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『UHF帯RFIDの一括読取りの実力の程は?』

Vol.154

 アパレル大手のユニクロは、2018年度中に2,000店舗でUHF帯ICタグを活用すると発表し、経済産業省と大手コンビニ5社が「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を行い、近年UHF帯RFIDが活気づくセンセーショナルなニュースが続いています。
 UHF帯RFIDがここまで注目される要素は何と言っても「一括読取り」による効率化です。今号では一括読取り装置や実際の実力値、能力が有り過ぎて開発を悩ますデメリットの部分もご紹介いたします。

トンネルタイプ一括読取り装置

reading.png コンベアで流れてくるICタグが貼られた商品を、RFIDタグリーダーのアンテナのあるトンネルの中を通過させるだけで、一括で認識する装置が一般的なトンネルタイプです。
 従来では、国内の物流センターに世界各地から到着した膨大な量の商品を、大勢のスタッフが入荷ラインに並んで、内容物を全て開梱し、一点づつ数量、型番、サイズ、カラー等々を目視で確認していました。しかし、予め個々の商品にUHF帯タグを貼付して梱包しておくと、段ボール箱やオリコン等の状態のままでトンネルに通すだけで、中身の数十から数百点の商品情報が全て瞬時に確認できるという画期的な省力化と効率化が、既に実現しています。

一括読取りならではの工夫

 UHF帯RFIDは、離れた距離のICタグを認識したり、複数のICタグが同時に読み取れたり非常に優れた性能を有していますが、実際の現場では不特定のICタグが散乱しており、この優れた性能が裏目となる問題が起きます。そうです、読ませたくないICタグまで読んでしまうのです。ある意味、一括で読ませるノウハウよりも、余計なICタグを読まない様にするノウハウの方が一括読取り装置を開発する上で奮闘するところです。
 この問題を回避する為に一括読取り装置は「トンネルタイプの形状」が採用され、次の工夫がなされているのです。
(1) トンネル筐体にシールド
読み取り時に外部に電波が漏れ、トンネルの外にある商品のICタグを読んでしまわないように、電波を遮蔽するシートなどを取り付けてシールドする必要があります。これにより対象とする商品ICタグのみを読み取ることができます。
(2) トンネルの入口と出口にもシールド
商品の出入口には、シールドを施した扉などを装備する必要があります。
(3) ICタグの読み取りは扉が閉まってから
実際に運用が始まると、トンネルの入口前には読み取り待ちの次の商品、出口先には読み取り終了直後の読ませたくない商品があります。そのため、トンネルへの出入りの搬送中に読み取りをしてしまうと、電波が漏れて対象外のものまで読み取ってしまう恐れがあるため、読み取り装置は電波が完全に遮蔽された状態になってから読み取りを開始する仕組みが必要です。
 その他の工夫として、装置全体としての制御については活用事例毎に変わってきますが、作業員が商品の投入や荷卸し作業を行う場合には、現在の読取り点数や、現在の装置状態(読取・搬入中など)等を表示する機能が必要となります。また、スタート、ストップ、緊急停止ボタン等のユーザーへの配慮も必要です。
 一括読取り装置の内部で使用するリーダライタについては、読み取りたいモノや数量によって適切な出力とアンテナを選択する必要があります。

活用例

 国内で一括読取りは、アパレル業界で使用されることが多く、物流センターなどで、出荷時や入荷時の検品などを行う用途で使用されます。1箱あたりの入数も十点程度から数百点まで様々ですが、アンテナ・タグの工夫やトンネル内の搬送速度を調整することで、トンネル内で停止せずに、全てのICタグを読み切ります。ただし、内容物の素材や、1箱の中にあまりにも入数が多い状態の時などでは、100%読み切れない場合があることは想定しておく必要があります。
この様な問題でも回避する運用方法がありますので、詳しくは当社営業担当まで、お声掛けしてください。
 衣類以外の食品、雑貨、靴、日用品といったコンシューマ分野のさまざまな商品、さらに各種の医療材料やレンタル品、製造業の部品でも使用したいという声も増えています。

一括読取り装置の実力は?

 UHF帯RFIDの読取り装置にも製品としてのスペックはありますが、スペック値で実際にどれだけ読めるのかを検討するのは不可能でしょう。RFIDを採用する場合には必ず導入する現場と同じ環境でサーベイをしておかないと設置後のトラブルの原因となります。
 読者の皆さまの中にも、「一括読取りって実際にどれくらい読めるの?」と疑問をお持ちの方が多いと思いますので、参考値としてご紹介します。
 対象商品は、金属を含まない衣類で外装は段ボール箱を用いて、一箱の中の入数は300着とし、当社の一括読取り装置で実験したところ、なんと、ランダムに梱包された300着分のICタグを『3秒』で読み取る事ができました。これは昨年の展示会でも出展し、現在ではお客様の物流センターでも稼働させている実力値です。

一括検品で強力な『自律型UHF帯RFIDリーダライタ登場』

 RFIDリーダライタは数多くのものが販売されていますが、一般的には下記【A図】のような構成で構築します。
 当社の自律型FRU-4025Plus/FRU-4100Plusを採用すると【B図】のようなRFIDリーダライタを制御する為のパソコンが不要となるのです。
 リーダライタの各種の設定はパソコン側でブラウザから簡単に行うことができ、設定後は電源ONで自律的に動作します。
 これにより、パソコン等を現場の近いところに設置する必要がなくなり、制御パソコンの台数が減らせコストダウンと構成の自由度アップ、信頼性アップに大きく貢献することができます。
 パソコンレスの「オートモード」では、読み取りの方法や、データの送信先などの各種の設定を事前に設定するだけで、日々の運用では電源ONで自動的に動作し、自分で読み取ったデータをサーバ等に送信します。
 プログラム開発も、リーダライタを制御するプログラミングが不要となる分、開発工数を大幅に削減でき、開発者は本来のするべき業務に集中できます。
 上位サーバへのデータ送信はLAN内のみならず、リーダライタから直接インターネット上のクラウドサーバにセキュアなHTTPS通信も可能です。
 IoT時代を迎え、現場の様々な情報をクラウドに上げてデータの連携を図ることができます。
自律型は細かいプログラムを組まなくても、読み取り結果がホスト側に送信されてくるので、PLCへのダイレクトに入力出来たり、普段RFIDリーダライタのプログラムを書いていない、WEB系・スマホ系のプログラマーでもUHF帯RFIDリーダライタのコマンドや制御を気にする事無くシステム構築が可能となります。
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おわりに

 当社では過去にさまざまな商品の読み取り実験を行い、現場サーベイ、ハードウエア、ソフトウエア、のノウハウを磨いてきました。リーダライタやICタグもどんどん進歩してきており、かつて難しいといわれていた読取りターゲットも、今では問題無く読み取りできるようになってきています。
 昨今の人手不足による物づくりと物流業界の現場が抱える大きな課題もUHF帯RFIDの活用により多くの課題が解決できるものと考えております。
 当社では現場の要望に応じて豊富なノウハウで最良の組合せをコンサルティングしております。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2018年3月号(478.97 KB)

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