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『自動認識の動向(前編)』

Vol.168

 改元を体験すると、なんとなく気持ちもリセットされて新しい時代の幕開けを感じてしまいます。西暦で生活をしているグローバルな世界の人々には味わえない独特の感覚です。新鮮な視点で世の中を見渡すと、自動認識技術の世界にも世代交代があり、新しい躍動を見ることが出来ます。
 今月は、新技術のトピックスを紹介いたします。

キャッシュレス決済の普及

 最近、スマートフォンとQRコードを使って決済する〇〇ペイという名称のいわゆる「モバイル決済」がたくさん産み出されてきています。お隣の中国では爆発的に普及が進み、一部地域では現金で支払をすること自体が無くなったという報道もあります。日本では中国でよく使われている支付宝(アリペイ)などのQRコード決済が使える店が中国ほどは多くはないので、空港で日本円の現金を引き出したり、最近ですと訪日客向けのSuicaを購入したりといった風景がみられます。キャッシュレス先進国の北欧では逆に現金が使えないお店も出現して世界はキャッシュレス化が当たり前になってきています。
 時代に逆行するかの様に先日日本政府が紙幣のデザイン変更を発表したばかりで、まだまだ日本人は現金主義から抜け出せない状態です。しかし、中国での急激なモバイル決済の普及に刺激を受けて、ソフトバンクとヤフーが昨年設立させたPayPay株式会社が秋に行った100億円を利用者に還元する「100億円あげちゃう」キャンペーンの第一弾に続き、今年も5月末まで第二弾が行われており、若者を中心として知名度が一気に広がっています。それまで無関心だった方々も、こうした派手なキャンペーンをきっかけにスマホアプリをインストールしたという人も増えているようです。
 PayPayが使用できる店舗も、従来コンビニなどの大手が中心でしたが、PayPayの決済手数料無料キャンペーンのせいか普通の蕎麦屋さん、居酒屋さんといった小規模店舗も加盟店に参入してきていますので、現金に代わる身近な決裁手段として利用が加速してきています。
 QRコード決済の決済方法は、多くの場合図1のような2パターンがあります。
 加盟店側も、図1の左側のように店内にQRコードを印字したものを掲示して置けば、顧客がスマホで読み取ってくれるので店側が改めて特別な機器を購入することなく簡単に導入が済みます。
 2018年7月に設立された「一般社団法人キャッシュレス推進協議会」は、今年3月に、規格の乱立を解消・防止するため「コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン」を発表しました。
 今後も、QRコードなど使ったコード決済の利用が安心・安全なガイドラインの下で益々普及していくと考えます。

陸上移動局

 UHF帯RFIDを利用する上で、日本の電波法上の種別は、従来大きくわけて「特定小電力」と「構内無線局」の2つがありました。電波の送信出力などでわけられ、利用に際しても制限があり、特に大きいのが「構内無線局」はその名の通り届出を行った特定の住所の構内でなければ利用できないという点です。
 「構内無線局」は「特定小電力」より電波の出力は高出力でより遠く・よりたくさんのICタグを検知できるのですが、大阪工場で利用すると届出したものを、変更の届け出なく、東京工場にもっていって使用することはできません。また車に載せてあちこち移動して、公道上に車を停止させ、その場で利用したりといったこともできません。
UHF帯RFIDのマラソン大会活用 なんとかもっと柔軟に移動させて使いたいといった声が集り、「陸上移動局」が新設されました。
 電波の出し方や従事者資格など、細かい制限がありますが、陸上移動局機器は、従来利用できなかったシーンでの活用が可能になりました。例えば、コンビニに商品を輸送するトラックにハンディタイプのUHF帯リーダライタを積んで、荷積み・荷下ろしの際の商品検品を行うことが可能となります。公道上のマラソン大会などでの活用も可能です。

物流支援ロボットとRFIDの効果

 今年4月に、凸版印刷株式会社と株式会社ZMPは共同開発の「CarriRo(キャリロ)AD」とRFIDを組み合わせた無人物流支援ソリューションの実証実験で棚卸・検品における省人化の効果を確認した事を発表しました。
 実験では、物流センター内で、電子タグが貼り付けられた120kg以上の段ボール箱などを乗せたカゴ車を無人でCarriRoADがけん引し、電子タグを読み取るRFIDゲートを500回以上通過させる試験を行い、人力でゲートを通過した時と比較しても読取性能が変わらないことを確認できました。
 CarriRoADはZMP社が開発した自動搬送ロボットで、見かけは手押しの台車のような姿をしていますが画像認識技術を応用して、自律走行を行います。この実験で、段ボール・カゴ台車・番重などへの電子タグ貼り付け位置などガイドライン策定のための基礎実験データを取得出来ました。今後、製造、物流業界へ拡販し、労働人口の減少により懸念される課題の労働力不足の解決を目指しています。
 重い荷物の搬送や取扱いを機械が人に代わってやってくれるこの技術は、近未来にぴったりな技術です。

画像認識レジの登場

画像認識レジ 画像認識技術は一般のレジにも使われ始めています。数年前からパン店での決済時に、お客様がレジに運んできたパンをカメラ付のマシンにかざすと、アンパンが幾つ、クロワッサンが幾つなどと自動で数えてくれる画像認識のレジが出現しました。同じ種類のパンでも形状や焦げ色が一品一品微妙に異なるのにうまく認識できるというので話題になりました。現在はこの分野もさらに進化し、コンビニにあるようなおにぎりやペットボトル飲料をバーコード部分でなく、その姿をレジ台においてスキャンすることで一括認識が可能になっているレジが登場してきています。電子マネーなどのキャッシュレス決済技術と組み合わされ、無人レジとして、実際に店頭で使われ始めています。
Aamazon Go店内イメージ 昨年、注目を集めた「Amazon Go」もお店全体がスキャナとなったレジだと思えばこれも画像認識レジです。お店の棚にあるものを特段の操作なしに、普通に棚から手に取り、買い物カゴにいれたり、手に持ってゲートを通って店外に出ると、スマートフォンに決済の連絡がくるという動きで、非常に話題をさらいました。
 店内に無数のセンサやカメラがあり、ディープラーニングなどのAI技術と併せて客の動きを感知します。少し意外なのはAmazon Goは無人店舗ではなく、また24時間営業でもないことです。これだけ機械化が強くイメージされてしまいますと無人で24時間営業という印象を持ちますが、単にレジのキャッシャーがいないだけで、実際には商品補充や、サンドイッチなどを調理するスタッフ、アルコール飲料販売のための年齢確認スタッフなどがいます。お店にもよりますが夜は8時か9時ぐらいには閉店し日曜日は定休日のお店が多いようです。

 今号は最近話題の技術を紹介してきましたが、実験フェーズから技術的・運用的に実用化が進み、人手不足、迅速・正確化の課題に対応しつつあります。
 皆様の日常業務に於いて自動認識技術による省力化等の課題解決は、是非、当社担当者まで遠慮なくご相談下さい。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) 2019-05_168(907.38 KB)
RFID導入のポイントを紹介します。

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