トップ > 自動認識トレンド情報 > 薬剤部の先生と作った使用期限管理システム

自動認識トレンド情報
技術情報誌 Flags

技術情報誌 Flags 自動認識の世界をより身近に
MONTHLY MARS TOHKEN SOLUTION NEWSLETTER

『薬剤部の先生と作った使用期限管理システム』

Vol.132

 2006年9月から始まった「医療用医薬品への新バーコード表示の実施」も医薬業界では定着し、昨年7月には「新バーコード表示への統一」が3年間の移行期間を経て完全施行されました。当社は2006年当初から新バーコード表示に対するガイドラインの啓蒙や技術的課題解決に取り組み、2014年からは国際医療福祉大学熱海病院の薬剤部様を中心とした「熱海プロジェクト」に参画し、新バーコードを実際に使用している薬剤部の先生方の現場の意見や問題点をオープンにし、課題解決に向け研究しております。
 今号では「熱海プロジェクト」のご紹介と、テーマの一つである医薬品監査業務における効率化と確実性向上をテーマとして開発された「使用期限管理システム」をご紹介いたします。

熱海プロジェクトとは

983_ext_08_0_S.jpg
zoom_icon.gif 画像をクリックすると拡大されます。

 このプロジェクトは、医薬品開発や医薬品を取り扱う現場に係わる様々な課題を、実際に医薬品を取り扱う現場の意見や検証の結果を参考にしながら、医薬品における医療過誤撲滅と現場の効率化を目指して研究を重ねています。
 国際医療福祉大学熱海病院薬剤部の先生方を中心に、関連業種の各企業様が集い、その研究成果は、患者さんのためにより良い医薬品の開発や医療現場作りに活かされる提案を現実化することを目的として活動しています。
 現在のこのプロジェクトで取り組んでいるテーマには、次のものがあります。

□ 使い易いバーコードリーダの研究開発
□ バーコードリーダのOCR機能の活用
□ 医薬品のバーコード表示の調査
□ 使い易いパッケージの開発
□ PTPデザインの調査研究
□ 錠剤マーキングの調査研究
□ 在庫管理システムの開発
□ QRコードの活用検討 等々

 昨年度の成果の一つとして、現場で使用された使用済みの医薬品パッケージを1,000個以上集め、調剤現場でのパッケージ開閉状況と、薬剤師の皆様の意見とを照らし合わせ、今までにない作業性と実用性を備えたパッケージデザインの研究に入る事ができました。
 筆者は製品のパッケージなどは、あまり意識した事が無かったのですが、医薬現場に於いて、医薬品のパッケージデザイン一つで、大きく作業性向上や多くのポカミス防止に貢献できる事を知らされると共に、箱の開け方、潰し方、視認性など包装デザインに対して細かな所まで、とことん拘って設計されている包装メーカー様には、大変感動させられました。

使用期限管理システム

 2013年3月に、当社が主催いたしました『医療用医薬品への可変情報表示検討セミナー』の中で、芳賀赤十字病院薬剤部中里先生をお招きして、院内薬剤部におけるバーコードの活用事例とその効果についてお話を頂きました。(「Flags Vol.95号」参照)

 当時は、医薬品への新バーコード表示どころか、商品バーコードすら印字されていない医薬品が多く、また、バーコードの印字状態も、現場で読み取らせる事が考慮されていない質の悪い物が多かったので、バーコードによる効果は実証できていても、全体効果から考えると環境が整っていないのが実態でした。
 しかし、現在では新バーコードの表示は殆ど実施され、バーコードにてヒューマンエラーを防止する仕組みが導入できる環境が整いました。
 当社は熱海プロジェクトで現場の薬剤師の皆様と“現場で本当に有効な自動認識技術の活用”を検討して、使用期限管理システムのプロトタイプを構築することができました。
 当システムの特徴は、(財)医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)の医薬品情報データベースを活用しており、常に最新の医薬品情報データを使用できるので、薬剤部で取り扱う医薬品の情報をシステムに登録する必要が無いことも大きなメリットとなっております。
 基本機能は、使用期限チェック機能、定数配置薬の棚卸し機能、払出し先別在庫管理機能、そして“MEDIS医薬品データベース取り込み機能”があります。常に最新の医薬品情報が当システムで利用できるので、医薬品のバーコードを読ませるだけで正確な“医薬品名称”や“使用期間”を表示する事が可能なため、すぐに各機能を活用できます。

capture.jpg
 また、使用期限チェックは、OCR対応2次元コードスキャナを採用しており、バーコード読み取りと同様に、使用期限の日付も自動で読み取りする事が可能です。その他、各機能の概要については、本紙面の関係上、次号にてご紹介させて頂くことにいたします。

最後に

 当社は、今後も国際医療福祉大学熱海病院薬剤部の先生方に現場検証を行っていただきながら、院内処方におけるポカミス防止、効率化を実現できるシステムの完成を目指し、少しでも医療現場の安心・安全に貢献できる自動認識技術の可能性を探究してまいります。
 病院様、薬局様で使用期限管理システムにご関心頂けましたら、お気軽に当社営業担当までお声掛けください。
 医薬品新バーコード表示のご不明点、最新情報、活用方法に関するお問い合わせも、いつでもご案内いたします。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2016年5月号(502.42 KB)

info_icon01.gif関連ソリューションパッケージ