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(いま再び トレーサビリティに注目!(中編))
『目指すのは一石二鳥のシステム』

Vol.24

前号では最近の製品事故からトレーサビリティの重要性と意義についてお話ししました。 今号ではトレーサビリティシステムを導入する上で、実際にはどんな問題があるのか、 その問題点をクリアするための考え方などについて解説します。

そのシステムは「システムのためのシステム」になっていないか?

さまざまな企業で取得されているISO9000やHACCPといった国際品質規格のある種の「落とし穴」の存在についてお話ししました。 この問題は真に有効なトレーサビリティを実現する遠因になっています。まずはそのあたりからお話ししましょう。

企業 ―― 特に製造業にとって情報管理システムがなぜ必要なのかと考えたとき、最初に出てくるのは無駄なコストの削減と効率化、そして事故防止です。 この3点を実現するためには判断材料として社内の情報が必要となり、迅速・正確に情報を収集するためには情報管理システム……となるのです。

表層だけを見ればHACCPやISO9000などの品質規格も、このような情報管理の一環として行われているように見えます。 しかし、現実には製品を製造する工程管理とは別個に「HACCP用」「ISO9000用」とでも言うような別システムが存在することがあります。 別システムの稼働は管理のための管理、運用のための運用、システムのためのシステムとなる場合が多く、現場に対して履歴の蓄積という新たな作業を負わせるだけになりがちです。

このような無駄は企業にとってはもっとも嫌うところです。 ではどうして二重構造的な状態が生まれてしまうのでしょうか。 原因はトレーサビリティを含むリスクマネージメントに対する認識の差にあるのです。
企業内のトレーサビリティに対する認識の違い

一石二鳥のシステムが理想的

生産用の原料を計量する行程「良い製品を作る」、「利益を出す」という同じ目標があっても、経営者と現場の作業者では目の向く方向、気を配る点にどうしても違いが出ます。 現場ではいかに作業者のミスを少なくするか、いかに事故を未然に防ぐか、いかに効率よく製品を作るかという近いところに目を向けます。

一方、経営陣は仮に事故が起きてしまった場合にどうやって製品を回収するか、原因の特定のためにはどのような手段をとればよいのか、 そのために事前に施しておく策はどんなものか、と考えるのではないでしょうか。 事故を未然に防止するのは当然、その上で思いがけず事故が起こったときにも会社の損害をいかに小さく押さえ込むか、事後の対策まで予め考えておくということです。

リスクマネージメントはその企業全体を覆うもので、現場の部分的なリスク管理をつなぎ合わせて作るものではありません。 そうした性質上、全体にわたるリスクマネージメントはどうしても現場サイドでは考えにくい、したがってトップダウンで作らなければならないのです。 そしてこのトップダウンでしか作れないところに「二重構造」が生まれやすい要因が潜んでいます。

つまりトップダウンでできたシステムのために現場で収集する情報が、現場では役立たない危険性があるということです。 これは情報自体が無意味なのでも、情報収集という作業が無駄なわけでもありません。いわばシステム上の欠陥です。

繰り返しになりますが、情報収集の作業が生産効率を落とすことや、不良の発生を増やすことは絶対に避けなければなりません。 トレーサビリティのようなシステムを作るには、効率の悪化を避けつつ必要な情報を漏れなく収集するシステム ― 言い換えれば現場とリスクマネージメントの双方にメリットのある一石二鳥のシステムであることが重要です。 そしてバーコードと2次元コードを使うことが一石二鳥を実現するためにはいちばんの近道なのです。

なぜトレーサビリティにはバーコード/2次元コードなのか?

トレーサビリティを実現する上では、製造現場の現品に対して「原料/製品番号」、「ロット/シリアル番号」を付け、管理することが必要不可欠です。 さらに事故防止の仕組みを構築するには「使用期限」「内容量」「加工用途」「品質情報」などの情報も必要となってきます。

バーコード・2次元コードによる管理以外の方法でこのような情報を管理しようとすると、情報を現品にマジックで記入する、文字情報だけのラベルを貼る、 現品とは別に帳票で管理するといった方法しかありません。このような方法では、「書く」「読む」「覚える」という人間の判断に依存することになります。 いつ「書き間違い」「読み間違い」「記憶違い」といった『ポカミス』が発生してもおかしくありません。

さらに、ポカミスの発生の頻度・可能性は作業者によって差があるため、ポカミスを防止しようとすると、どうしても熟練者に依存した現場になってしまいます。 しかも、どんなに熟練した作業者でもポカミスが起きない保証はなく、コントロール不能のリスクが存在し続けるということになります。

では、バーコードや2次元コードを使うとどのようになるでしょうか。

バーコード・2次元コードシステムで必要なのは、現品に貼られたラベルや印刷されたバーコードを読み取ることだけです。 読み取り操作は簡単で、年齢・性別・経験に関係なく、誰でも操作することができます。操作による誤読はなく、読み取れないときにはエラー音やLEDが知らせます。

作業するたびにバーコード・2次元コードを読み取ることで、実績データを収集すると同時に、異品種が混入していないかどうか、材料は賞味期限/使用期限内のものかどうか、 投入量は間違っていないか、といった事故防止の判断や、次の作業指示を作業者に対して自動的に知らせることができます。

操作は簡単、人間の判断が介在しない、モノと情報が一致したまま動いていく、各ポイントで収集したデータを現場と経営の双方で生かすことができる。 バーコード・2次元コードを利用するメリットは数多くあります。しかもすでに企業の多くの場所で何らかの形でバーコードは使われており、 インフラ整備のために二重投資をする必要もありません。

他の方法と比べて低いコストで導入できるのもバーコードや2次元コードシステムの強みとなっています。(次号後編に続く)

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技術情報誌 Flags(PDFデータ) 2007年4月号(1.05 MB)