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『ダイレクトマーキングの読み取り技術について』

Vol.56

ダイレクトマーキングのニーズや利用法については前回の号で紹介しましたが、ダイレクトマーキングの導入はラベルや紙への印刷に比べると、いくつかの課題をクリアしなければなりません。 今号では課題の一つでもある読取り技術について解説します。

ラベル印字と何が違うの?

ラベル(紙を含む)とダイレクトマーキング(以下、DPMと称します。DPMはダイレクトパーツマーキングの略です。)では印字方法も然ることながら、読み取り方法も大きな違いがあります。

DPMを利用するに際しては、“印字”と“読み取り”の両方の特性を事前に考慮しておかないと、導入してから大きな問題となることが判っています。ラベルとDPMの特性の違いは、次のとおり、大きく4つに分類することができます。

1.バーコードや2次元コード自体の印字サイズ
2.印字コントラスト
3.光の反射
4.印字品質のバラつき

印字サイズの違い

まず、ラベルの印刷の場合はレイアウトを比較的自由に設計できるため、バーコードや2次元コードの印字サイズも視認しやすいように大きめに印字できます。

一方、DPMの場合は、今まで個体管理が難しかった電子部品や液晶など小さな部品が主な対象となるため、2次元コードを非常に小さく印刷しなければなりません。

ラベルへ2次元コードを印刷する場合は「0.25mm」以上のセルサイズが推奨となります。 DPMの場合は「0.167mm」前後が主流ですが、極小のセルサイズでは「0.04mm」で、2次元コードの一辺が1mm角以下で印字して実際に運用されている現場もあります。

印字コントラストの違い

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次に大きな違いとなるのが印字対象となる素材の下地色です。

ラベルや紙の場合は、下地色が「白」で印字は「黒」の場合がほとんどでコントラストが取りやすい状態ですが、DPMの場合は “金属”、“ガラス”、“樹脂”などが印字対象となるために、下地色が「鏡面」、「透明」、「黒」など雑多になります。 また、印字もインクやリボンを使用せず、レーザーやピン(針)を使用して直接「“削る”、“焼く”、もしくは“打刻”する」ことになるので、ほとんど印字色が付きません。 そのために、非常にコントラストが取りづらい状態となっており、優秀な人間の目をもってしても印字箇所が認識し難い状態となっています。

分かりやすく例えると、黒い紙に灰色のペンで字を書いた状態を思い浮かべてみてください。

光の反射の違い

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前述のとおり、DPMの場合は“金属”、“ガラス”、“樹脂”などが印字対象となるために、通常のスキャナで印字コードを読み取ろうとすると、スキャナが発する照明の光が素材に反射してしまい、スキャナにはハレーションを起こした真っ白な画像しか写らなくなります。その結果、DPMの印字コードを解析することが出来なくなります。

この状態も分かりやすく例えると、市販のデジカメでフラッシュを点けて鏡に映った自分を撮影したときの状態を思い浮かべてみてください。

印字品質のバラつき

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DPMの場合、大半が小さなサイズで2次元コードを印刷します。

小さなサイズを印刷するためには、非常に高精細な印字能力が必要となりますが、ちょっとした素材の硬さのバラつきなどで刻印にバラつきが生じてきます。 さらにレーザー出力の経年変化やピン(針)の磨耗などにより、刻印したドットにバラつきが生じ易くなってきます。

スキャナは逆に小さく印字された2次元コードを拡大して撮影するので、刻印時に発生したバラつきが顕著に画像に現れてしまい、2次元コードとして解析することが非常に困難になります。

ドットピンマーキング(打刻)を例にすると、ピン(針)先は尖ってはいますが丸いスポットです。 丸いピン先で2次元コードの四角いセルや直線を正確に印刷することはほぼ困難なのです。

ダイレクトマーキング用の読み取り技術

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DPM用の2次元コードスキャナは上記で述べた4つの特性を“カメラ”、“照明”、 “画像処理”の3つの技術を駆使して問題解決をしなければなりません。

印字サイズについてはカメラのレンズ設計で比較的クリアしやすいのですが、 コントラストと光の反射については非常に高度な“照明”と“画像処理”技術が必要となり、スキャナメーカーの腕の見せ所となっております。

MTS(マーストーケンソリューション)では長年にわたるDPM読み取り技術に対する取り組みの結果、「Dual Illumination Technology」を搭載したダイレクトマーキング用ハンドスキャナを開発しました。

照明には斜めからと正面からの2方向からのLEDライトを搭載して、ガラスや金属には斜めから照明を当てて、ハレーションが起きないような撮影を補助し、加えて赤と緑の照明色を採用して多彩な照明コントロールを可能にしており、一台でさまざまな素材に対応可能となっております。

更に、当社の開発したこのDPM用スキャナは、カラーカメラを標準装備しているので、 白黒カメラでは不可能な緑の画素と赤の画素のそれぞれで取得した画像を結合させる事により、より鮮明な2次元コードの画像を浮かび上がらせる事を可能にしました。

ダイレクトマーキング対応機器紹介動画

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2009年12月号(2.18 MB)

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