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『RFIDを活用した工程管理システム』

Vol.58

これまでRFIDについては、RFIDの特徴や2次元コードとの棲み分けなどを ご紹介してきましたが、今号は具体的なFAの現場での運用例として『RFIDを活用した 工程管理システム』をご紹介します。 従来、RFIDは導入コストがネックとなり敬遠されがちでしたが、バーコードや 2次元コードとの比較でRFIDならではの特徴を活かした付加価値もご紹介します。

RFIDとは

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まず始めに、RFID(Radio Frequency Identification)の復習を少し致します。

RFIDは、ICチップとアンテナから構成されており、(社)自動認識システム協会では以下のように定義されています。

1) 携帯容易な大きさであること
2) 情報を電子回路に記憶すること
3) 非接触通信により交信すること

携帯要領では数千ケタの情報量が記憶可能な物もあります。 また形状(タグやカード、箱型など)や電力供給(アクティブ、パッシブ)方式により分類されています。バーコードや2次元コードとの大きな違いとしては、次の7つの特徴が挙げられます。

1) 書き換え可能
2) 複数同時読み込みが可能
3) 非接触で読み込みが可能
4) 環境性
5) 耐久性
6) 被覆が可能(シール、ガラス、樹脂、セラミック等)
7) 個体識別情報取得が可能(UID)

欠点としては、周囲に金属がある場合、交信領域が減衰することや水分によって電波が吸収されてしまうなどの影響があるなどがあげられます。同じ周波数帯や形状、電力供給方式によっても異なるため、RFIDが効果的に機能する業務や使用環境の分析を実際に使用する現場で事前調査が必要となります。

RFIDの特徴を活かすシステム作り

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近年、主に製造業を中心に、対象物に2次元コードやRFIDタグを貼り付けて、原材料の調達から製造、輸送、販売に至る全体的なモノの流れを管理するトレーサビリティや入出荷管理、生産管理など個体レベルで情報を管理するニーズが拡がってきています。

RFIDは前述の特徴としてバーコードや2次元コードで実現できない大量のデータの書き換えが可能で、非接触で読み書きができるツールとして様々な分野での活用が検討されています。

そこで生産現場における工程管理に着目し、RFIDの特徴を活用した実績管理ついてご紹介します。

実績収集ツールとしてのRFID

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予定情報に対する実績を把握するための手段としては、一般的には作業日報を用意して作業員が直接記入して管理をする方法があります。

日報をベースとした実績管理の基本は、全ての日報情報を集計しなければ進捗や作業工数の把握、作業効率の分析ができません。しかし、日々の作業日報の記入は作業員にとっても負担が重く、一日の最後にひとつひとつの作業を思い出して記入するやり方では正確な作業実績を把握することは困難です。

また、現場のリーダや部門長にとっても日々提出される手作業の日報の集計は大変煩雑であり、加えて正確性の要求から、管理職自ら何度も現場に足を運び進捗を確認するなどの状況が発生しています。

一方バーコードによる実績収集は、作業の開始や終了を示すバーコードを読み取って実績情報を日報に反映させて記入の手間を省くことができますので、リアルタイムに進捗や工数を把握することでより安易に管理が可能です。しかし、より正確な実績情報を取るためにバーコードの数を増やすなどして、読み取り間違えが発生し易くなるなどの問題や、バーコードが貼られている場所を探す時間、 バーコードに狙いを定めて読み取るための時間が新たに発生することも指摘されています。

作業進捗は作業員が簡単に操作できてリアルタイムに実績情報が反映される仕組みが求められ、リーダや部門長にとっては現場に足を運ぶことなく進捗を把握し、多様な作業指示に対して柔軟に対応することが求められます。

そこで、作業指示書にRFIDを活用すると、大容量の情報を収納できることから工程情報、作業情報を記憶させます。追加情報として、出来高や作業活動時間などの作業実績情報も記録が可能です。その上、作業指示書として使用したRFIDは、作業終了後に情報記録を消去することにより、次の作業指示書として再利用することが出来るのです。

作業実績収集をベースとした工程管理

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具体的な活用事例として当社が開発した 『非接触ICカードマルチ端末(以下、マルチ端末)』を活用したRFID工程管理システムをご紹介します。 

当システムでは作業指示書と作業員カードにRFIDを利用しており、作業指示書の表示面には指示内容を印字し、RFタグの中に指示情報を書き込みます。実際の作業手順は、マルチ端末の上に指示書を置いて作業開始を登録します。次にIC作業員カードを端末にかざして工程や作業を選択して作業を開始します。終了時も作業指示書タグとIC作業員カードをかざして、出来高数を登録します。

作業開始が登録された時点で進捗管理用PCには作業名称と作業員が紐づいた形で表示されますので、誰が、どの作業を、どれくらい行っているかが一目で判るようになります。作業実績がリアルタイムで集計されていますので、作業日報から時間や出来高を集計する作業がなくなります。

集計されたデータはCSV形式で出力できますので、上位の生産管理システムへのデータ連携の容易性はもちろん、さらにその上位システムへ“精度”と“鮮度”の良い情報を供給することが可能になります。

生産現場における入力作業を容易にするマルチ端末

マルチ端末 MTR-200は、効率的な実績情報収集用の端末として開発され、7インチタッチパネルとRFIDのリーダライタを搭載しています。作業者は画面に表示されたボタンを選択するだけで作業実績が登録でき、出来高などの実績情報もタッチパネルから容易に入力することが可能です。また、リーダライタが一体化となっているため設置場所を選びません。

RFID単体では導入コストがまだ高価ですが、生産現場で導入したIC作業員カードを、“入出退管理”、“タイムカード”、“セキュリティゲート”など、RFIDならではの付加価値の高いトータルソリューションへの応用をすることが可能なのです。

業務改善や効率化のためのツールとしてRFIDをはじめとする自動認識技術の導入をご検討される際には、ぜひ、お気軽にお声掛けください。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2010年2月号(1.14 MB)

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