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『医療用医薬品への可変情報表示検討セミナー』
『講演内容のご紹介(前編)』

Vol.95

 昨年6月に厚生労働省より新バーコード表示の改正通知の発表を受け、PTP等の内用薬や外用薬の調剤包装単位への新バーコードの表示が必須となり、販売包装/元梱単位に可変情報表示を進めることになりました。また、世界的にも医薬品へのバーコード表示の管理要項が進んでおります。先月弊社主催のMTSセミナーではこれらの最新情報とGS1の基本技術情報に加え医療機関で新バーコード表示がどの様に活用されているのか、特別講師をお招きして医療現場の生の声をお届けいたしましたので、講演内容をご紹介させて頂きます。

第1部 GS1 システムの基礎知識

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GS1とは、1977年欧州12ヵ国の流通業界とコード機関によって創設された国際EAN協会がその前身であり、日本の流通システム開発センターはその翌年既に加盟しています。2002年に米国とカナダの流通コード機関が加盟したことにより、2005年には“GS1(グローバルスタンダード1の略)"に組織名が変更され、名実ともにグローバルな流通標準化機関になりました。現在では100以上の国・地域の流通コード機関が加盟しています。
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 GS1データバー(RSSコード)やGS1-128の“GS1”は、この組織名(本部:ベルギー)が名づけられています。
 GTIN(ジーティン)(Global Trade Item Numberの略)とは、国際的流通標準化機関のGS1により標準化された国際標準の商品識別コードの総称のことで、JAN商品コードの先頭一桁に梱包形態区分を追加した14桁で揃えた商品コードを使用することになっています。GS1-128やGS1-DataMatrixなどのバーコードにおいては、アプリケーション識別子としてAI(01)に続いて14桁のGTINを表示します。
 AI(=Application Identifier)とは、アプリケーション識別子と言われ、1次元、2次元のバーコードシンボルや、電子タグ等の自動認識技術を介して様々な情報を、企業間でデータ交換するための国際標準規格で、情報項目ごとにデータ長や使うことができる文字種などの表現方法がルール化されており、誰でも標準的に使えるようにするデータ表現方法です。

 今回の新バーコード表示ガイドラインでは、下記の表のAIを使用することが決められています。
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第2 部  中国・韓国のバーコード表示の解説

【中国で進むシリアライゼーションの対応】

 中国では、2011~2015年医薬品電子監督管理業務計画により『医薬品電子監督管理コード』が制定され、該当する医薬品を中国へ輸出する際には、医薬品電子監督管理コードに準拠したバーコードを表示する必要が出てきます。
 医薬品電子監督管理コードの規定には、エンコード(情報を一定の規則に従ってデータに置き換えて記録すること)、貼付け方法、印刷品質、データ収集に対して規定されています。
 中国では、医薬品電子監督管理コードを規定することにより、医薬品の身分証明番号の制定(偽造薬防止)、データの保存と収集(トレーサビリティ)、物流フロー等情報サービスの確立を目的としています。

【韓国で採用されたGS1-DataMatrix】

 韓国では『医薬品バーコードと電子タグの使用及び管理要綱』が制定されています。
 管理要項では、医薬品の情報表示に“バーコード”又は“RFID”が選択できるようになっており、指定医薬品及び専門医薬品のバーコード表示には、使用期限・ロット番号・シリアル番号の表示が必要となっています。
 バーコード表示にはGS1-DataMatrixが指定されており、日本の厚労省が規定するGS1-データバー(コンポジットコード)とは使用するシンボルの指定が異なっています。
 韓国へ指定医薬品を輸出する場合には韓国の管理要項に準拠したGS1-DataMatrixを印字して出荷する必要があります。

第3 部 新バーコードの注射薬での運用とPTP におけるバーコード表示の活用(前編)

(特別講演:芳賀赤十字病院薬剤部 中里先生)

 芳賀赤十字病院様では、早くからバーコードを活用してヒューマンエラーの撲滅や業務の効率化に取り組まれており、今回の医薬品へのバーコード表示実施に関する通知により医療機関における期待と効果、逆に問題点など現場の講話を頂きました。
 多くの施設では医療安全対策で悩んでおり、バーコード利用は「薬品管理」と「医療安全」に大きな期待ができます。
 バーコード読み取りによって得られる情報は、バーコード自体の情報の他に、決められた物や種類だけに付与された付加情報や、読取回数/読取時間などの行為情報も得ることが可能です。『薬品管理』では“データの正確な入力”と“省力化”を目的として、薬品の在庫管理や救急カートの管理、特定生物由来製品の管理でバーコードが活用でき、『医療安全』では主に“ ヒューマンエラー防止”を目的として処方薬、注射薬の監査や抗がん剤混注監査で活用しています。

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《現場の声:実際の医療現場における安全対策でのバーコード利用のポイントとしては、“スキップを招きにくい!”仕組みを考える事が重要であり、効率を優先する現場では、「手間」をかけてチェックする対策は、人間の特性から対策の省略を招きやすいそうです。》

 注射セット監査での活用例では、注射せんの指示に従い患者ごとに注射剤をセットします。
 一つ一つ薬品のバーコードを読み取り、処方データと出された薬品の種類と数量を監査する。セットミスがあった場合には警告音とエラー画面を表示して確実にヒューマンエラーを防止しています。監査での利用による安全性効果については、表2を参考にして下さい。
 効率性の効果としては、個人別取り揃えで実施しているダブルチェックの“2次監査の廃止”や、輸液等のピッキングや個人別取り揃え作業を補助者に業務シフトが可能となり、薬剤師が専門分野に集中できる効果が期待できます。
 次号では、中里先生による医療現場での活用事例(後編)と「第4部 CSV対応システムのご紹介」の講演内容を紹介いたします。
>>後編へ続く
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技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2013年4月号(558.21 KB)

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