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(三菱原子燃料株式会社様の実例紹介)
『ダイレクトマーキングを活用した原子燃料棒管理の取り組み』

Vol.62

私たちの生活に欠かせない電力。日本ではその総発電電力量の約1/3は原子力発電でまかなわれています。原子力発電の現場では、より安心、そして安定したエネルギー供給を目指し、日夜徹底した安全第一の管理が施されています。 今回、原子燃料供給の最大手である三菱原子燃料株式会社様のご協力を得て、実際に行われているダイレクトマーキングシステムを活用した『原子燃料棒の管理』をご紹介いたします。

三菱原子燃料株式会社様のご紹介

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茨城県那珂郡東海村。ここに、昭和46年から、原子燃料の設計・製造に取り組む三菱原子燃料株式会社様があります。人々が安心して暮らせる豊かな社会を築くために、安定したエネルギー資源を確保する原子力の利用は欠かせません。

工場では、安全を第一に高品質で経済性の高い原子燃料の製造をされています。

燃料棒のバーコード管理

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原子力発電は、原子炉内の燃料棒に納められた二酸化ウランの核分裂反応で発生する熱を使って水を沸騰させ、その蒸気で蒸気タービンを回して発電しています。

燃料棒(被覆管)とは、約4mの長さの金属棒で、中には燃料ペレット(二酸化ウラン)が挿入されています。また、燃料棒およそ180~260本が集合して、燃料集合体1体となります。原子炉の圧力容器内には120~200体前後の燃料集合体が装荷されています。

この燃料棒の1本1本のトレーサビリティを行うため、三菱原子燃料様は、設立当初から管理課題として取り組んできました。当初は識別番号の付いたラベルを貼っていたそうです。当然ながら、英数字の目視や手記入などは、作業者の負担を大きくしていました。しかも、ラベルは手貼りしており、燃料棒は加工の工程上で回転するため、取付位置が固定できず、また、剥がれてしまう可能性もあり、自動化が難しい状況にありました。そこで、金属に直接バーコードをマーキングする方法に取り組まれました。どの回転方向に位置しても読めるように、燃料棒の円周上にバーコードをマーキングしたのです。

情報システム室の鈴木主任によると、トレーサビリティの取り組みは過去30年にわたり、原子炉内の集合体からその燃料棒の1本1本まで記録して履歴データとして保管し、常時トレースバックが可能とのことです。

さらに、燃料ペレットのプレス、焼結、燃料棒への充填、集合体への組み込み等全ての工程に対して紐付けられ、完全なトレーサビリティによる品質管理と安全管理が実施されています。

燃料棒ダイレクトマーキングの読取向上への取り組み

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加えて、お客様の条件としては、読み取りだけでなく、各工程での装置組込上、取付位置が異なるため、これに対応すること、さらに、最も難しかったのは隣り合わせに20本ほど並んだ燃料棒をひとつひとつ読み込ませなければならないという課題でした。

これらの課題は、弊社製品のTFIR-3151NETの機能で全て解決することができました。取付位置の違いによる読み取り距離の対応は、弊社の技術センター(東京都調布市)にお招きし、共同で読み取りテストを行い、Cマウントレンズの適切な選択を行いました。さらに、シャッタ、ゲイン(明るさ補正)、画像補正の条件を複数登録し実行するスイングモードにより安定した読み取りを可能にしました。

並んだ燃料棒のバーコード読み取りに対しては、デーコードエリアを座標で範囲指定する機能で対応しました。

施設技術部の折内主任は、弊社製品をこう評価しています。

「今までは、専用の画像処理ボードとオリジナルの読み取りプログラムを使っていましたが、次世代までの安定した供給と保守を考えると、汎用性の高い2次元コードリーダーが望ましく、高速なLAN通信が可能であることは、大きなメリットになりました。今後は、小型化、高速化に加え、メンテナンス用にライブ映像も見れるといいですね。」

更に、従来機をより小型化、高速化した新製品TFIR-3171にも、大きな期待をお寄せいただいています。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2010年6月号(1.36 MB)

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TFIR-3171NはCマウントレンズを自由に選択することで、読取距離、シンボル密度、ワークの素材色など、さまざま条件下でも優れた読み取り能力を発揮します。 ダイレクトマーキングなど低品質のマーキングに対して『画像前処理機能』や読み取り状況に合せて自動で設定を合せる『テーブルモード』など現場で必要な豊富な機能を満載。

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