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ミクロンの世界を非破壊で観察する
『X線検査テクノロジーのご紹介』

Vol.126

今年の10月1日に、当社はグループ子会社である「マース東研X線検査(株)」を吸収合併し、X線事業を当社の事業の柱に組込みました。X線と言えば毎年の健康診断でのレントゲン検査が馴染み深いものですが、当社のX線検査装置は主に産業用部品の開発時に利用され、1万分の1ミリと言う普段接する事の無い“ナノ(n)”テクノロジーの世界を観察する装置です。 本号ではX線検査装置の世界をご紹介します。 X線検査に関する詳細な情報はこちらをご覧ください>>X線検査事業紹介サイトへ

非破壊X 線検査のニーズ

1970年4月地球から321,860km離れた地点で爆発事故を起こし、“奇跡の生還”、“失敗した成功”などで有名となったアポロ13号に搭載されていたコンピュータは、今から30年以上前に世界ブランド「Nintendo」が販売した“ファミコン”のそれと同等の性能だったということは余り知られていません。アポロ13号の打ち上げからファミコン誕生まで、その間たったの13年です。また、30年前に公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のタイムマシン「デロリアン」が行き着く未来の世界は、つい先日の2015年10月21日でした。映画の中の未来と現実の差について、会社帰りの居酒屋でおおいに盛り上がり、二日酔いの朝を迎えました。改めて、人類の科学の進歩の速さには感心させられ、SF映画の中に描かれている人類の夢は、数年後には現実化されてしまうということを知らされます。
 2000年代になって、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークにつながるユビキタスネットワーク社会の提唱が広まると、進化は益々加速して夢が現実に近づいてきます。“世界中とネットワークで繋がり、デジタルカメラ、テレビ、ボイスレコーダ、ナビゲーションシステム、音声認識、クレジット機能、指紋認証、電話機能、etc・・・”こんな機能が全て手のひらに収まってしまう夢のような装置は、現在のテクノロジーが集約されたスマートフォンです。夢だった装置を簡単に持ち歩き、普通に使っているのが現代人です。
 X線検査と関係ない話のようですが、この躍進的な技術進歩に影ながら貢献しているのが、X線の非破壊検査です。
 スマートフォンの機能を一つ一つ見ても、一昔前は机程の大きさの装置が、たった数ミリ角のICチップに凝縮できた事により実現しています。この高性能ICチップの中には想像を絶する細かな回路パターンや他のICチップと連携するためのコネクタやBGAがギッシリと詰まっており、最後に樹脂でモールド(封印)されて仕上がっています。極小で高精細なICチップの設計や評価をするには、顕微鏡装置が必要となりますが、樹脂でモールド(封印)されていては、ICチップ内部や、実装された回路とICチップの接触部分などを、顕微鏡で観察する事が出来ません。そこで必要となってくるのが、X線による非破壊検査装置です。一般的な人の毛髪の太さが80ミクロンと言われていますが、髪の毛1本を800分の1に分けた値が0.1ミクロンです。その世界最少分解能を誇る当社のX線検査装置は、0.4ミクロンまでの観察が可能となっており、ミクロの世界で高い信頼性・品質を維持し、新たな問題解析に貢献しています。新しい人類の夢の現実化に寄与し、未来作りを担っているのです。
 ICチップ以外にも、LEDや半導体ウェハー、複合素材、リチウムイオン電池の内部構造などミクロンやナノ単位の状態を観察したいと言うニーズにお応えしています。半導体、自動車部品、素材、エネルギー関連産業の研究開発、品質管理など幅広い業界で利用されています。
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X線とは

X線はマイクロ波・赤外線・可視光線・紫外線などと同じく電磁波の仲間です。電磁波の中では紫外線より波長が短く(0.001~1nm)、物質を透過する力が強いのが特長です。
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X線での撮像方法

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X線検査装置は、対象となる物質にX線を照射して、物質を透過してきたX線量を撮像しています。
 物質の質量差でX線の透過量が変化するので、透過したX線量を撮像する事により物質の内部の構造を描写する事が出来るのです。

世界最高分解能のX線検査装置

当社は、1991年にマイクロフォーカスX線透過画像システムを開発して以来、X線源の研究開発から検査装置製造まで、一からすべてを自社で開発している国内で唯一のメーカーです。
 現在は、X線検査装置で世界最高分解能を誇る製品シリーズを取扱っています。当社では、日本検査機械工業会が公式に公開しているJIMAチャートを使用して、表記している分解能サイズが撮影出来て、しっかりと人が認識できる状態を証明しています。
jima.jpg 他社でも、0.4μmや0.1μmを公表している装置も存在しますが、撮像結果の実力値ではなく、X線源の焦点サイズや電子線のサイズなど、ハードスペックで分解能を公表してしまっている製品が少なくない様です。
 その他にも高倍率、高輝度で透過撮影した画像が表示できるので、細部までしっかり確認する事ができるのも当社X線検査装置の大きな特長です。

0.4μmの観察が可能

来年0.4μm(4/10,000mm)の非破壊撮影が可能な新製品「TUX-3300N」をリリースいたします。
 TUX-3300Nの特長は、世界最高分解能などの性能面での向上はもちろんですが、長年の現場ノウハウとお客様から頂いた多くの声をフィードバックして、操作性、保守性、設置条件緩和なども大幅に改良されています。
 デザインも刷新していますのでご期待ください。

MTSのX線事業

かねてよりご愛顧頂いていますマース東研X線検査(株)は、MTSの第三本部として新たにスタート致しました。
 第三本部は、調布市の第二テクニカルセンターを拠点とし、2Fの事務所は営業と開発部隊が一つのフロアで活動しているので、活発な意見交換や技術情報のフィードバックが、常にフロア内に飛び交っているような事業部です。
 ストイックで厳しい反面、趣味が大型バイクと活動的な岡野本部長の下、世界最高を誇りに一丸となってお客様の技術開発や信頼性向上に貢献するX線検査装置の開発に取り組んでいます。
 X線検査の受託スポット・サービス・メニューもありますので、突発的に解析が必要な時にはお気軽にご相談ください。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2015-11_126(744.75 KB)