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『読み取りNGを現場から無くすための印字品質(後編)』

Vol.143

 先月号では、せっかく導入したバーコードシステムでエラーが発生する原因はスキャナやプリンタ側に起因するのではなく、殆どが運用時の問題であり、特に「印字品質」が大きく影響し、それらの問題解決が要求されることをご案内しました。
 今号は、少し知識を持っているだけで読み取りNGとなる原因を取り除き、エラーの多くを未然に防ぐことが可能となる「印字品質」についての続きを解説します。

印字品質とエラーの関係

 今日の現場に設置されているスキャナや印刷機は、どのメーカーでも殆ど完成状態にあって、高水準な機能を有しています。ソフトやハードに問題がなくても、現場で起きてしまうエラーの原因を探っていくと印字品質であることがわかりました。そこで、印字品質の評価内容を少しでも知っておくことにより、事前に印字装置の条件設定を適正に決められて、エラーを避けることができるようになり、安心して現場の管理ができます。
 前編は、国際規格のISO15415で定められている印字品質を決める7つの判定項目の内、3つの品質検査パラメータについて解説しました。続けて、残りの重要項目を説明します。

判定項目の説明(続き)

yugami.png◆検査項目:グリッドの非均一性
 セルが歪んだり、潰れていたりすると、スキャナはセルとして認識する事ができず、エラー訂正符号による修復すら認識できません。この様な印字の場合は通常のスキャナでは読み取らせる事はほぼ困難で、画像処理機能が搭載されたダイレクトマーキング(DPM)用スキャナが必要となってきます。
 自社内だけで利用する2次元コードであれば、高機能なDPM用スキャナを用意して対応すれば良いのですが、出荷先でも読み取らせる場合には印字品質を改善しないとクレームの原因となります。


ketsuraku.png◆検査項目:未使用エラー訂正率
 セルが欠落していると、スキャナは2次元コード内に埋め込まれている「エラー訂正符号」を使用してデータを修復して解析を行います。
 このエラー訂正符号を多く使わないと解析できない2次元コードは、スキャナが変わると読み取れたり、読み取れなかったりする不安定な状態になる可能性が非常に高くなります。
 そもそも、エラー訂正符号は運用過程で2次元コードが汚れたり、傷ついたりした場合でも読み取れる事を目的としており、印字した状態でエラー訂正符号を使わないと読み取れない印字品質はまず最初に改善すべき項目です。

印字品質を検証するには

 これまで解説したISO15415(国際規格)で定めた印字品質をどの様に検証していけば良いのでしょうか?
 厳密にISO15415の印字品質に準拠した検証が要求される場合には、専用の「検証器」によって印字品質を検証する必要があります。検証器は1台200万円以上の導入コストがかかるので、大抵の製造現場ではスキャナで読み取れればOK!と極端に簡略した印字品質の確認しか実施していないのが現状です。
 故に、運用中に印字状態が少しでも変わってしまうと読み取りNGでラインを止めてしまう最悪のロスが未だに発生しているのが現状です。近年では製造拠点を海外に持つ企業様が多く、海外拠点で読み取りエラーなどの細かなトラブルが発生してしまうと、国内での対応と違い、復旧までに多くの時間と多大な労力が必要となります。当然、安いコストで生産性を上げる目的から大きく後退する原因となってしまうのです。

インラインで印字品質を監視する

 当社ではこの様な現場の声を数多くいただいており、問題解決に向けて製品をバージョンアップしてきました。そこで完成したのが固定式スキャナの「MVF-500」です。
MVF-500は文字認識OCR機能に加え、インライン用2次元コードスキャナとしてこれまで以上の読み取り性能となっており、一番の特長は「印字品質」の検査機能を搭載した事です。
 今まで通りのスキャナと同じ目的で設置いただくだけで、読み取りデータと一緒にISO15415の検査項目に準拠した印字品質情報を上位ホストに送信する事が可能です。
 上位ソフトは読取データと一緒に送られてくる「印字品質情報」を監視して、一定基準以下になったら警告を発する事が可能となります。また、MVF設定ツール(無償)を使用すると、印字品質情報がリアルタイムに監視でき、各印字品質の検査項目が常時にグラフ表示されるので一目瞭然で監視ができます。

monitor.jpg
 仮に読み取りNGが発生したら、スキャナにはNG画像が保存されているので事後の解析が容易になっております。もちろん画像を見ても原因が分からない場合は、当社にNG画像をメールで頂ければ2次元コードのプロフェッショナルが解析して原因と対策方法をアドバイスさせて頂きます。
 MVFシリーズはLANにも対応しているので、海外拠点にアクセスできる環境があれば国内から容易に監視、設定が行えるグローバルトレーサビリティに対応している点でもお客様からご好評いただいているスキャナです。
 いまや、スキャナは「バーコードを読み取らせるセンサー」から「自動化ラインを効率よく安定稼働させるための装置」へと進化しております。
 その他にも、バーコードを読みながら、基板パターンをマッチングして異品種混入を防止するなど、画像処理機能もいろいろと充実しております。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2017年4月号(517.72 KB)

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文字認識OCR・印字品質検査機能搭載2次元コード固定式スキャナ(MVF-500)

ますます現場で必要となっている“文字認識”機能や、安定した運用をするためのバーコードの“印字品質検査”までも一台のスキャナで可能となりました。

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●印字品質検査機能 ※ISO15415及びAIM DPM 2006-1評価項目で検査結果出力
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●ダイレクトマーキング対応
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照明一体型2次元コード固定式スキャナ(MVF-300 / MVF-300LR)

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