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『ご存知ですか? 『防爆スキャナー』』

Vol.19

石油をはじめ、さまざまな化学材料によってさまざまな製品が生産されている現在、可燃物・危険物を扱う工場には事故防止のための『防爆』エリアがあります。 今回は工場にある『防爆エリア』とはどんなものか、そしてそこで使われる『防爆機器』についてご紹介します。
>>当社防爆対応機器一覧

防爆エリアと呼ばれる場所

工場等には『防爆エリア』と呼ばれる場所があります。

石油やガス(LPGやLNG)など、可燃性の液体や気体が存在している場所で電気設備(機器)を使用・設置する時に、 この電気設備などを原因とする爆発や火災を防ぐことが必要なエリア(危険場所)を指します。

通常、爆発性ガスは存在していないか、存在していたとしても濃度が非常に低くなっていますが、仮にパイプが損傷して内容物が噴出したり、 有機溶剤が蒸発したりしてしまうようなトラブルが発生した場合には、爆発性ガスの発生や高濃度化といった危険な状態となります。

このような場所では、電気設備をはじめとする機器類も爆発を防止する構造のもの(『防爆機器』)である必要があります。 この危険場所は、その危険度により0種/1種/2種場所の3つに区分されています。

「危険」はどのように防げばよいか?

いずれの場所においても爆発/火災を防止する手段は講じられています。大まかにまとめると下記のようになるでしょう。

①着火源(この場合は電気設備/機器になります)と可燃物を一緒にしない。

②着火源が着火する状況にならないようにする。

③可燃物の可燃特性をなくす(可燃物の濃度を下げる)。

しかし、業務上、可燃性ガス/液体を常時取り扱っている工場や事業所などでは、着火源と可燃物を共存させないことはほぼ不可能なことです。 可燃物を使用しないとか、着火源をすべて取り除くことは、爆発や火災を防止する上では究極的かつ理想的な解決方法かも知れませんが、言うまでもなく、まったく現実的ではありません。

また可燃性ガスや液体が、大気中への放出や漏洩がないように、設備や装置を設計・製作すれば良いのでしょうが、対策のためのコスト負担が巨大になるため、 それもあまり現実的とは言えない場合がほとんどです。

そこで一般的には、万が一「放出/漏洩」が生じても、工場内の危険の度合いが爆発下限界以下になるように十分な換気設備を備える現場設計を行ったり、 着火源対策として防爆電気設備が採用されたりしています。当たり前のことですが、可燃性の原料や製造工程は人・システムの両面から厳しく管理されています。

化学工場などの防爆エリアを例に管理方法を説明しますと、原料をタンクに投入する際の誤投入を防止するためには、本来投入すべき原料に間違いないかどうかの チェックにバーコードを利用する運用が最も正確で効果的です。原料を投入する前に原料のバーコードを読ませ、そのデータと製造レシピ上にあるデータと照合すること によって、投入すべき原料かどうかを確認することができます。

これがもし人の手で行なわれていたらどうなるでしょうか?

人による目視確認との場合、原料の袋や品番が似ていたりしたときに見間違いをする可能性があります。人間の感覚ですから勘違いもあるでしょう。 もし間違って投入してしまうと、爆発を起こす可能性もあるでしょうし、そのタンクの中身をすべて破棄しなければならなくなるかもしれません。 そればかりか、間違った配合のまま製品が出荷されてしまい、市場に出てしまった製品をすべて回収しなければならなくなる可能性すらあります。 このような状況になると想定していない多大な費用が発生します。現場で作業する方の安全を確保するのも重要なことですが、誤投入を防止するのは単に現場の安全確保だけが 目的ではなく、現場から先に連なる一連の「危険」を防止する意味もあるのです。

「防爆エリア」にも種類がある

このような防爆エリアでは防爆型のスキャナーを使用する必要があります。防爆スキャナーが含まれる「防爆電気設備/機器」には大きく分類して『防爆』の方法が2種類あります。この2つとは、『本質安全防爆』と『耐圧防爆』です。

『本質安全防爆型』の電気電子機器は、回路上で火花が発生しないような設計になっており、0種場所と呼ばれるもっとも危険なエリアでも使用することができます。

『耐圧防爆型』の電子機器は強固な容器で覆われているのが特長で、容器内部に爆発性ガスが侵入して容器内部で引火した場合でも、容器の内側にある微妙な厚さの隙間を通るときに風圧で消えるような構造になっています。つまり、爆発をその電子機器内部だけで食い止め、外部に被害を及ぼさないというもので、このような電子機器は1種場所と呼ばれるエリアまで使用が可能です。

弊社の防爆スキャナーは、耐圧防爆型方式を採用しており、防爆構造の2次元コード/バーコードリーダーでは最軽量の約500グラムという計量化に成功しています。このスキャナーは、バーコード・2次元コードの両方に対応し、高速プロセッサー採用により作業者にストレスを感じさせない読み取りを実現しています。

●危険場所の分類について(参考)
危険場所での適正な機器を選定・使用するために、危険場所は危険性の度合い・防爆電気設備の経済性などを考慮した上で、 可燃性ガス・蒸気の放出・漏洩の頻度、爆発性雰囲気の存在時間によって3つに分類されています。
・0種場所= 爆発性雰囲気が連続して存在するか、長時間存在する場所
・1種場所= 爆発性雰囲気が正常状態で存在する場所
・2種場所= 爆発性雰囲気が正常状態で存在することはないが、その他の状態で存在しても、短時間しか存在しない場所
 
●危険場所の種別に適応する防爆構造の種類 ○:適するもの △:法規では容認されているが、避けたいもの
×:法規には明記されていないが、適さないもの
  -:防爆原理によって適否を判断すべきもの
防爆構造の種類 0種 1種 2種 防爆構造の種類 0種 1種 2種
本質安全 正常時及び事故時に発生する火花や高温部により爆発性ガスに点火しないことが公的機関において試験や確認された構造 防爆構造 正常な状態で点火源となる恐れがないものの絶縁性能並びに温度の上昇による危険と外部からの損傷等に対する安全性をより高めた構造 ×
耐圧防爆構造 全閉構造の容器内部で可燃ガスの爆発が起こった場合に、容器がその圧力に耐えて、外部の爆発性ガスに引火するおそれのない構造 × 油入防爆構造 火源となる電機機器部分を油中に浸し、外部に存在する爆発性雰囲気から遮断して点火しないようにした防爆構造 ×
内圧防爆構造 容器内の保護ガスを外部の気圧より高めて維持するか、容器内のガス濃度を爆発限界より低いレベルにすることで性能を確保する構造方式 × 特殊防爆構造 前述以外の構造で、爆発性ガスの引火防止ができることを公的機関において試験や確認がなされた構造
(注)特殊防爆構造の電気機器は、他の防爆構造も適用(併用)されているものが多く、その防爆構造によって使用に適する危険場所が決定されます。
技術情報誌 Flags(PDFデータ) icon_pdf_big.gif2006年11月号(932.24 KB)

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