withコロナ時代の自動認識

withコロナ

Vol.200 flags 2022年1月号

 新型コロナによる大きな社会変動は、いまだ終わりが見えません。ウイルスは変異を続け、今後は「withコロナ」、新型コロナを想定した生活、経済活動を行う段階であるといわれています。多くの自動認識技術は省力化、省人化に結びつきますが、いまこそ、現場を変えなければといったお声をいただきます。今日はそんな時代に必要とされる「賢い」デバイスを紹介します。

賢いデバイス

 現場で物を生産する・動かすといった際には様々な要素が絡み合いますが、システムを構築する際、各々ある程度の機能の塊が、すばやく、あるべきところに収まっていて、それが少ない機器と設定・プログラムで動いて繋がってくれると、スムーズに素早くシステムアップが可能となります。
 そのため最近は末端のセンサーハードウエアが賢く、その機器内で多くの処理ができるようになってきています。
 例えば当社の自律型のリーダライタの「MTR-115」や「MRU-F5100JP」といったデバイスは、従来必要であったパソコン等のホスト機器からのコントロールを不要とし、自分で読み取り及びデータ送信処理をしてくれます。「MCR-F180」や「MVF-500」といったバーコードリーダは読み取るだけでなく、バーコードの印字品質のチェックを同時に行うことができます。そんな賢いデバイスを活用することで、素早く、一歩進んだ現場に変えることができます。

例1 賢いRFIDリーダライタ

■MTR-115

 HF帯RFIDリーダライタにも賢いデバイスがあります。社員証等のカードによくつかわれている技術がHF帯RFIDです。現場で「Who? 誰」といった自動認識をさせるには、顔認証なども使われて始めていますが、HF帯RFIDのICカードがやはり確実で、すでに配布されていることも多く、「誰?」の認証には多く使われます。
 従来RFIDリーダライタはパソコン等のホスト機器の制御が必要だったり、特定のデータ形式でしか出力できなかったりインターフェースがUSBやRS485しかなかったりと、昨今のEthernetネットワークを使用するシステムにはマッチしないデバイスが多くありました。「MTR-115」はパソコン制御なしで単体で動作します。読み取りデータもLAN(Socket、HTTP通信)や、RS232Cでの読み取りデータが出力可能です。スピーカが内蔵されており、読み取り時に、LEDの点滅とあわせてサウンドを再生することも可能です。「おはようございます」といった基本的なサウンド音声データもあらかじめ搭載されています。面倒な読み取りプログラミングやIOデバイスの制御等は不要で、簡単な事前設定のみでICカードのデータを読み取り、データを送信、読み取りしたことをLEDやサウンドでユーザにお知らせといったことが可能です。

MTR-115

RFIDインテリジェント リーダライタ
MTR-115 

Linux OSを搭載し、NFCリーダライタを内蔵したFeliCa/Mifare両対応のインテリジェントリーダライタです。幅広い種類のICカードに対応し、スタンドアローンモードとコマンドレスポンスモードの2つの動作モードが選択可能、PoEを標準装備で設置場所、スタイルが自由に選択でき、省スペース設計なので幅広いシーンで活用可能です。

■ICU-800D

 手軽に、自社の機器やシステムに組み込んで活用したいというケースもあると思いますが、「ICU-800D」という小型の「賢い」デバイスもあります。
 これもあらかじめ設定しておけば、あとは自動的にICカードの読取を行い、データをUSB-HIDキーボードやRS485、RS232Cから出力します。デジタルOUT出力も行えます。ICカード読み取りのためだけに、制御パソコンやプログラムを設置するといったことは不要です。

ICU-800D

NFC IP2対応卓上リーダライタ ICU-800D

USBでパソコンと簡単接続。NFC IP2対応卓上リーダライタ、パソコンに接続するだけですぐに使えUSB-HIDキーボード機能搭載。MIFARE ,FeliCa、FeliCa lite、ISO/IEC14443 TypeB、ISO/IEC15693等、様々なICカードに対応。

ICU-800D製品紹介はこちら

■MRU-F5100JP

「賢い」UHF帯RFIDリーダライタである「MRU-F5100JP」はパソコン等による制御なしで、ICタグの検知の実行を行い、データを上位に送信したり、PLCリンク機能でPLCのメモリに書き込みを行うことができます。ICタグの検知も、センサー等によるデジタル入力による実行や、逆に検知したことをデジタル出力で信号灯を点灯させたりといったことが簡単に設定可能です。
 ICタグの検知時にEPCのみならずUSERメモリのデータの同時読み取りも可能で、長いEPCデータの後半4桁のみ上位に送信といった桁抜き出しによるデータ送信も設定だけで行えます。

例2 賢いバーコードリーダ

 賢いバーコードリーダの例として「MCR-F180」を紹介します。

■内蔵された2種の高輝度照明
 どんなバーコードなのか、何に印字されているのか、対象によって適切な照明を変えなければうまく読み取りはできません。あらかじめ2種類搭載された照明を活用することで、紙ラベルや基板、鋳物といったさまざまな対象物に対応でき、対象物にあわせて別途用意して取り付けるといった手間がかなり削減されています。

MCR-F180製品紹介はこちら

■印字品質チェック
 印字されたバーコードは、自社内・自工程内でも活用されますが、当然、後の工程や社外の別なところで読み取りが行われます。初めはうまく綺麗な印字ができていても、時間の経過や、材料素材・治具の変化などで、きれいな印字ができていないこともあります。

印字品質チェック

こういった不良印字品が流出してしまうことを避けるために、通常の読み取り動作に加えて、同時に印字品質チェックを行うことができます。普通の読取データとともに印字品質のデータを送信したり、データ送信と同時にデジタル信号出力をおこなってPLCや信号灯制御などが可能です。

■PLCリンク
 生産ラインなどではPLCと組み合わせて活用されることが多いですが、読み取ったバーコードのデータを、PLCのメモリへバーコードリーダから直接書き込みを行うことできるので、簡単にPLCを使用したシステムに組み入れることができます。三菱電機社のMELSECのみならず各社のPLCに対応しております。

PLCリンク

PLC内のバーコードデータ書込みメモリ番地をスキャナに設定しておくと、読み込んだバーコードデータを自動的に指定のメモリに書き込みます。PLCのプログラミングは普段から開発に慣れている、メモリ監視ロジックだけです。もちろん、データ読み書きもPLCメモリを利用してハンドシェイクを行います。

おわりに

 自動認識技術を簡単に手早く導入したいというお声を多くいただきます。機器・システムの導入も省力化、省人化です。当社では自動認識技術のエキスパートとしてお客様のお役に立ちたくソリューションのご提案をさせていただいております。業務改善・効率化に向けてのご不明点、ご興味ある機器等ございましたら弊社営業担当までお気軽にお問い合わせください。

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