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『食の安全を守る自動認識システム『その3』~入荷検品編』
Vol.49
前号では、入荷検品の重要性と全ての作業の元となる原材料用のラベルを効率的に発行する方法を紹介しました。 今号では加工工程へ誤った原料を流さないための第一の関所となる『ピッキング』と入荷検品した材料の『在庫管理』にスポットを当て具体的な事例をご紹介します。
簡単にピッキング作業を効率化するには?
ピッキング作業の理想は、「誰がやっても同じスピードで、間違いなく、最短ルートでピッキングができる事」です。
しかし残念ながら現実は、原料倉庫の「主」みたいなベテランの作業員がその場を取り仕切っていて、"そろそろ○○原料がなくなるから、この時期にこれ位は発注しておこう。"とか、"担当さんが休みだからピッキングに倍の作業時間がかかった。"など、ほとんどマンパワーに頼り切りのケースも多いという現場の悩みを聞くことがあります。
もし、ベテランの「主」が居なくなったらどうしましょうか?そうした不安を解消する方法をお知らせします。
バーコードターミナルと2次元コードで行う効率化
まずハンディターミナルの画面上に最短ルートの保管ロケーション順で原材料のピッキング情報を表示しておきます。作業者は、画面に表示された指示に従い順番にピッキングを繰り返していきます。こうした動作の繰り返しで、作業者間の経験の差が驚く程解消されていきます。誰が作業しても効率の良いピッキングを行うことが可能になるのです。
さらにピッキングした原材料を加工現場へ払い出す時には、原材料に貼付されたラベル内の2次元コードをハンディターミナルで読取らせることによって、取り違い事故を防止することが出来ます。(払い出しの指示と違う材料の時は、画面に間違いを知らせるための警告が出るようにしておきます。)
次に、作業上でチェックする項目は"原材料コード"だけでなく"数量"、"賞味期限"、"ロット番号"、更には"品質判定結果"まで広げ、情報を2次元コード化しておくと、後工程(加工工程)に間違いを届けない安心・安全の仕組みが完成していきます。
このようにハンディターミナルを導入し、その画面にピッキング対象物のロケーション、数、順番を表示させ作業を簡素化し、加工工程に払い出す時には、払い出す原材料のチェックを2次元コードで行うという単純なシステムの活用で、どの作業者が行ってもミスが無く、平準化され効率化された「ピッキング・払い出し作業」が可能になるのです。
棚卸しも効率化
正確な在庫状況を把握する棚卸し作業においては、通常対象物を動かすことができません。また、製造工程内の仕掛り在庫数を確認する場合などには、全員で作業を一旦ストップし棚卸し作業を優先して実施するケースも少なくありません。従来の棚卸し作業は、ほとんどが作業者の目視と記帳で行われ、非常に時間と手間がかかり、その作業時間中の生産効率を著しく落としていました。
それに対して、自動認識システムを活用して在庫管理システムを構築していくと在庫精度は格段に向上し、作業の時間短縮・効率化が望めます。
「在庫確認で自動認識システムの活用とは、大掛りになるよね。」とのご心配に応えて、次の簡単なシステム構築を提案します。
まずハンディターミナルの画面上に作業指示をロケーション順に表示しておきます。作業者は、その作業指示とロケーション情報に基づいて原料ラベルの2次元コードを読取り、数量を入力していきます。この作業を単純に繰り返していくだけで誰でも簡単に正確な棚卸し作業を終わらせることが出来ます。
従来の台帳に沿って棚番を確認し、原材料名と数を転記していた台帳ベースの運用と違い、確認漏れや記入ミスがなくなり、棚卸し結果の差異等も作業終了と同時に出力することが可能となり、作業全体に掛かるマンパワーと時間の短縮が劇的に向上します。
こうして在庫精度が向上すると棚卸し作業自体の実施回数を減らすことが可能となり、年間で計算すると非生産作業に割かれる時間までもが大幅に削減出来るのです。
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