フォークリフト端末を活用した「倉庫管理システム」(後編)

VOL.092 flags 2013年1月号(2023年1月更新 UHFフォーク追加)

前号は、物流現場に欠かせないフォークリフト作業の効率を上げる倉庫管理システムの導入メリットについてお知らせしました。 今号は、システム開発時に体験した問題点と導入後のサポート体制などを含め倉庫管理システムについてお話しいたします。

フォークリフト車載端末の課題

フォークリフトのドライバーと管理責任者の間で一番のネックだったのが、指示書よる連絡手段でした。この課題を無線通信により、”リアルタイムに次の作業指示が画面表示”され、”どの荷物をどこに運んだ”などの現場実績の情報を端末入力すると実績登録が完了するなど、作業の効率化を図るのがMTSの薦める倉庫管理システムです。
パネルコンピュータ(パネコン)をフォークリフトの車載用にするためには導入時だけでなく、運用が始まってから様々な問題が発生します。フォークリフト端末はハードウェアのスペックだけで採用を判断するのは危険で、運用後の問題点に対してのノウハウの蓄積でトータルサポートが出来ているかが重要なのです。
私たちが体験した3大トラブルを以下に記します。

1、車種毎にフレーム形状が違う

車載端末はフォークリフトのフレームに治具を使って取り付けます。しかし、メーカー、車種毎にフレーム形状が違うので、車種毎に取付治具の設計が必要となり、導入予算を大幅に超えてしまったことがありました。

2、不安定な電源

フォークリフトは重い荷物を持上げる時、逆に空のフォークを下げる時、発進時のセルモーター回転時などの様々な状態で、バッテリーからの電圧や電流が大きく上下します。
この不安定な電源によって車載端末の動作不良、最悪は故障の原因となっていました。

3、振動/衝撃

センシティブなパネコン機材の振動/衝撃の対策は必須ですが、車載端末に対してどの様な振動/衝撃の対策をするかは、車載端末メーカーの見えないノウハウとなっています。
一例を挙げますと、取付治具に衝撃吸収材を挟むだけでパネコンを取り付けて対策する方法などが考えられますが、この取付け方法で運用を続けていくとネジの緩みが原因で故隠する可能性があることがわかりました。

こだわり抜いた車載端末

当社車載端末の特長

MTSでは物流現場のオペレータや設置業者の生の声を徹底リサーチして、車載端末を単なる機器販売のみに留まらず、設置から運用までのフルサポートを考慮したフォークリフト車載端末Windows10を搭載した「TCP-05Fork-win10」を商品化しています。
なんと言っても現場は室内外の温度差や砂塵、水滴等過酷な自然条件が多く、唯でさえ精密機械にとってはとても苦手な環境となりますが、防滴防塵の環境対策はもちろん、電圧の変化に対応し、且つノイズの解消に効果を発揮する特許取得済電源装置を標準で採用しています。
また、終業時の保管や万一の故障時などには、容易にパネコンの脱着可能な取付治具にも徹底追及をして、簡単取り付け、取り外しを実現しました。

【車載端末としての特徴】

  1. 振動/衝撃への対応
  2. メンテナンスの容易性
  3. 視認性の調整が可能
  4. 安定電源を確保
  5. 高い拡張性 USB × 3ポート

専用工事で安心サポート

ハンディターミナルと車載端末の比較

ハンディ車載端末特徴
画面の視認性画面が広く見やすい
バーコード読み取りロングレンジスキャナで運転席からバーコードが読み取り可能
操作性タッチパネルの大きめのボタンで操作が容易
入力の容易性テンキーボードなどの取り付けが可能
運用性ハンディターミナルは落下や格納方法を個別に検討が必要

フォークリフトへのイニシャルの取り付けは、高圧電源部を扱うので、熟練者による設置作業が必要となります。
端末の供給で製品サービスが終わるのではなく、安心して長期に運用いただけるように努める事がメーカーの責務と考え、取付治具、専用特殊電源の設計を果たしております。もちろん、取り付け後の安心運用までを提供できる体制を用意しております。
現場の環境分析から専用工事までを一貫して提供しトラブル発生時にも迅速に対応いたしております。

作業内容人での管理ハンディ車載端末アウトプット
指示の入手受取りに行く現場で確認現場で確認短納期
指示の確認紙面で確認小さい画面大きな画面短納期
対象物の確認目視で確認バーコードバーコード高品質
運搬の記録指示書に記載無線で転送無線で転送高品質
作業実績の入力作業後に入力リアルタイムリアルタイム高品質
指示の変更作業者を捕まえる現場へ直接指示現場へ直接指示高品質
進捗の把握事務所で入力後リアルタイムリアルタイム短納期

フォークリフト端末による倉庫管理システム

フォークリフトに乗ったままバーコードを読み取ることで入出庫作業の効率が上がります。

フォークリフトにタッチパネル端末を設置し、倉庫管理をシステム化することで作業の効率化およびリアルタイムでの進捗管理を実現します。バーコードやRFIDを使用することで、人的ミスを防ぎます。

UHF帯RFIDによるフォークリフト作業管理 某製造業様

UHF帯RFIDによって、フォークリフトによる作業効率が向上し、フォークマンの作業負担が軽減します。

UHFフォークはUHF帯タグの自動読取りで荷物の番号とロケーションを紐づけ、効率的な管理を実現します。 現場の負担を軽減するとともに、ロケーション管理の精度を向上させます。