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『一台何役? ここまで来た2次元コードスキャナ』

Vol.162

バーコードスキャナは、シマウマのような黒と白の縦縞模様のコードを読んでデータ変換する単純な道具でしたが、今や、レンズやソフトウエアなどの工夫で昔では難しかった様々な機能を持つ複合センサーへと進化しました。今号は、現場から現代のスキャナに求められる要望を当社の固定式スキャナ(MVF-500)をベースにご紹介いたします。

お客様のニーズ

DPMsample_03.jpg 縦縞バーコードが日本にデビューしたのは1970年代の初頭で販売時点の情報管理(POSシステム)からスタートし、以来あらゆるモノに付けられるようになりました。
 1990年代より情報通信技術の発達と共に、日本ではQRコードで有名になった2次元コード(シンボル)が一般的に普及されてきました。縦縞コードが水平方向にしか情報を持たないのに、水平と垂直方向の2次元で情報を持つことができる2次元コードは、1次元のバーコードより数百倍の情報収納スペースができて、同じ情報量なら印字・表示面積を小さくすることも可能です。今ではシンボルを構成する一つの点(セル)は0.17mmで肉眼では見えない程の小さなコードを作ることが出来ます。
 肉眼では見え難い極小コードは、めがねレンズや液晶画面、極小電子部品等々に直接印字(DPM=ダイレクトパーツマーキング)で利用されています。
 そのような極小シンボルからデータを正確に読み取るためには、精度の高いスキャナの開発が求められてきました。
 更に現場においては、普及している既存の1次元バーコードの読取は勿論として、環境に影響したり作業上で汚損された2次元コードなど様々なモノの識別が要求されています。
 加えて、生産ライン上に流れる消費期限等の文字や商標などのマークに至るまで自動で識別したいというお客様のニーズがありました。

1台4役のマルチスキャナの登場

 前述のお客様のニーズに応えて、当社では、バーコード・2次元コードの枠を超えてOCR、パターンマッチングなどの画像処理機能を持つマルチスキャナMVF-500をリリースしました。
 従来から比べて大きく進化した複合スキャナのMVF-500は主に次の4つの機能をもっています。
(1)1次元・2次元シンボルの読取
(2)印字品質検査機能
(3)OCR
(4)パターンマッチング

印字品質検査機能の重要性

 バーコードは、印字して表示するだけで情報キャリアとなるので、パッケージデザイン等印刷の過程でソースマーキングとして組み入れてしまえば限りなくコスト0円に近い存在です。
 近年、2次元コードの登場により製造ラインの自動化が急速に発展したと言っても過言ではありません。2次元コードには、「マーク自体を小さくしたい」「情報を増やしたい」「日本語などのバイナリデータも取り入れたい」「汚れたものでも正確に読みたい」という要望が開発時の背景としてあります。これらの要望を満たして今日のコード体系が確立されています。
 しかし、課題としては自動化の中で正確な情報収集を何事もなくスムーズに行うことが基本の原則です。幾ら2次元コード自体に誤り訂正機能という素晴らしい特長があり汚れや欠落等悪条件の品質不良コードのデータ修復が可能であっても、現場環境や材質・形状・粗悪な印字などと重なって様々な障害の影響で読み取りエラーが多く発生していました。特に、普及当初は、正しく読み取れるための印字条件設定の認識などが低かったために、印刷機の能力以上のスピードで2次元コードを印字した結果、印字が歪んでしまったり、色の付いた下地の上に印字して適正なコントラストが得られなかったりしました。
 さらに、ダイレクトマーキングで使用する場合は、レーザーやドットピンで刻印する2次元コードのセル(ドット)の並びがいびつになっていたり、ガラスや金属の表面に刻印したことで照明によるハレーションを受けて適切な画像が得られないなど、様々な障害の原因がありました。
 このような2次元コードの印字品質規格を大幅に逸脱する粗悪な2次元コードの印字環境も、製造現場においては直に改善することが難しいケースが多かったため、2次元コードスキャナのメーカー各社は技術を駆使して、スキャナ側の読取能力を進化させてきました。 
 近年では、このような印字品質の劣る2次元コードでも、ほぼスキャナや照明の調整で読み取ることが可能です。従って、性能基準を満たす適正な2次元コードスキャナを利用しても読めない2次元コードがあった場合の殆どの原因は、印刷機か現場環境の側に問題があると絞ることができるようになりました。

