勤怠・入退室管理ソリューションの紹介

VOL.117 flags 2015年2月号

 ICカードによる入退室管理システムは、情報漏洩などのセキュリティ強化に加え、勤怠管理や経費精算、賃金請求業務などの自動化、労務管理の精度向上、勤務中の不正防止等の目的などで導入が拡大しています。システム導入のすそ野は、一般のマンションやホテルのキーロック、工場・オフィスの入退室管理、学校・幼稚園などの生徒の動静管理など、あらゆる生活場面にも広がり、活用の多様化が始まっています。
 今号ではこれらの個人認証で利用が拡大しているICカードソリューションを紹介します。

タイムカードのICカード化

タイムカードのICカード化

タイムカードは、労働者にとっては、自分の勤務時間証明で、残業や休日出勤など給与や賞与に直接反映する出退勤情報の提供のための重要なツールで、今日でも多くの職場で利用されています。

 
 このお馴染みの電気式タイムカードのルーツをたどると、1931年に日本人の発明により生まれ、給与体系が複雑化していくにつれ、賃金計算に便利な打刻式タイムレコーダーの需要は、瞬く間に世界中へ広がっていきました。
 初期の打刻式タイムカードは、時刻が記載された出勤簿と同じで、毎月管理部門が全従業員のタイムカードを物理的に回収して、上位(勘定、生産管理)システムに入力しなければならず、締日には非常に大きな負担となっているのです。
 そこで、近年では打刻式のタイムカードをICカード社員証に切替え、ICカード対応タイムレコーダーを導入する企業様が増加しています。
 これにより出退勤情報は自動で収集できるだけでなく、外出、帰社、遅刻・早退の理由入力などの記録も収集できます。
 さらに、工場で要望の多い“お弁当の注文登録機能”を利用すると、日々のオーダーが自動で集計でき、月末には従業員毎の食事代明細までが出力可能となっています。
 ある物流倉庫様では、個人所有のIC付携帯電話や交通系カード(Suica)などを、ICカード社員証の代わりに利用している例もあります。
 また、クレジット機能付きのIC社員証により、社員食堂の代金精算を賄うものまで出てきています。

園児管理で注目されているIC カード

 複雑と言われる企業の勤務シフト管理と同様に、保育園の情報管理も”日常的に、面倒で複雑な業務が要求されています。
 園児の登降園の時間は、各家庭の事情や園児の体調によりバラバラで、延長保育、バス利用の有無、おやつの有無など、多岐にわたって管理しなければならない情報が山積みされています。
 月末には、園児それぞれが利用した時間やサービスの請求計算や自治体への業務実態報告など、人手により集計している保育園が未だに多く、保育士の方々は夜遅くまで過酷な現場で苦労されているのが現状です。

 さらに、今年4月から「子ども・子育て関連三法」が施行され、幼稚園と保育園の財政処置が一本化となるため、市場における自由競争の加速や、業務実態集計が複雑化する上に、保育時間も長くなる事が想定されており、業務の効率化が急務となっています。
 効率化対策の一つとして、注目されているのがICカードによる『園児管理システム』で、今期は、当社の製品出荷台数も大きく増加することが見込まれています。

広がる個人認証管理

 加工食品工場で、従業員の故意または過失による異物混入事件は、食の安全を信じる消費者にとっては、大きな衝撃を与えるニュースとなりました。
 この事件・事故をきっかけに、作業員や従業員の入退場管理や立入制限区域の管理など、厳重な個人認証管理の要請がさらに大きな広がりを見せています。
 私鉄大手の小田急電鉄様や東京急行電鉄様は、自動改札で入退場を行うとメールを配信するサービスを導入しており、家庭から学校、習い事などで改札の通過情報が確認できるセキュリティサービスが展開されており、ICカードによる個人認証は、ますます身近な時代になってきています。

最後に

 今号では、個人認証を中心に、ICカード活用事例における勤怠・入退室管理ソリューションを紹介しました。
 工場や倉庫の現場では、ICカード社員証でそのまま「製造実績収集システム」へ活用したり、社員食堂での「食券天引きシステム」などにも利用するなど、一枚のカードで多様な使い方が浸透してきています。
 ICカードを利用したシステムは、当社の標準パッケージを活用すれば、安価で簡単で、迅速に導入実現が可能です。
 当社は、様々なIC カードを活用した事例をご用意しておりますので、ご関心・ご用命などございましたら、当社営業担当まで、お気軽にお問合せください。