現場の作業効率を低下させない!作業実績収集システムのすすめ

VOL.145 flags 2017年6月号

 製造現場を日本国内に戻す動きが活発化し、今以上に適正な人件費を含む経費の見直しが要求される中、何が適正で何がボトルネックなのかを把握するための情報収集としては、正確かつタイムリーな作業実績収集による分析が適しています。
当社のWebサイトでも、作業実績収集システムの問い合わせが急増しています。今月は作業効率を低下させない生産実績収集システムについてご紹介いたします。

戻り始めた国内生産

 製造業の日本への現場回帰は海外人件費の高騰により、徐々に現実的な動きとなってきています。
 企業としても海外での政治不安やテロなどの企業リスクを背負い、安い人権費だけを追い求める様な“安易な海外展開”で通用する時代は既に終わっているとの認識を強く抱くようになり、方針の転換が始まっています。
 国内の製造業復活は、経済成長を押し上げるだけでなく、雇用の増加も期待できる一石二鳥の効果が期待できます。
 一方で、国内復帰を目指すとしても、市場競争を勝ち残るためには、労働力のパフォーマンスを向上させ、生産コストを抑える仕組みは当然の課題です。
 労働生産性を上げるために「見える化」と「可視化」の両輪を操るシステムの導入を求める声が高まってきています。

日報による実績集計

 「可視化」とは人が情報を見えるようにすることであり、「見える化」は情報が人を駆動することであるといわれています。そのどちらの要求にも応えるには、まず、手元にある実績データを上手くコントロールをして、上流から下流まで活用し応用できるかという点にあります。
 例えば、収集されたデータの不確実性、生産性向上を阻害する従業員の稼働履歴、過剰労働や偽装労働等時間管理の盲点など、従来の手書きの処理だけの環境ではとてもパフォーマンスの向上など望めない上、人のモラルに頼るだけの施策では、市場競争では生き残れなくなっています。
 とはいえ、現在でも紙の指示書に実績を手書きで記録し、業務が終了してから紙を回収して集計作業をしている現場も少なくありません。
 さらに実績の集計は一日の出来高のみで作業時間の集計は賃金計算をする為の「タイムカードのみ」という現場も見られます。
 手書きの実績集計では不正確、非効率、非リアルタイム性など図1に示すような、目に見えない潜在的な問題が発生しているのです。

工数実績の収集に特化したシステム

 現場の可視化を行い、労働生産性の見える化の近道は、実績収集システムの導入です。
 “実績収集システム”で検索すると数多くの製品が表示できますが、スケジューラや部材受払い管理、工程管理、トレーサビリティなど、既存の生産管理システムと機能が重複していたり、導入目的によって、オーバースペック、故にオーバーコストで導入を諦めたと言う声も聞こえてきています。
 当社の『WMステーション for NFC』は、作業者の声と管理者の要求を取り入れ、工数実績の収集に特化したパッケージにする事によりコストを大幅に抑えました。
 中小規模の現場や外部倉庫などにも容易に導入する事ができるようになり、機能を特化した事で、現場作業者の操作性を最大限に考慮した、“誰でも簡単オペレーション”のコンセプトを実現いたしました。
 また、既に生産管理システムを導入されている大規模の現場でも、工数実績の収集に機能を特化しているので、機能の重複やデータの2 重管理の心配も無く、既存システムのサブシステムとして正確かつ精度の高い現場の実績データを提供する事が可能です。

<図1> 手書き工数管理で発生する問題 事象 結果
1.作業時間を各担当の記憶で記録される。 曖昧な実績 不正確な原価
非効率な生産指示
トレーサビリティの断絶
2.作業時間がまるめて記録されてしまう。
3.誤った作業項目に記録してしまう。
4.手書きによる数字の読み違い。
5.工程を飛ばしてしまう。 不良品の発生 歩留り悪化
6.不良品の投入ミス
7.システムへの打ち込みは作業後の残業で処理。 情報の遅延 無駄な生産計画
営業機会損失
8 作業終了後でないと進捗が把握出来ない。

具体的な導入効果

 それでは、実際に実績収集システムをご導入頂いた企業様の具体事例を交えてご紹介します。
 全ての従業員が作業ごとに従事した時間や出来高を日報に記入して、作業終了後に記入内容を見直し、日報を提出して業務が終了します。当り前のルーチンですが、日報の手書き、確認の作業に10分/1人の時間を費やしていると、年間40時間となります。
 ある物流センター様では、約160万円の人件費削減効果が出ており、一年以内で導入費用の回収ができています。更に、入力された実績はリアルタイムに集計されるため、業務終了後に回収した全従業員の作業工数の集計作業や、既存システムへの実績入力など、管理者による工数管理の作業負担の90%が軽減されております。
 正確かつリアルタイムに作業実績が収集できるようになったので、作業の集計を待たなくても「どの作業が」「どこで」「どれくらい」作業が進捗しているのかが、いつでも可視化できるので、作業進捗を見ながらボトルネックとなっている作業へ人員を手配するなど、リソースの有効利用ができるようになり、生産性も向上しました。
 興味深い効果なのが“従業員の時間に対する意識向上”です。作業実績収集システムを導入する事により『現場の見える化』が実現して誰でも作業進捗を見られるようにしてしばらく運用していると、作業開始/終了を正確に打刻する意識や、作業に対する時間の意識が向上し、作業の切換え、休憩時間、アイドル時間などがより正確に収集する風土が生れるという相乗効果がありました。
 実績収集に特化した作業実績収集システムを数多く導入させて頂く中で、小さな要望、気づきのレベルであっても日々作業する現場での従業員にとっては、非常に重要なご意見、ご要望として数多くのアドバイスを頂きました。
 『WMステーション for NFC』は、貴重な現場の声を反映した作業実績収集システムとなっております。

注目のNFCに一早く対応

NFC(Near Field Communication)とは非接触近接通信の国際規格で、NFCを活用して利用者に対して“便利”、“スピーディ”、“簡単操作”で様々なサービスを提供しようと非常に注目されています。
 身近なサービスではおサイフケータイでの買い物や、SuicaやICOCAなどの交通系ICカードなど非接触通信を利用した便利なサービスが普及しています。
 WMステーションではICカード作業員証を用意しておりますが、従業員が所有するおサイフケータイやSuicaなどをICカード作業員証として登録することも可能です。パートさんやアルバイトさんなど、雇用期間が不透明な従業員を多く採用しているお客様のご要望に対応しました。

最後に

 WMステーションは、他に類を見ない最高のコストパフォーマンスを実現し、カスタマイズ対応が可能なパッケージですので、導入後に“収集する項目を追加したい”、“他の業務へも展開したい”などのお客様のご要望にもお応えできます。
 機能とコストパフォーマンスの高さは、是非実機でのデモンストレーションにて、適切かつ充実した機能をご確認いただければ幸いです。 詳細は、当社営業担当までお気軽にお問い合わせください。


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