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『2008年は内部統制とトレーサビリティに注目!』

Vol.33

今年の自動認識業界を大きく動かすであろうキーワードとして、ややマクロ的な視点から「内部統制とトレーサビリティ」を挙げてみました。 今号では今年中に動きを見せる可能性の高い内部統制とバーコード・二次元コードシステムについてお話ししたいと思います。

何で内部統制が?

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『内部統制』は、今年4月に控えた金融商品取引法の施行時に本格稼働するように求められており、現在、各企業では急ピッチで準備が進められています。

『内部統制』と聞くといわゆる「日本版SOX法」を思い浮かべる方も多く、「財務関係のことだから、経営層や経理、総務部門以外には関係ないでしょ?」と、どこか他人事のように考えられていることも珍しくありません。

確かに日本の内部統制は、アメリカの巨大企業エンロンの巨額の不正経理・不正取引事件(2001年12月破綻)、同じく米国の長距離通信大手「ワールドコム(Worldcom)」の粉飾会計(2002年7月破綻)が引き金となり、アメリカの上場企業の会計制度変更と投資家保護を記した通称「SOX法」が制定されたことがきっかけになっています。

事件が注目されたときに企業会計の不正・不祥事というくくりで多く報道されたため、日本では「内部統制=財務関係(=日本版SOX法)」というイメージが定着してしまったのだと思われます。しかし一般に知られている「内部統制(日本版SOX法と呼ばれているもの)」は、 内部統制の中でも財務報告に関する要素の一部分でしかなく、本当の意味での内部統制は「コンプライアンス」や「業務活動」といった要素を含む 企業統治全体をカバーするような枠組み全体のことを指すものなのです。

内部統制とバーコードの切り離せない結びつき

「内部統制」を一言でまとめてしまうと、「違法行為・不正な取引を防止し、財務報告の信頼性を高める仕組み」とでも言えるでしょうか。要するに「上場企業は不正を行う隙間などどこにもない、適正で厳密な仕組み・手続きにしなさい」ということです。当然のことながらこの仕組みや手続きには客観的な監査がなされ、証明されることになります。つまり内部統制は財務関係だけに止まらず、企業の内部にあるすべての業務に及ぶというということなのです。

別の見方をすれば、財務報告は材料などの仕入情報、製造原価、在庫資産、出荷/販売実績などの情報が正確・迅速に積み上げられてできるのですから、「入出荷管理」、「生産管理」、「品質管理」、「在庫管理」、「個人認証」に対しても絶対的な信頼性が必要となります。原油の高騰によって昨年来さまざまな原材料が高騰する一方、マーケットでは激しい競争が続き、そうそう簡単には製品価格に転嫁できないという厳しい状況の中、各企業は利益を確保するためにの継続的な努力が不可欠になっています。 そんな厳しい環境下で業務効率を落とすことなく信頼性を確保すためには、バーコード・2次元コードをはじめとする自動認識技術の活用がより必要になってくるのではないかと予測しています。

再燃するトレーサビリティ

昨年は『偽』という漢字で表されてしまったように、老舗ブランドをはじめとする食品偽装事件・問題の多さが記憶に残った年でした。

近年の食品関連の問題を振り返ると、一昔前のようにシステムの不備や教育、管理不足が原因で消費者に被害が及んでしまう「重大な過失」が引き起こした「事故」というものではなく、表示義務規制を巧妙にかいくぐり、消費者に気づかれないような不正によって利益を確保すると いった、意図的で悪意があると捉えられても仕方がない「事件」に変化しているように思います。

かつての食品事故であれば、原因を究明してシステム上の不備を改善したり、指導や教育を重ねるといった再発防止の対策を講じることができました。しかし、不正による食品偽装事件の場合は、関係者の内部告発による発覚がほとんどで、再発防止のためには、職場や企業に根付いた感覚や常識を改善しなければなりません。事件の再発防止は、食品事故とは比べものにならないほどの困難を要するのです。

今まで私たちは「正確かつリアルタイムに」、「誰が作業しても変わらぬ作業効率と品質の確保」の2つを掲げ、自動認識技術を活用したトレーサビリティを提案してきました。しかし、昨年のように意図的で組織全体が蝕まれているような事件を目の当たりにしてみると、これからのトレーサビリティには、正確性や効率のほかに しかし、昨年のように意図的で組織全体が蝕まれているような事件を目の当たりにしてみると、これからのトレーサビリティには、正確性や効率のほかに、「社会正義」を担保するための仕組みも組み込まなければならないのかもしれないと考えはじめています。

先にお話しした内部統制と重複する部分も多く、また健全な努力で日々活動されている多くの企業には失礼な話なのかもしれませんが、かつてPL法が制定されたときのように、正しい企業だからこそ、その正しさをも自らマーケットに訴えていく必要が出てきたのかもしれません。

老舗の看板をそのまま「信頼」と読み替えることができた頃と比べると、「まず疑ってかかれ」というような昨今の情勢は、なんとも寂しい感じがしますが、トレーサビリティを取り入れて行くことが、企業が信頼を得る近道となる時代が到来したのだと考えています。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2008年1月号(1000.46 KB)