再び需要が増えてきたPOP端末

VOL.109 flags 2014年6月号

 ひと昔前、生産現場での“自動化”や“IT化”がキーワードとして注目されたのと同時にPOP(=生産時点情報管理)と言う概念が生まれました。
現場の生の情報を収集する目的でPOPシステムの導入が必須となり、POP端末として現場用の情報端末が広く採用されました。その後LANの普及により主役の座をパソコンやPDA端末に譲り渡してきましたが、最近このPOP端末の需要が再び増え始めてきています。
 今月はこのPOPシステムの再評価を中心に、当社の新製品POP端末をご紹介します。

POPシステムとは

 POP(Point of Production)システムは、“生産時点情報管理”を行いながら様々な生産現場のデータを「見える化」していくシステムです。
 単に作業者の生産の着手・終了時刻や出来高を管理する作業実績収集システムとは異なり、作業者の実績を含め、製造装置、生産設備、ワークなどの幅広い情報と連携させています。 
 生産工程の過程から発生する情報源から生の情報を吸い上げ、現場に潜む様々なロスの発生を感知し、最適な指示を現場管理者に分かりやすい形でフィードバックしていきます。収集されたデータに基づいて的確で素早い対策を講じる事が可能となり、生産効率や歩留りの向上に繋げています。 
 また、POP端末で集積された正確かつ新鮮な現場情報が、工程管理、品質管理、稼働管理、保全管理、原価管理などの元データとして活用され、製造現場全体での導入効果が満たされています。
 このように、POPシステムの応用範囲は広く、近年においてもその導入ニーズと期待は確実に増えてきています。
 特に、多品種少量生産化が進んだ現場では、生産工程の状況分析ができないままにしておくと確実に生産効率や品質が落ちていきます。これを未然に防ぐためには、生産現場の情報を適時に収集し、そのデータを基にして改善活動を推進していく必要があります。
 顧客要求に従って柔軟に生産計画を変更するためにも、現場の進捗状況をより正確に把握できる仕組みが不可欠になってきています。
 安全安心が最優先の現場では、製品トレーサビリティ(追跡性)が重要視されています。確実なトレーサビリティを実現するためには当然製造履歴を残しておく必要があり、POPシステムが最適で有効な仕組みであることから、現場の再評価が起きています。

POP端末の役割

 POPシステムで最も重要なことは、現場の情報を正確かつ効率良く集めることです。
 それには、自動で情報を収集できることが理想であり、例えば、加工機の制御装置をネットワークに接続して刻々と変化する装置情報を転送すれば、管理サーバでリアルタイムに加工情報の管理が出来ます。さらに、各種のセンサーと連動することで、材料の投入個数や装置の動作回数などの情報までトレーサビリティ情報として紐付けることが可能です。
 POP端末の形状は、パソコンやPDAを経てタブレットに進化してきています。
 しかし、パソコンやタブレットで処理される情報には限りがあります。
 十分に生産情報の効果を得るためには、前述の通り、製造装置や設備、センサーなどからの生産付帯情報とも組み合わせ、各装置との自動化で情報連携を充実させるための様々なインタフェースが必要となります。その上、現場で使用する端末は設置場所を取らず、作業者の生産性を妨げない操作性が考慮されなければなりません。
 結局、パソコンやPDA、タブレットではPOP端末としての要求事項は満たされず、現場用端末として開発されたPOP端末の需要が再び見直され、その期待が高まってきています。

多機能POP端末 MTR-330

 当社製品 MTR-330は、POPシステムの現場情報端末として必要とされる機能が数多く採用されており、作業スペースの少ない作業現場を配慮した形状に設計されています。
 ディスプレイには視認性と操作性を考慮したTFT7インチタッチパネル、OSはWindowsアプリが使えるMicrosoft® Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2019を搭載しています。
 何より魅力的な特長は豊富なインターフェースで、USB Type-A 1.1/2.0 ×2、USB Type-A 3.0 ×1、RS-232C×1、DIO各1点、LANを標準搭載しています。 
 また、卓上にてそのまま設置できる独立タイプで、DINレールへの取付けも可能です。 
 オプションのNFC対応RFIDリーダライタとのドッキングが可能で、従業員IC カードなどと連携したシステムの構築が可能です。
 製品についての詳細は、お気軽に当社営業担当までご連絡ください。

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