UHF帯リーダライタの活用で 日常の業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進

VOL.186 flags 2020年11月号

コロナ禍の下で営業・製造・開発・配送等々様々な分野で仕事のやり方に変化が起こっています。この状況のなか、UHF帯RFIDを活用した業務のDXを紹介します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)

 日本政府にも新しくデジタル庁が発足する予定になっており行政のデジタル化やポストコロナの社会設計が期待されます。もちろん一般企業も大小をとわず大きな変革の波の中にあり、「D X(デジタルトランスフォーメーション)」をすすめようという声が大きくなってきております。
 DXの定義は広く、変化してきていますが、次のようなことを言われています――「企業や産業が将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するデジタルトランスフォーメーション(DX)」。いわゆるIT・デジタル技術を手段として使ってビジネスを変える、そのため自社内の構造も変える、また個々の社員、業務へのデジタルツールを導入して働き方を変えていく、といったことがトランスフォーメーションに含まれています。経営者はこういったことを、どんどんやっていこう、やらなければといった思いは感じていらっしゃるようですが、なかなか難しいというのが各種のアンケートで出ています。まずは既存のやり方、レガシーなシステムの改革がむずかしいという声が多くあります。例えば既存のシステムは、部門ごとの縦割りのシステム構築がされており、全社横断でデータ活用がやりにくい、カスタマイズがされすぎて、ブラックボックス化・複雑化してしまっている。現場は現場で改善はしたいが人手不足で現状のタスクをこなすのに精一杯で変えることにまで手が回らないいった状態になってしまっていることが多いようです。
 ただ、このままだと、古く複雑なシステムは維持管理にコストが増大、保守運用も人手不足でセキュリティ上の問題が発生や、予期せぬシステム停止、データ消失や流出といったトラブルが発生するリスクは年々高くなっていきます。
 早急に、ブラックボックス化・複雑化してしまったシステムを廃棄・塩漬けにするもの等仕分けして必要なものは刷新しつつDXを実現し、ビジネスモデルを変革することが必要です。それは簡単ではありませんが、よく言われるポイントとしては、いわゆるデジタルネイティブといわれるような世代のデジタルに詳しいリーダーの配置や、働き方改革による社員の生産性向上、そして旧来のシステムも見直しながらの新しいデジタルツールの導入といったことが挙げられます。非常に重要な要素である“デジタル人材”はどこも不足していており、まだまだ育成が必要です。
参考:経済産業省『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』

自動認識技術の活用

 1D/2Dバーコードリーダーや、RFID機器は、ヒト・モノとシステムの間に立ち、ヒト・モノのIDをシステムに知らせる役目を果たします。多くの業務では、現実のヒト、モノ、情報が動きます。この動きをどうにかシステムに伝えてやらないと情報が流れませんからシステムが動きません。これらの動きを、実際の係員が目で見て、手作業でやっていたら、到底無理な正確で高速な処理を機械であれば行うことができます。さらに、極小の2Dバーコーを読み取ったり、ダンボール箱の中の見えない数百のICタグを読み取ったりといった、もう完全に人間の肉体の能力ではできないことが自動認識技術で可能になっています。
 各種管理システムのEdgeにこういった自動認識機器を活用することでDXの第一歩である現場把握のデジタル化を進めることができます。現場状況の把握とシステムへの取り込みが競争力強化の材料になります。

カゴ車管理

 某食品加工会社でのカゴ車のICタグでの管理を紹介します。同社工場では従来、カゴ車の入出庫履歴や所在情報を厳密に管理しておらず、客先へ出荷したまま他の企業に流用されて紛失してしまうため、追加購入するカゴ車の購入費用の高騰が問題になっていました。また、社内各拠点に何台のカゴ車があるかわからず、出荷作業に必要な台数を確保するのに手
間がかかっていました。
 これを改善するため、ICタグを用いて、カゴ車の入出庫履歴の管理と所在管理を行うようにしました。
 ICタグで現物のモノの出入りを把握してシステム化することで、以下のような効果が生まれています。
①カゴ車の出荷客先に対し、明確なエビデンスをもって返却要求を可能に出荷先会社側でもきちんと返却しなければならないという、客先側の返却意識が高まった。
②カゴ車の追加購入台数が減った経費削減が実現。
③各拠点でのカゴ車不足を未然に防げるようになった
各拠点間でカゴ車在庫の情報を共有出来たことで、カゴ車不足を未然に防げるようになった。(詳細は下記リンクにてご紹介しております)

フォークリフト車載端末による入出庫管理

 UHF帯RFIDの例ではありませんが、某製造業会社でのフォークリフト作業の効率化を紹介します。同社では個々の部材管理や生産管理には2次元コードを使用しており、システム化が進んでいました。部材についてパレット、部品単位でバーコード管理を実施、実際の入出庫については、フォークリフトを用いて、受け入れ箇
所から倉庫や現場への移動を行っていました。ここで問題がありました。

①目視作業のため、取り違え発生
②繁忙期の部品入出庫作業の負担大
③フォークリフトから乗り降りが発生するハンディターミナルは効率が悪い

 この問題をフォークリフトにタッチパネル端末を設置することで解決しました。大画面液晶の見やすい端末で入出庫管理システムを動作。ロングレンジバーコードスキャナを利用してフォークリフトの座席に乗ったままでバーコード読み取りし、作業効率の大幅改善。フォークマンが新しいデジタルツールを活用することで以下のような効果が生まれています。
①人的ミスの撲滅
目視確認から、システムでの入出庫管理及びバーコード入力により、人的ミスが大幅に削減。
②入出庫作業の効率改善
都度乗り降りをして現物確認をしていたのが降りずに作業ができるため、1件あたりの作業効率が大幅に改善
③入出庫実績登録作業の改善
端末が、無線LANでサーバーのデータ更新するため、リアルタイムな入出庫実績情報の収集が可能。事後のデー
タ登録作業の負担も軽減しました。(詳細は下記リンクにてご紹介しております)

UHF帯RFIDゲートタイプ一括読取装置
運用に合わせて選べるUHF帯RFIDハンディリーダライタ
RFID持ち出し管理システム『MCHDS(モチダス)』

製造業DX推進カタログ

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  • 画像処理で目視による検査判別を自動化
  • ICカードタッチパネル端末で実績登録
  • 制御PC不要で動作するRFIDリーダライタ
  • 誤投入防止と生産実績収集
  • UHFフォークで荷物とロケーション情報の登録を自動化 
  • トラック入退場管理   
  • RFID一括入荷検品
  • Android端末でモバイル検品
  • バーコードが無い荷物をOCRで検品&バーコードラベルを発行して個体管理 …他 掲載