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『変わる、固定式スキャナに求められる新たな現場ニーズ(後編)』
Vol.69
前号では、様々な現場の声に対応した固定式スキャナの進化と活用シーンについてご紹介しました。 今号では、コンベア周りの設計思想を大幅に改善する新型スキャナについてお話しします。
効率的なコンベアの配置がしたい
産業発展の根幹をなすオートメーション化に大きく貢献してきた固定式スキャナは、その歴史を重ねるごとに進化し、小型・軽量化に伴い設置スペースにも既に気を配る必要がないものと考えられてきました。スキャナメーカー側としては、その性能や価格など、高機能低廉化を果たしきり、互いに競い合う要素が枯渇した製品群という位置づけに仕分けされつつありました。
しかし、設備設計者の視点から見ると、スペースの無駄を省く設備の効率化と、同時に求められる現状以上の作業能率アップを図るという使命には、まだまだ十分にその要望を満たし切れていませんでした。
確かにスキャナ自体を見るとその大きさは格段に小型化したことはユーザの方々にも認めて頂けていますが、設置スペースとは“スキャナ自体の大きさ”だけを指した訳ではなく、稼動できる状態までに現場を仕上げた時に“どれだけ効率的なコンベアの配置が出来ているか!”と言うことが設計者を長年悩ませていた問題だったのです。
設備設計者のお話しをとことんお聞かせいただいた結果、スキャナ自体の小型化よりもむしろ設置した状態でコンベアから読み取り距離を確保した状態までの条件で奪われてしまうスペースが難題であることが判ったのです。
当社もスキャナメーカーとして、従来製品は十分小型軽量化を果たし高機能高性能でユーザニーズを適えたものと考えていましたが、現場全体を見据えた設置性の効率化が置き去りになっていたことに気付かされました。
コンベアべた付けスキャナの誕生
『コンベアにべた付けしてバーコードが読み取れれば無駄なスペースは無くなる!!』この発想が当社の開発技術者に与えられた今回の課題でした。
従来のスキャナは、ターゲット(ワーク)に対して、十分な距離を確保して設置位置を決めなければなりませんでした。そのため読み取り距離がコンベア周りの無駄な空間を産み出す元凶になっていたのです。
その空間を如何に取り除き、近距離で幅広いバーコードを正確に読み取りさせるかが、新製品開発への挑戦の始まりでした。
この課題を全て解消させ、新たに誕生させたのが、TLMS-5600RV「近距離幅広読み取りレーザースキャナ」です。レーザーの発射機構や受光部を一から見直して、全く新しい設計思考を取り入れました。
その結果、ワーク面からわずか5cmの近距離で20cm幅のバーコードを読み取ることが可能となり、さらに、スキャナ本体もわずか5cmのスリム化を実現しています。
まだあった現場の声
マテハン設計者や設備担当者に現場の目線でヒアリングを重ねると、まだまだ固定式スキャナに対する現場の声が残っていました。
・第一にスキャナを大量に設置する時、スキャナを一台一台パソコンに接続して同じ設定を繰り返すのは非常に工数が掛かってしまうこと
・第二に稼動後に読取り率が低下した時に、スキャナの状態確認や設定変更を行うには、パソコンを現場に持ち込んで設定しなければならないのは非常に手間になっていること
・第三に設置後のスキャナはコンベアに固定したり、保護するための冶具で囲ってしまうので、コネクタの抜き差しや、設定パネルの操作が困難な場合があることなど、実際に作業するユーザならではの声を聞くことができました。
新製品の近距離・幅広スキャナ『TLMS-5600RV』は、設計段階からこれらの声に応えるための仕様が盛り込まれています。
新型スキャナーへのお問い合せ、又は、新たに設置をお考えのお客様は、お気軽に当社営業担当者へお知らせください。
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固定式レーザースキャナ(TLMS-5600RV)
TLMS-5600RVは、従来のコンベア周りでの設計常識を覆す省スペース化を実現させました。当社独自開発の広範囲読み取りテクノロジー(特許出願中)で、スキャナ面からわずか50mmの近距離で200mmのバーコードを読み取ることを可能にしました。これにより、コンベア周りの無駄なスペースが不要になり、作業効率をより向上させるレイアウトの新しい思考が広がります。スキャナ本体もわずか50mmで、現場のスリム化に貢献しています。 従来から現場の担当者を悩ませていた機器の設定も本体操作パネルで確認しその場で実施できる上、導入時や設定変更時など大量のスキャナを操作する時でも、設定機やパソコンを現場に持ち込む必要もなく、設定値のUSBメモリを差し込むだけで簡単設定ができ、一発コピーで大幅な作業時間の短縮が可能です。さらに、LANで接続すればリモートの監視や設定変更が随時事務所に居ながら行うことが出来ます。
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