UHF帯RFIDの図書・資料管理での活用紹介

VOL.114 flags 2014年11月号

図書館では、蔵書の収集から保管、分類、整理、貸出返却、資料提供などの情報管理が膨大な数におよび書籍・資料に対して職員さんの日々の奮闘により成り立っております。これらの情報管理を効率化するために、多くの図書館でバーコードや磁気テープによる蔵書管理のシステムが広く導入されてきました。 しかし、更なる効率化の追求により、一昔前からRFIDを活用した蔵書管理の導入が広がっています。RFIDもHF帯のICタグが蔵書に貼付され、管理に活用されてきましたが、近年、注目を集めているのがUHF帯のRFIDです。HF帯に比べ、通信距離の長いUHF帯を利用すれば、離れた場所から複数の蔵書を一括読み取りできるようになるなど、蔵書・資料管理での活用をご紹介します。

なぜUHF帯RFID?

 図書管理システムの進化は“バーコード”に始まり、“HF帯RFID”から“UHF帯RFID”の活用に移り変わり始めています。
 一昔前、バーコードを活用し、手書きの台帳管理から完全にコンピュータによる蔵書管理が実現しましたが、貸出/返却、棚卸しなどの現場業務では、一冊づつバーコードを読み取らせてコンピュータへ登録する必要があり、蔵書管理の精度向上には大きく貢献しましたが、省力化の面では著しい効果は見られませんでした。
 次に省力化への改善を期待されて登場したのがHF帯ICタグで、バーコードに代わり広く導入されましたが、HF帯ICタグは通信距離が、数センチ程度と短いため、バーコードよりは、アバウトな位置での読み取りは可能になったものの、一冊づつ情報を読み取らせる必要は、従来と変りありませんでした。
 そこで、近年注目されているのがUHF帯RFID(以降UHF)の“離れて読める”、“一括で読める”と言う特長で、作業時間の大幅短縮が可能となり、大きな省力化が実現しました。
 さらに、利用者へのサービス向上など、より高度な仕組み作りにおいても、今後の期待が集まっています。

書籍管理NoとICタグの紐付け

UHF帯書籍用ICタグ

図書管理でUHFを利用するためには、すべての書籍に対して書籍管理NoとUHF帯ICタグを紐付ける「エンコード」と言う作業が必要です。
 この「エンコード作業」は非常に膨大な作業量になりますが、様々な図書管理業務の効率化、省力化を実現させるためには必要不可欠な作業です。
 この面倒な「エンコード作業」をスムーズにしたのが、当社のエンコードシステムです。 まずは全ての書籍に対してUHF帯ICタグを無条件に貼り付ける作業を行います。貼り付けが完了したら、卓上型のUHFリーダライタの上に書籍を置いて、書籍に付いている管理Noバーコードを読ませませると、自動的にUHF帯ICタグに書籍管理Noを書き込む仕組みとなっているのでスムーズなエンコード作業が実現できます。

カウンター業務の業務負担の軽減

自動貸し出し

 UHFに対応した自動貸出機を導入すると、利用者が複数の本を貸出機のテーブルに載せるだけで、一括で貸出処理が終了できるようになります。
 また、貸出手順と利用者確認は、タッチパネルに触れるだけの簡単操作なので、利用者自身がスムーズに貸出処理を行うことが利便性の向上につながっています。 
 これによりカウンター業務の負担が軽減されるので、職員は、他のサービスに従事する事が可能となり、図書館全体のサービスの向上に貢献していきます。

利用者サービスの向上

貸出カウンターで待たされる利用者のストレスが軽減されることは、サービス向上に繋がります。
 また、蔵書点検による図書館の休館や利用制限などを最小限に削減する事も、利用者にとっては、大きなサービス向上となります。
 図書管理の様々な業務の中でも、UHFの利点として最も効果を発揮する一つが、“ 蔵書点検” です。

 その蔵書点検では、当社の製品である高出力UHF 帯のハンディターミナルを、職員が書棚にかざしながら巡回するだけで、一括読取で蔵書実績が収集できる様になります。
 従来の様に、一冊毎取り出して、情報の読込を行う作業が不要になり、作業時間が劇的に短縮され、今まで蔵書点検の為に必要とされていた休館日の削減が可能になります。


セキュリティIC ゲートで不正持ち出しを検知

セキュリティIC ゲートで不正持ち出しを検知

不正持ち出しの防犯対策として、図書館やレンタルビデオ店、量販店などの出入り口にゲートが設けられて、未処理の商品が通過すると警告ブザーが鳴り響くシステムは、よく見かけられようになりました。 
 バーコード単体で管理している図書館でこの仕組みを導入するには、書籍管理バーコードシールとは別に、EAS(電子式商品監視)タグをすべての書籍に貼り付ける必要があります。

 図書管理をUHFで実現させておくと、UHFアンテナの監視ゲートがそのまま利用できるので、防犯対策のためだけにEASタグへの投資や貼り付け作業が不要になります。

最後に

当社のICタグ図書館管理システムは、従来のパッケージ製品の図書館管理システムでは実現が難しかったことでも、お客様のご要望に合わせてカスタマイズが可能となっておりますので、納品時にはお客様のご希望に合わせた形でお届けできます。
 当社は、自動認識システムの総合メーカーとして、図書・資料管理の分野でもUHF帯ICタグ導入検討の考案から、運用後のフォローまで窓口一本でフルサポートさせていただきます。
 システムのご検討や導入効果を詳しく知りたいなど、ご要望、ご質問は、当社営業担当まで、いつでもお気軽にお問合せください。

UHF帯RFIDゲートタイプ一括読取装置
運用に合わせて選べるUHF帯RFIDハンディリーダライタ
RFID持ち出し管理システム『MCHDS(モチダス)』

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