお手伝いをさせていただきます。
何か気になることや、こんなことできないかな…といったことがありましたら、当社担当営業まで、何でもお気軽にお問合せください。