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『意外と身近にある自動認識技術』
Vol.09
銀行の「手のひら認証」や携帯電話の「お財布ケータイ」など、 日常生活の中で気が付かないうちに私たちは自動認識技術に触れていることがあります。 今月はそんな身近にある自動認識技術から2次元コードを使った例をご紹介しましょう。
2次元コードで入力支援
最近、いろいろなところで2次元コードの1つであるQRコードと携帯電話とを利用したアプリケーションを見かけます。 CMやポスターなどで知られるようになったこの2次元コード、FAの現場ではすでに製造工程などで数多く使用されています。
2次元コードをはじめとする自動認識のテクノロジーは意外にも皆さんの身近なところでも使われているのです。
QRコードと携帯電話を使ったアプリケーションは電車の車内広告や雑誌などでも頻繁に目にするようになっていますが、 その他のアプリケーションを調査してみると、QRコードはデータ入力支援の1つとして、意外と身近なところで使用されています。
QRコードに代表される2次元コードの大きな特徴の1つは、このコラムでも繰り返し紹介しているとおり、小さなコードに漢字やひらがなを網羅する大容量のデータ (最大約2,000文字)を入れることができる点にあります。この特徴を十分に活かしたアプリケーションが、入力支援なのです。
保険会社の契約書にも…
例えば、ダイレクト販売を基本とする保険会社では、あらかじめインターネット経由で入力された氏名・住所・プラン名などの契約基本データをもとに、 暗号化したQRコードを作成して契約申込用紙に印刷しています。 記入された申込書が保険会社に戻ってきたときに、スキャナーでQRコードを読み取れば、瞬時に正確な契約者データを入力することができます。
QRコードの印刷は契約申込用紙を印刷する時に同時に行いますから新たなコストはかかりませんし、 例えばOCRを使うときに必要な専用用紙も必要ありません。 2次元コードを印刷することでキーパンチャーによるマニュアル入力や大変高価なOCR読取機(金融機関では大変良く使用されていますが)が不要になるわけです。 このアプリケーションで必要なのは、オペレーター1人に対して1台のスキャナーだけとなります。 しかも誤読フリーですので、OCRのように読み込ませたあとでエラー訂正をする必要もありません。
拡張性、柔軟性に富んだシステム
また一部では、この大容量である特徴を活かして非常に柔軟性の高いシステムを作り上げている例もあります。
POSシステムに代表される大型ホストコンピューターを利用したシステムは、コードはIDとしてのみ使用されており、 その他の情報はすべて、IDを元にホストコンピューターから取得されます。
では代わりに必要な情報を2次元コード化するとどうなるでしょうか。 2次元コード自体に情報を入力しておくことで、必要な情報を取得するためにホストコンピューターにアクセスする頻度が減ります。 したがって自然とホストコンピューターの規模が小さくなり、システム全体の投資額も非常に小さくなります。 また2次元コードを使ったシステム自身がホストコンピューターから独立しているため、将来の拡張を考えたときに、システム自体に柔軟性があるケースが多くなります。
こんなところにも2次元コードが!
また、2次元コードのもう一つの特徴である『コードの小型化』を利用した例は、私たちのもっと身近なところにあります。
大手回転寿司チェーンでは、お皿の裏側にQRコードを付け、回転レールの一定の場所でそのコードを読み取ることによって 調理後一定の時間が過ぎたものを判別し、自動的に破棄する仕組みを作り上げています。この方法によってお客様はいつも握りたてのお寿司を食べること ができます。
QRコードを利用した理由はバーコードに比べコードの小型化が可能であることと、バーコードを読み取る時と違って、スーパーなどで よく目にする赤いレーザー光がないためだと思います(2次元コードはデジタルカメラ技術を利用して読み取っているので、レーザーは使いません。 お寿司屋さんで赤いレーザー光はみたくないですよね)。
その他にも2次元コードを利用した例は、まだまだあります。
学生証にQRコード(例えば名前と学生番号をコード化する)を入れて出欠確認をその場で行ったり、某有名靴ブランドでは靴の裏底 にQRコードを貼り付けていたり(恐らく固体管理だと思いますが)、文庫本の背表紙の部分にQRコードを付けている例もあります。
これからも2次元コードの特徴を活かした新しいアプリケーションが生まれ、私たちの生活を便利にしてくれるのではないでしょうか。 身近なところで使われている自動認識技術を探してみるのも面白いかもしれません。
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