知っていますか?プリンタのいろいろ

Vol.167 flags 2019年4月号

 前号では色々なラベルを紹介させて頂きましたが、ラベルにはバーコードや商品名などを印字する印刷装置のプリンタの存在が重要です。プリンタといってもいろいろな種類が各メーカーより製品化されています。
 今号は、その中でもラベルプリンタを中心に紹介いたします。

プリンタの種類

 オフィスで一般によく見かけるコピー機のような「ページプリンタ」という、紙を1枚ずつ印刷してくれるものがあります。これでも「ラベル印刷」は可能ですが、ラベル専用でないため、一度に1ページ分まとめて印字したり、ラベル1枚だけの印刷の場合、余白を沢山残した状態で出力することになります。大量にダイレクトメールの宛名シールなどを印字する場合には、使えないことはありませんが、1枚1枚、印刷して貼っていく産業用途の製品個品や、段ボール箱等に貼付する印刷の用途には、いくらラベル作成ソフトなどで印字範囲を制御できても、効率の面で余りお薦めできません。
 やはり定型サイズのラベルを1枚ずつ印刷するにはロール状のラベルを使って印刷するほうが効率が断然良くなるため、現場ではラベル専用プリンタがお薦めです。

<熱転写プリンタ>

 熱転写プリンタ(サーマルプリンタ)は、小型軽量に適して比較的内部構造が簡単なためコスト面も抑えることができ、静音性に優れているのが特長です。インクリボンを使用できるものと、使用しないサーマル紙専用となるものがあります。サーマル紙を使用した場合、印字した内容が時間経過で薄くなったり、熱で黒くなって読みにくくなってしまうといったことがあります。

 図1は、カバーを開けた状態のプリンタですが、黒いフィルムがインクリボンで、後ろが白いロール状のラベルです。
機種によって多少異なりますが、インクリボンを使用する場合は、ほぼこれに近い構成になっています。
 印字の際は黒いインクリボンがラベル表面にプリンタヘッドで押し付けられ、その状態でプリンタヘッドが過熱し、インクが溶けてラベル表面に転写される仕組みです。
 インクリボンを使用する場合はコート紙・合成紙のラベルが使用できます。 

 いずれにしてもプリンタヘッドは印字した量に応じて痛んできますので定期的に交換が必要です。またホコリ、紙粉などが溜まると印字がかすれることがありますので、日常の清掃も大事な作業です。
 一般的に多く普及している熱転写プリンタは、前述したように熱でインクを溶かして転写する熱溶融型です。
 余談となりますが、ラベルではなくICカードへの印刷には、熱転写プリンタの一種である昇華型プリンタというものがあります。これは昇華性染料インクを使ってフルカラーの写真印刷ができ、顔写真入りのICカード社員証等の印刷にも使用されます。

<インクジェットプリンタ>

 フルカラー印刷が容易にできるのがインクジェットプリンタの特長です。店内の棚札やPOPなどの効果的用途で用いられています。インクを微滴化し、印刷面に対し直接吹き付ける方式のプリンタです。構造が簡単で、家庭用プリンタでも広く普及しています。

<オートラベラー>

 ラベル自動貼付け機と複合化された自動的にラベルを印字して貼ってくれる装置です。
 貼り付ける対象・ラベルによって貼り付け方は異なってきますが、空気を吹き付けてラベルを対象物に飛ばして貼り付けたり、シリンダアームを伸ばして貼り付けたりと、巧みな動きでラベルを貼付していきます。

インク/インクリボン

 プリンタに必要なサプライ品に、インク/インクリボンがあります。

<熱転写プリンタ>

 色は、産業用では黒色がほとんどです。赤や黄色といったカラーのインクリボンも一部つかわれており、プリンタによっては2種のインクリボンをセットして同時に使用できるものもあります。
 インクリボンの種類は大きく3つの系統があり、使用するラベルの紙質や、どのぐらいの耐久性が必要かといったニーズで使いわけられます。
・ワックス系
上質紙やコート紙のラベルに使用されます。
・セミレジン系
ワックス系とレジン系の中間です。
・レジン系
ユポ紙やPETといったフィルム系のラベルに使用されます。耐久性(耐高温、耐擦過、対候性)にすぐれています。

<インクジェットプリンタ>

 こちらは家庭でも使われているものと原理は同じなので、黒以外に赤・青・黄といったカラーのインクカートリッジになっています。染料インクと顔料インクがあります。

メンテナンス

 どの様なプリンタでも長期の使用で、だんだん消耗してきますので定期的なメンテナンスが必要になります。
 サーマル・熱転写プリンタでは、やはりインクリボンやラベル紙に接するサーマルヘッド部分がどうしても経年劣化で交換が必要になってきます。ヘッドの特定の位置がうまく動かなくなると、印字が線を引いたように白く抜けます。特にバーコードを印字する場合、線を引いたように印字がぬけてしまうと、内容が間違ったり、うまく読めなくなったりしますので、業務に支障が起きてしまいます。
 プラテンローラとよばれる紙を送るためのローラも少しづつすり減ってきて、うまく紙送りができなくなり詰まりの原因になりますので、これも一定期間で交換が必要です。
 また交換の時期を長くするために、普段のサーマルヘッドやローラ部の定期的な清掃が必要です。熱で印字するので、ヘッドにホコリが付くと、インクリボンやサーマル紙に熱がうまく伝わらなくなりますのでかすれた印字になってしまいます。
 紙やインクリボンが通るルートも、ときどきはきれいに掃除をしないと、ホコリですべったりして、うまく流れなくなり、きれいに印字できなくなります。

発展してきたラベルプリンタ

<モバイルプリンタ>

 机の上に据えて使うもの以外に、「モバイルプリンタ」と呼ばれるバッテリで動く小型のものもあります。よく宅配便の集荷などで使われるものです。

<パソコンレス(スタンドアロン)>

 印刷は多くの場合、パソコンを接続して行われますが、プリンタにつけられたテンキーで入力して印字するものや、データをLANなどから取得して印字できるパソコンレス(スタンドアロン)タイプのものもあります。

<ICラベル印刷>

 またICタグのエンコード機能をもったものがあります。内部にHF帯やUHF帯リーダライタを搭載し、ICラベルの中身を書きかえるとともに、表面に商品名やバーコードを印刷します。ICラベルのエンコード発行も、昔に比べてずいぶん高速です。

<カッター機能>

 ラベルを切り分けてくれる、カッター機能を搭載していたり、オプションで付加できるものも多くあります。

<剥離機能>

 ラベルを台紙から剥離し、取りやすくしてくれる、作業性の向上にはありがたい便利な機能です。

 今回、ラベルプリンタについて簡単にご案内させていただきましたが、当社ではお客様の様々な用途にあった最適なラベルやプリンタ、その他サプライ品等々、お客様の業務効率を上げる為のソリューションをご提供しております。
 長年の経験を持った多くのスタッフがお客様のニーズに合ったご提案をさせていただきますので、是非、お気軽に当社営業担当までお声がけ下さい。