ラインを止めないために

 常に稼働させるべき生産ラインをエラーの度に止めているようであれば、生産性は向上しませんし、何のためのシステム化であるのか、その目的も失われてしまいます。実際の現場では、読取りエラーや不安定要因を完全に失くすことは不可能である上、外的要因による障害がいつ発生するか予測することも困難です。
 生産ラインに組み込まれたスキャナ自体がエラー発生の原因を監視できないかという観点から「印字品質検査機能」が重要であるということに着目しました。
 MVF-500には、この「印字品質検査機能」が搭載されており、読み取ったデータと一緒に、“印字品質”や“読み取り易さ”などの情報を、読み取ったコードの内容と一緒に自動的に識別をします。
 上位システムとして読み取った2次元コードのデータを通常の生産ラインの下位工程(シーケンス)に流すと同時に印字品質や読み取り易さの情報を識別して、一定の基準を下回る値を検知した場合には、“読取りエラーが発生する可能性がある”と判断し、現場や設備の責任者にアラートを発信することで、不安定要因を未然に察知することが出来ます。
 アラートを受けとった現場担当者や設備責任者は、スキャナから送られてきた印字品質情報の詳細を確認すると、何の品質項目が基準を下回ったのかを判断できるので、現物と照らし合わせて、読み取りエラーとなる原因に対して未然に対策をすることが可能となります。
 この監視機能により、生産ラインを止めること無く、安定した生産ラインの運用が実現できるようになりました。

OCR(文字認識)・パターンマッチング

patternmatching.jpg バーコードに納めきれない情報も読み取りたいというご要望に合わせ、OCR(文字認識)機能を搭載させ、ラベルに印字された賞味期限やロット番号、製造記号などの文字が読み取りが可能です。
 ラインで流される際に、いつもピッタリ同じ位置に流れてこないもの、回転した文字などにもMVF-500はもちろん対応し、正確に読取を行います。
 また、複数行の認識、画像内の複数エリアの認識も可能です。
 さらに、パターンマッチングで予めお手本となる形状を認識させておけば、お手本との類似率や確度、サイズなど1個毎に認識できます。例えば【図1】のようなワッシャ―形状のものの場合、対象物が何個あるのかといったことが確認できます。
 このパターンマッチングやOCRを併用することでさらに応用が広がります。
 例えば、OCR認識とバーコード認識の内容のマッチングを行い、印字が間違っていないかチェックできます。
 日付のセットミスによる製造日や賞味期限のチェックや、トレーサビリティ情報としてロット番号や製造記号などの付加情報の確認が可能です。画像パターンを目印にして相対的な位置の文字をOCR認識し、面倒な位置決めも不要です。

 製品についての詳細は、当社担当営業まで、お気軽にお問合せください。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2018-11_162(784.65 KB)

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OCR・パターンマッチング(NEW!)・印字品質検査機能搭載2次元コード固定式スキャナ(MVF-500 / MVF-500C)

1次元・ 2次元シンボルの読み取り、OCR 、パターンマッチング 検査が同時に可能!安定した運用をするためのバーコードの“印字品質検査”までも一台のスキャナで可能となりました。

●最新の高性能センサー搭載
●OCR(文字認識)機能
●パターンマッチング(形状認識)【NEW!】
●印字品質検査機能 ※ISO15415及びAIM DPM 2006-1評価項目で検査結果出力
●PLCプログラムレス接続
●簡単設定&メンテナンス
●ダイレクトマーキング対応
●各種パラメータをパソコンから 簡単に設定する付属ソフトウェア
●Cマウントレンズタイプ(MVF-500C)をご用意(NEW!)

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