トップ > 自動認識トレンド情報 > データから見る自動認識市場の最新動向

自動認識トレンド情報
技術情報誌 Flags

技術情報誌 Flags 自動認識の世界をより身近に
MONTHLY MARS TOHKEN SOLUTION NEWSLETTER

『データから見る自動認識市場の最新動向』

Vol.26

バーコードをはじめとする自動認識市場は年々拡大を続けています。 利用される場面も製造現場から流通、私たちの身の回りの生活の中にも浸透し、利用する形もさまざまになっています。 今月は自動認識システム協会発表の昨年度の市場統計と今年度の市場予測をもとに自動認識技術の最新市場動向をご紹介します。

自動認識の市場概況


 画像をクリックすると拡大されます。

自動認識技術は現在「バーコード」、「RF-ID」、「バイオメトリクス」の3つの大きなカテゴリに分類されています。

バーコードのカテゴリには2次元コードも含まれ、稼働している台数、新たに発表される製品の数、マーケットサイズともに 自動認識技術の中では一番大きなカテゴリとなっています。 中でも2次元コードはFA業界を中心に浸透してきましたが、ここ数年でほとんどの携帯電話でQRコードが読み取れるようになり、 電車の車内広告や雑誌、観光地での案内などQRコードを利用したアプリケーションが頻繁に目につくようになるなど、2次元コードの利用範囲は着実に広がっています。

物流・運輸業界ではUHF帯を使った長距離通信のRF-IDに注目が集まり、いまもさまざまな分野で実証実験が盛んに進められています。 私たちの日常生活の中では「お財布ケータイ」や「Suica/PASMO」といったICカード内蔵の乗車券システムなど、 毎日の生活に密着したところで利用される便利なツールとして市場が急速に拡大しました。

指紋や声紋などの身体的特徴を利用するバイオメトリクスは個人情報保護法の後押しもあり、銀行のATMなどをはじめとしてさまざまな分野に広がりを見せています。 それにともなって市場は飛躍的に拡大し、自動認識技術の1カテゴリとして成長しています。

2006年度の各カテゴリ市場統計


 画像をクリックすると拡大されます。

(1)バーコードリーダー(グラフ2を参照)

2006年度のバーコード関連市場は製造業の設備投資が増大したことで、出荷台数は2005年度比14.5%増、台数で146万台の伸びとなっています。 特に2次元コード関連ではFA、食品、流通など業態に関係なく幅広く浸透してきています。なかでも無線ハンディターミナルは、 トレーサビリティに求められる情報鮮度とリアルタイム性が重要視されていること、無線LANの高速化とメーカー間の互換性が向上したこと、 さらには利用に際しての専門技術がなくても比較的簡単に使えるようになってきたため、バッチ式ハンディターミナルからの切替えが加速し、出荷台数が伸びています。

(2)RFID全般(グラフ3を参照)

2006年度はアミューズメントなどでの一般消費分野での利用やSuica、PASMOといった交通機関での利用が広がったことで、 出荷金額は12.9%増の364億円となりました(対2005年度比)。 身近なところでの利用については需要が大きく増えたことでリーダ/ライタやタグの低価格化が進み、 これまでRFIDの利用効果に興味を持ちつつも価格面で断念していた製造業などで利用が広がりつつあります。 全般的に良い循環に向かっていると言えるでしょう。

RFIDで利用されている周波数帯域別にみると、短波帯が全体の72%を占めており、 物流・運輸業界で期待されたUHF帯は現在も実証実験が続けられている状況で、全体に占める割合は1.9%に留まっています。

(3)バイオメトリクス

バイオメトリクス関連の製品は、2005年に銀行のATMで浸透した「手のひら認証」やパソコンや携帯電話の「指紋認証」などで用いられたことで 前年度比15倍という飛躍的な出荷台数の伸びがありましたが、2006年度は指紋認証、静脈認証共に一定量普及が済んだことで出荷台数も減少し、 対前年度比の出荷台数は31%減の91万台となりました。

(4)ソフトウェア

2006年度は無線ハンディターミナルやRFID関連製品の市場が大きく伸びたため、それに伴うソフトウェアが大幅に伸び、2005年度比で4.1%増の67億円となっています。 自動認識関連のソフトウェアは、従来はハンディターミナル、POP端末、無線などがメーカー独自の開発環境で作られていたため、 受託開発やユーザーのニーズに合わせた開発が圧倒的多数を占めていました。 しかし、近年ではLAN/無線LANやWEB、Windows CEの普及など開発要素の標準化が進んだこともあって、ユーザー側での開発技術のハードルが低くなり、 ミドルウェアを含むパッケージソフトの需要が増えています。

2007年度自動認識技術の市場動向予測

2007年度のバーコード関連の市場は前年度に引き続き2次元コードや無線ハンディターミナルの伸長が見込まれています。 特に医薬品業界で標準化を進めているRSSシンボルの本格的な展開や、ダイレクトパーツマーキングの技術向上によって自動車部品、半導体、 電子部品業界で固体管理が必要なトレーサビリティへの需要拡大などがすでに予見されており、市場は順調に拡大していくものと予測しています。

RFIDとバイオメトリクスについては、固体認証の利用やセキュリティ関連などで市場が広がり始めており、今 後その仕組みに対する認知度が進むことによって大きく伸展するであろうと予測しています。 特にRFIDはUHF帯がいよいよ実証実験段階から本格的な導入時期を迎えると期待されており、 極小チップの特徴を活かしてチケットやカードなどのセキュリティ分野での利用拡大が見込まれているマイクロ波帯と共に大幅に伸びると予想されています。

このような予測をもとに算出すると、今年度の自動認識全体の市場規模は2,800億円。バーコードリーダー関連では 546億円/148万台規模の市場に成長すると予測しています。

バーコードをはじめとする自動認識技術は今年度もさらに広がりを見せることでしょう。 現時点で予測されている市場の動向に対し自動認識技術をより身近に、より効果的にご利用いただけるよう、 弊社も6月にはRSSコンポジット対応インライン検証機、固定式オシレーティングスキャナ、ダイレクトマーキング検証ソフト。 7月にはRSSコンポジット対応オフライン検証機、2000スキャンリーダなど様々な新製品のリリースを予定して開発を進めています。

技術情報誌 Flags(PDFデータ) 2007年6月号(981.06 KB)