医療用医薬品の新バーコード表示(前編)

GS1 image

VOL.088 2012年9月号

 2008年9月から厚生労働省により「医療用医薬品の新バーコード表示」の第一弾が施行され、4年経った今年の6月29日には適応範囲の拡大が盛り込まれた「一部改定通知」が厚労省より発表されました。  今回から前編・後編の2号に渡って今年発表された“一部改定通知”の内容と医療用医薬品業界での新バーコード表示の現状を解説いたします。

スタートから4年!標準化の浸透具合は?

 2008年9月に厚生労働省から通知されていた「医療用医薬品の新バーコード表示」が施行され今月でちょうど4年が経過しました。 
 同省の当初からの狙いとして医療品の取り違え事故の防止やトレーサビリティの確保、医療品の流通効率化を図る観点などから、新バーコードの普及実施を早期に標準化する目的がありました。
 しかし、利用者側にとっては、“RSS/RSS合成シンボル”や“GTIN”、“アプリケーション識別子”など馴染みの無い単語で解説されるガイドラインはなかなか浸透せず、実施を開始した企業様の中には、認識不足により誤った新バーコードを表示して出荷してしまい流通トラブルや市場回収の対応などが迫られる事例も起きてしまい、市場浸透への妨げになっていました。
 当時、弊社も毎月のようにRSS/RSS合成シンボルに関する説明会を開催し、多くの企業様からのご出席を戴きながら新バーコード表示の啓蒙と、正しい新バーコード表示を運用するための情報提供を続け標準化のための普及活動を推進してまいりました。
 この様な地道な普及活動を続けると共に、新バーコード表示の義務付けが始まって以来4年の歳月が経過したことにより最近の厚労省による製造販売業者への調査結果では、通知で求められた新バーコード表示が必須となる項目において96%を超える表示率となっており、必須表示項目では概ね全ての製品に表示されている状況まで浸透しました。

今年の新バーコード表示の一部改定通知

標準化の普及状況を背景に、厚労省が今年の6月29日に医薬品の適応範囲拡大を盛り込んだ「新バーコード表示の一部改定」が通知され、更なる標準化の普及を推進しています。

 改定された主な項目は下記の5項目です。

1.必須表示項目として内用薬/外用薬の調剤包装単位を対象とする。
2.元梱包装単位には“30:数量”を必須表示とする。
3.使用するアプリケーション識別子 (AI)。
4.GTINのパッケージインジケータ(PI)は、“0”、“1”、“2”とする。
5.2015年よりJAN及びITF商品コードの併記は禁止とする。

内用薬/外用薬の調剤包装単位への新バーコード表示

1.内用薬/外用薬の調剤包装単位への新バーコード表示は平成27年 (2015年)7月までに実施(左表A参照)

特定生物由来品/生物由来品の元梱包装単位の新バーコード表示

2.特定生物由来品/生物由来品の元梱包装単位の新バーコード表示には数量(30)が必須表示(左表参照)

新バーコード表示で使用するアプリケーション識別子(AI)は6種類

3.新バーコード表示で使用するアプリケーション識別子(AI)は6種類

GTINの梱包インジケータ(PI)は3種類

4.GTINの梱包インジケータ(PI)は3種類

2015(平成27)年より新バーコード表示とJAN及びITF商品コードの併記は禁止

現在、販売包装単位に表示されているJAN及び元梱単位に表示されているITFは、新バーコードとの併記をしていますが、2015年(平成27)年7月以降に出荷されるものについては併記してはならないことになりました。
 ※2013(平成25)年9月までは併記する事になっています。

一部改訂に関する基礎情報

今般の改定要項に則したバーコード表示の普及に向けて、標準化のガイドラインを全て把握し、導入後のトラブル要因を事前に対策しながら、ユーザだけで標準化に対応する事は非常に困難といえます。
 弊社では、この改定新基準の詳細についてお客様により詳しくご理解いただくために専門のスタッフを窓口にご用意してお客様の疑問にお答えできるよう整えております。 
 また、お客様が標準化への対応するための、様々な製品とサポートメニューを取り揃えております。
 
 どうぞ、お気軽に弊社営業担当までお問合せください。

 来月号は、さらに詳しくトラブル事例などを交えて改定情報を解説いたします。

マーストーケンソリューションがお困りの問題を解決いたします!!

弊社のソリューションパッケージ製品「GS1-チェッカー」は、2012年6月29日 厚生労働省より通達があった“「医療用医薬品へのバーコード表示の実施要項」の一部改正について”(薬食安発0629第1号)にも対応済ですので、バーコードを読ませるだけでガイドラインの適合チェックが誰でも簡単に行なえます。
さらにバーコード照合機能を利用すれば包装材のセットミス、医薬品の取り違え防止も行なえます。