RFIDリーダもPLCリンクで簡単活用

VOL.165 flags 2019年2月号

ものづくりの生産ラインなどではPLCといわれる制御機器がかなり使用されています。センサーであるRFID機器も当然接続されるシーンも多くなってきています。
今号は、素早くシステムアップできるPLCリンクを紹介いたします。

PLCってなに?

PLCとは

PLC(Programmable Logic Controller、プログラマブル・ロジック・コントローラ)は、シーケンサーとも呼ばれ、生産ラインでは欠かせない制御機器として広く使われています。
 歴史をたどれば、もともとは1968年にアメリカGM社の要求でリレーを置き換えるものとして作られたと言われています。リレーやタイマを配線して作っていた各種制御を、内部に書き込まれたプログラムで実現させます。
 現在はかなり高度な機能をもったものもあり、小型コンピュータの一種でコアのパーツには他のコンピュータと同じようにマイクロプロセッサが使われています。ソフトウェアで動作する点もコンピュータに似ています。
 あらかじめ決められたプログラムで定められた順序や条件などに従って設備や機械の動作制御、位置、速度、連続量を制御したり装置間で情報交換したりすることも可能な装置です。
 PLCに接続し制御するデバイスは年々多様化しており、様々なデバイスの仕様を理解して正しく動作させるためのプログラミングにおいても、開発担当者にとって大きな負担となるほど複雑化してきています。
 近年では、工場などの製造装置や搬送機などの制御に使われるほか、エレベーター、自動ドア、ボイラー、テーマパークのアトラクションなどの制御にも多く使用され普及しています。これは、リレーからPLCに変えることで、経済性、小型化、信頼性向上など、多くのメリットが得られるためです。
 コスト削減、安定稼働が求められる現場では、止まってしまったり、誤動作することを極限まで減らすことが求められますので今後ともPLCがかなり使用されることでしょう。豆知識ですがPLCの代名詞ともいえる「シーケンサー」というのは実は三菱電機の商品名です。

PLCリンクはなぜ便利なの?

 生産設備などの多くの現場では、速くプログラムして、いち早く動かせるようになることが求められます。
 PLCに接続した機器を制御して、データを受け取る必要がありますが、プログラム開発に時間がかかるようでは困ってしまいます。
 細かいリーダーの通信プロトコルなどを意識することなく、シームレスにPLCのデータメモリにリーダーが直接読み書きするPLCリンク機能があれば、PLCに通信プログラムが不要になります。
 システム開発者にとって開発工数が削減でき、また信頼性も向上します。

設定の例

 三菱電機製MELSEC Qシリーズ/Lシリーズ/iQ-Rシリーズの場合、以下のような点を設定します。
<設定1>
CPU内蔵LANあるいはLANユニットをGxWorks2/3を使用して通信ポートを設定します(IPアドレスやプロトコルなど)
<設定2>
FRU-4025Plusのネットワークを設定します(IPアドレスなど)。
<設定3>
FRU-4025PlusのPLCモードの各種設定ですが、まずデータを書き込むPLCのIPアドレスやデータメモリアドレスなどを設定します。そして読み取りを実行するトリガの設定が必要です。トリガには2種類あり、PLCから指示するソフトトリガあるいは、FRU-4025Plusのデジタル入力にセンサーやスイッチを接続して、トリガにする外部入力トリガのどちらかが選べます。
以上で読み取ったUHF帯ICタグのデータが、PLC内に書き込まれるようになります。詳しくはPLCリンク接続マニュアルを公開しておりますのでご参照ください。特にラダーを組むことなく設定のみでデータがPLCのメモリに書き込みされるので、簡単に素早くUHF帯ICタグを使った生産ラインのシステムなどが構築できます。
 三菱電機以外にもオムロンなどいくつかのメーカーのものに対応しております。
※LAN経由のみの対応です。また対応機種についてはマニュアルをご参照ください。
 さらに細かい設定としては、ICタグのEPCのみでなく、User Bankの内容も読み取って同時にPLCのメモリに書き込むこともできます。またEPCが特定のもののみを対象とするフィルタ機能なども搭載しています。
 RFIDリーダは一度に複数枚のICタグの読取を行うことが出来ますが、複数枚のデータもまとめてPLC内のメモリに書き込みます。
 PLCのメモリの量にあわせて最大枚数指定もできます。

ソフトトリガで動作させ、ICタグを一枚読み取った時のPLC内のメモリマップの例

終わりに

もう一つ、RFIDの活用にはリーダーと対になるICタグの選定も大事です。
当社では生産現場の厳しい環境にも耐えられるICタグも各種取り扱っております。業務にマ ッチしたリーダとICタグをトータルにサポートいたします。
また、バーコード/2次元コードリーダにもPLCリンク対応品が多くあります。
詳しい情報は、当社営業担当までご相談ください。



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当社のPLCリンク対応スキャナをご利用いただけば…PLC内のバーコードデータ書込みメモリ番地をスキャナに設定しておくと、読込んだバーコードデータを自動的に指定のメモリに書き込みます。PLCのプログラミングは普段から開発に慣れている、メモリ監視ロジックだけです。もちろん、データ読み書きもPLCメモリを利用してハンドシェイクを行います。


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